移住者プロフィール
小林 由美さん
現住所:福岡県と熊本県球磨郡五木村の二拠点生活、仕事:薬膳のお店を経営。2号店を五木村にオープンするべく準備中。
五木村を知ったきっかけは?
小林由美さん(以下、小林):元々親戚が五木村にいて、子どもの頃は夏のたびに五木村にやって来ては、山や川で遊んでいました。白滝公園の辺りでもよく川遊びをしていましたね。
五木村に移住をするきっかけを教えてください。
小林:五木村では、昔は家で飲むお茶を各家庭で作るという風習がありました。今でも親戚が使っていた茶畑が残っているので、お茶加工の知識のある私がそこを引き継いで管理するようになりました。
段々と、もう少し茶畑を増やしたいなという想いがわいてきて、周りの人に相談してみると、大きな茶畑を貸してもらえることになって。
気が付けば、広大な茶畑を管理することになっていました。コロナ渦で他県への移動がままならず、茶畑の管理の為に「お試し住宅」を借りて五木村に滞在していたのですが、農機具や道具を置いておく納屋が必要になり、役場の担当者に相談する機会があったんです。
その時すぐに2件程「空き家バンク」の物件を見せてもらえて、今の物件に即決しました。
五木村以外の選択肢は考えましたか?
小林:考えなかったですね。小さい頃から毎年五木村に滞在し、ここの水を飲み、おいしいものを食べていた記憶が鮮明に残っていたことが大きかったかもしれません。今まで仕事でいろんな土地を訪れましたが、どこに行っても、「五木村の美しい岩清水とその水で育つ作物のおいしさはやっぱり特別だ!」とずっと思ってきましたから。
九州にはたくさんのお茶の産地がありますが、ここでしかできないお茶を作っていきたいと思ったんです。水の綺麗な五木村でなら、“どこよりもおいしいお茶づくり”ができると確信していますが、私が作るお茶畑は中国茶の製法なので、村の方にはまだあまり馴染みがなくて。
日本茶の心得のある先輩が心配して声をかけてくださることもしばしばあります。五木村で知り合った先輩方には、いつも草刈りを手伝って頂いたり、アドバイスを頂いたりと、常々気にかけて頂けて本当に感謝しています。
現在福岡にも拠点をお持ちとのことですが、五木村ではどのような活動を考えていますか?
小林:現在福岡で薬膳のお店や教室をしているのですが、五木村ではその2店舗目として、薬膳の教室を主宰したり、研修所や工房として使えるようにしていくつもりです。昭和の古屋とはいえ、とてもきれいに管理されている物件で、自分だけで使うのはもったいないと思い、事業所にすることにしました。
加工用のキッチンを入れたり、部屋の区切りを大幅に変えるなど、今後グループで滞在したり別荘としても使えるように、思い切って改装をしました。庭にもいろいろな生薬を植えてもらって百薬園になっています。買って植えたものもあれば、山で見つけて自分で植えたものもあります。
今後予定している薬膳教室では、この百薬も使っていきたいと思っているので、ぜひ村の方にも参加して頂きたいと思っています。
五木村で採れる植物の利用方法や価値を知ってもらって、もっともっと活用してほしいと共に、村の産業になっていけばいいなと願っています。
今後の展望を教えてください
小林:福岡でやっているような薬膳教室を五木村でやることはもちろんですが、五木村の自然の中で育てたお茶や農産物で、商品開発も行なっていく予定です。
薬膳の目線で、五木村をもっと楽しんでもらえるように、地元の資源を使って料理教室をしたり、茶摘み体験やお茶を愉しむ場所づくりといった“遊び”や“体験”ができるような「観光地づくり」をしていきたいと思っています。