移住者プロフィール
橋本晶子さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
北海道陸別町の地域おこし協力隊、趣味・特技:料理・温泉巡り・旅行(プランニング含む)
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
住みたい町が募集している(求めている)内容と個人がチャレンジしたい目標が合致し、定住に向けてのサポートが手厚い制度であることが、地域おこし協力隊への応募動機です。
募集の内容と合致しているということは、やりたい仕事、好きな町での生活が手に入るということです。起業に関しても起業支援補助金があり、チャレンジを後押ししてくれる制度です。
また、住居などのきめ細かなサポートを受けられること、地域への溶け込みやすさも地域おこし協力隊として地方に移住するメリットだと思います。
北海道陸別町を選んだ理由について教えて下さい。
自分が暮らす環境に必要なもの、特になくても困らないものを考えた上で、これからの生活の形を様々に思い描くことが出来たことが陸別町を選んだ理由です。
まず、陸別は好きなものがたくさん詰まった町でした。美しい星空、キーンと冷えた冬、鉄道施設、豊かな自然、きれいな水、きれいな空気です。
自分の体質に合っていたこともあります。実家からの通勤では毎年熱中症で倒れることもありました。10年以上も重度の花粉症で薬を飲んでも症状がひどく、原因物質のない土地での生活はどんなに楽だろうかと夢見ていました。
また、以前勤務していた会社がりくべつ鉄道の車両修繕に携わっていた関係で、書類上ですがやりとりをした経験があり、ご縁がある町でした。人生の分岐点に立った時に、陸別町に移住した方からたまたま地域おこし協力隊の募集について伺い、更なるご縁を感じて応募しました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
最初は、町づくり会社の総務業務や物販販売のお手伝いを中心に、町全体を知ることが出来る業務に就かせていただきました。創業期の会社業務に携わることは、自分が事業化するにあたり最良の経験であると実感しております。
町づくり会社には物産開発事業部、鉄道事業部、受託事業部があり、特産品の開発販売をしている現場、商工会が保存鉄道を運営している窓口、銀河の森天文台・コテージ等の業務の受託などの現場に携わることが出来ました。
また、産業振興課内の業務として町内イベントのお手伝いをする中でこれまで築き上げられてきたものや、町内外の様々な関わりについても知る機会を得ました。自分の特性を活かした業務としては、特産品開発があります。
自分の目線を大切に見守っていただく中、現在、試作を重ねて商品化していく工程を中心に具体化してきた起業化に係る準備も含め業務とさせて頂いています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
町中や訪問先で応援の言葉をいただくと嬉しく感じますし、何かの折に必要とされているんだと感じる言葉を頂いたり、レシピをおこして試作した際、試食した方から「美味しいね。早く商品化されたらいいね。」等の声を頂いた時に、成果が出ているとは言い難い道半ばの活動中の身でありながら喜びを感じてきました。
卒隊後に事業で雇用を生み出せたり何らしかの成果を出せた時に、自分にとっての「地域おこし協力隊としてのやり甲斐」を実感出来るのだと思います。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
地域おこし協力隊になって想定外で困ったということは、自分の経験の中にはありませんでした。地域おこし協力隊は全て一律同じ条件ではないのは知っておりましたし、不安なことはその都度相談して解決できる内容でした。
それ以上に、親身になってご提案いただくこともあり、そちらの方が想定外の嬉しい出来事だったかもしれません。2020年2月1日着任しましたが、新型コロナウイルスの感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてから始った日常の変化、これは、誰もが想定外だったと思います。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
卒隊後のビジョンは、アフターコロナで変化した世の中の流れにのって地方に仕事の場を増やすことです。リモートワークの標準化や生活様式の変化は地方活性化には大きなチャンスだと捉えています。
仕事も食文化も距離を超えた取引が当たり前の時代になりました。安定した収入を確保出来る仕組みを確立して、この町で働く仲間を増やすことが目標です。
今考えているのは素材の宝庫である北海道での菓子等製造拠点を作る事業とバックオフィス業務請負事業です。
陸別町の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
着任時期は真冬でした。使っていないFFストーブがあるからと身も知らずな私の入居にあわせてストーブを設置いただいたことに始まり、これまで感謝しきれない程にお世話になっており「おかげさま」の毎日です。
野生のきのこの見分け方や白樺樹液の採取の仕方を教わり、ご自宅の山で行者ニンニクの収穫体験をさせていただきました。山葡萄やラズベリーを活動に役立てて欲しいと持ってきてくださったり、自然の恵みを享受させて頂きました。
移住に関する不安は先輩移住者のみなさんが相談にのってくれます。このたび定住に向け引っ越しをしたのですが、地元のガス屋さんや職場の仲間が手伝ってくれました。
引っ越しをすると聞いて軽トラを貸してくださる方もいらっしゃいました。「何か出来ることがあったら助けるよ」という気持ちをいつも感じるのが陸別で出会った方々です。
陸別町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
一番寒い町で有名な陸別ですが、国内最長の運転体験ができる保存鉄道「りくべつ鉄道」や最大級の天体望遠鏡がある銀河の森天文台、道内最大級の史跡「ユクエピラチャシ」が町の中心付近にあります。
ユクエピラとはアイヌ語で「鹿・食べる・崖」の意です。いにしえより鹿の存在は大きいようで、その陸別の鹿肉を使った「りくべつ鹿ジンギスカン」は必食です。
またモータースポーツ好きにとって陸別は国内初のWRC・ラリージャパンの開催からの歴史がありグラベル走行は一見の価値があると思います。
実は、隠れたビューポイントも存在します。日本のSuperDARN(オーロラや電離圏の超観測網)のレーダーは南極・昭和基地に2基、アラスカに1基、そして陸別ポントマムになんと2基設置されています。
宇宙に一番近い放牧場かもしれません。このポントマムの放牧場から望む阿寒岳の風景はとても美しいです。そんなりくべつミルクを使ったおあずけプリンも是非お召し上がりいただきたい一品です。
短い夏を楽しむように高山植物の女王コマクサが町内のあちらこちらで可憐な姿を見せてくれます。自然環境が守られてる証だと感じます。そんな静かな町内でゆったり過ごす時間からはヒーリング効果を感じます。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
移住を検討されているみなさんへ。
最初に、地域おこし協力隊に応募する際、募集している業務の内容と契約形態(雇用型・委託型)があっているか、また業務内容を続けた先、卒隊後にこの町での引き続きの生活イメージを描けるかというところは事前に考えておくと良いポイントだと思います。
陸別町への移住に関してですが、一番寒い町ということで冬の生活が気になるかと思います。陸別は比較的雪が少なく、雪は溶けるというより蒸発しますので水浸しになった経験がありません。
朝、ドアを開ければダイヤモンドダストが舞う日もあります。真っ青な空と純白の霧氷や樹氷で飾られた山々は美しく家の中はとてもあたたかで私は陸別の冬がとても好きです。
夏は盆地ならではの暑さはあります。これまで冷房なし生活でも平気だったことも申し添えておきます。買い物でのドライブも私には楽しみですし、女満別空港へは車で1時間と少しです。
羽田移動は想像以上に近いと感じていただけると思います。鹿や狐の飛び出しには気をつけて!百聞は一見にしかず、移住をご検討されておられる方は是非、陸別町にいらしてください。
「ちょっと暮らし体験」で陸別生活を体験することも出来ます。私の好きな町を好きになっていただけたらとても嬉しいです。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2