移住者プロフィール
関 正秀さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
徳島県阿南市の地域おこし協力隊、趣味・特技:子育て・ソフトテニス
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
大阪で市役所職員として働いていた頃から、地域のプレイヤーと関わりながらまちづくりに携わりたいと考え、少しずつ行動していました。
妻の転職を機に移住が決まったのですが、その際、自分の転職を考えていた時に、移住のお世話をしていただいた現在の受け入れ団体「加茂谷元気なまちづくり会」が、過疎地の課題に向き合いながらさまざまなまちづくりに取り組んでいることを知りました。そこで、自分の希望であった農業をしながら、この地域でまちづくりにも携わりたいと思い、地域おこし協力隊になることを決めました。
徳島県阿南市を選んだ理由について教えて下さい。
一言で言うとフィーリングでした。先に妻の転職が徳島県で決まっていたため、家族で移住することになり、県内で移住先を探していました。私が農業ができる環境を求めて、各地域に見学に行ったり、情報収集したりする中で、阿南市加茂谷地域に惹かれました。
加茂谷元気なまちづくり会の紹介記事やホームページを見た時、満面の笑みで楽しそうに農業やまちづくりに携わる”田舎のおっちゃん”の顔を見て、「ここだ!」と思いました。今思えば、人間関係が希薄になりがちな現代社会の中で、地域コミュニティの温かさに触れながら暮らしや子育てをしたいという気持ちがあったからこそ、この地域を選んだのだと思います。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
主に受け入れ団体である「加茂谷元気なまちづくり会」の活動を支援しています。地域イベントの手伝いや、移住支援に関する就農フェアの出展、移住者や学生の体験活動のサポートなどを行っています。
また農村RMO事業を通じて、地域の将来像についてみんなで考え、まちづくりに関するさまざまな取り組みを始めています。併せて、自身の生業づくりとして、すだち農家の手伝いや四国遍路の遍路宿の開業準備も進めています。
さらに、多世代交流イベントやコーヒーの露店出店を通じて、子育て支援の取り組みを開始するなど、さまざまな地域課題にも取り組んでいます。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
地域が職場であるというのは、自分にとってとても大きな意味を持っています。まちの将来を考えるという、非常に重要なことに直接関わることができるため、「自分の子どもが育つ地域や環境を自分たちで作れるんだ」と考えながら活動しています。
さらに、仕事の仲間がすべて地域の住民さんなので、住民の皆さんととても近い関係を築けることが嬉しいです。このような関係性が、自分の暮らしにも良い影響を与えていて、道端でお互いに声をかけ合ったり、話し込んだりと、居心地の良い環境を作ることができていると感じています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
着任時に先入観を持たなかったため、ネガティブな意味での想定外はあまりなく、むしろポジティブな想定外が多くありました。
例えば、地域での協力隊の認知度やチャレンジへの寛容さが非常に高いこと(これは協力隊の先輩が地域にうまく認知されていたおかげだと思います)、協力隊の肩書が地域内外で人脈を広げるのに役立つこと、そして協力隊の仕事の一部として生業づくりができ、退任後のキャリア形成の準備ができることなどです。
特に私にとっての一番の想定外は、地域でメンターと呼べるような人と出会い、まちづくりに関わる起業という選択肢が生まれたことです。これが私にとって非常に大きな出来事となりました。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
私は、ハウスすだち農家としての事業と、副業としての起業を組み合わせた「半農半X」のライフスタイルを目指しています。現在、先輩農家さんのもとで修行中で、任期後にはその事業を引き継ぐ予定です。
副業では、遍路宿の経営を起点として、地域住民とのつながりを大切にしながら、移住者支援や農泊事業、子育て支援事業などに取り組んでいきたいと考えています。これらの活動を通じて、地域課題の解決や、地域の子どもたちが将来、地域への愛着や誇りを持ち、帰ってきてくれるようなまちづくりに取り組むため、起業を目指しています。
阿南市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
この地域の住民の皆さんは本当に面倒見が良く、よそ者の受け入れにも非常に寛容で、私たち家族を温かく歓迎してくれました。
引っ越し後には、ご近所のまちづくり会のメンバーの方から「ごみの出し方わかる?」と電話をいただいたこともありました。この地域では、家ごとにごみの置き場所を決めるのですが、その方は「じゃあここにしよう」「かご持ってこよか」と言って、農業用の不要なコンテナやネットをわざわざ家から持ってきてくれました。
また、他にもさまざまな場面で親切にしていただき、妻と一緒に「集団で騙されてるんじゃないか」と冗談を言い合うくらい、皆さんが温かく接してくれました。
阿南市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
阿南市は徳島県第2の都市ですが、中山間地域と都市部がコンパクトに共存し、海や川のアクティビティも充実した町です。私が住む加茂谷地区も、阿南市街地まで車で20分弱、徳島市内まで30分で着くという、田舎の良さと便利さがうまく融合した地域です。
加茂谷地区には四国遍路の21番札所、太龍寺があり、お遍路さんの通り道として、お接待文化や地域コミュニティ、共助の精神が残る貴重な田舎です。さらに、加茂谷の住民は地域愛が強く、非常に熱心に地域に関わっています。
現代社会で人間関係が希薄化する中、加茂谷は優しさと強さにあふれた貴重な地域だと感じています。これからも心が帰りたくなるような地域づくりに努めていきたいと思っています。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
加茂谷地区には過疎地の課題が多くありますが、住民が主役となってさまざまな取り組みを進めている地域です。地域が盛り上がることに対しては、何でも受け入れ応援してくれる大らかな環境があります。
自分の好きなことを伸ばすもよし、ガチでまちづくりの主役になるもよし、そしてまちづくりに関わらず、思い切り田舎暮らしを楽しむことも可能です!
人との関わりが多い地域なので、地域の出役や消防団などが煩わしく感じる方もいるかもしれませんが、ポジティブに楽しめる方には最高の地域だと思います。のどかな環境で温かい人々に囲まれて、みんなで一緒に思い切り楽しみながら地域を盛り上げてみませんか?
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2