移住者プロフィール
相原 健児さん
・出身地 神奈川県 ・現住所 阿南市 ・移住時期 2023年5月 ・職業 農業 ・前職 福井県池田町で地域おこし協力隊→農業法人で勤務 ・年齢 45歳
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子どもたちに自然をガイドとして伝える
神奈川県生まれの相原健児さん。大学進学で岡山県へ。卒業したあとは神戸市役所で造園職として勤務していました。
「神戸市役所では造園職という公園の管理や作るような職に就いていました。その中で、子どもたちが公園を使って自由に遊ぶ活動を地域の人とやっていたのがキッカケで子どもたちと自然とが関わるような活動に興味が出てきました。」
「イベントで自然体験活動を行っている会社さんを呼んだことがあり、その方たちの活動がとてもおもしろくて、その会社に転職し、自然体験ガイドの仕事に就きました。」
地に足を付けたいと思い、地域おこし協力隊に
自然体験ガイドとなり、各地で自然を子供たちに伝える活動を行っていた健児さん。しかし転勤が多い生活を送っていました。
「静岡、岡山、沖縄と転勤しながら、その地域の自然を子供たちに伝えるという仕事を日本各地でしていました。」
「仕事も面白く、充実した毎日だったのですが転勤が多かったので、地に足を付けて暮らしたいと思うようになりました。地域にしっかりと入れるような仕事を探していく中で、地域おこし協力隊を知りました。福井県の池田町で木育といって、子どもたちに森や木のことを伝える施設を作り、さらに運営に関われるという募集で、今までの経験が地域のために役立てるのではないかと思って、応募して池田町に行きました。」
福井県から阿南市へ
子どものことを考えた時に伸び伸び過ごさせたいと考えていたところ、思いついたのは自然体験ガイド時代に知った阿南市にあるオルタナティブスクール「NPO法人自然スクールTOEC(トエック)」でした。
「福井県池田町では8年間暮らしました。そこで今の奥さんと出会い、結婚して、子どもも生まれました。息子が幼稚園に入るタイミングになり、自由に伸び伸びと過ごし、個性が伸ばせる場所に通わせたいと奥さんと話していて、移住を含めて子どもの教育環境を考えるようになりました。」
「そこで思い出したのが自然活動ガイド時代に知った、阿南市にあるオルタナティブスクール「NPO法人自然スクールTOEC(トエック)」でした。」
「TOECのある阿南市について調べていく中で、地域を上げて移住や就農をサポートしてくれている加茂谷地区のことを知りました。仕事として、農業を独立してチャレンジしたいという自分自身の思いと息子の教育環境、海や山など豊かな自然の中に行きやすいなど、移住先として自分たちにとってベストな場所だと思いました。」
「加茂谷元気なまちづくり会」の献身的なサポート
移住支援団体「加茂谷元気なまちづくり会」が地域を上げて移住者をバックアップしてくれる環境がすごく助かり、農業をスムーズに始められるおススメなところだと話してくれました。
「この住んでいる加茂谷地区は移住者についての地域のバックアップが凄いです。」
「農業を始めるにあたっては移住支援団体である「加茂谷元気なまちづくり会」さんが農地や家のあっせんと農業の技術指導でサポートしてくれるのがいいなと感じました。」
「葉物野菜を育てるためのハウスを借りるのも低価格で借りれるようにしてくださり、初期投資が抑えられて、本当に好条件でスムーズに農業を始められたのは「加茂谷元気なまちづくり会」さんのおかげっていうのはすごくありますね。」
9月に葉物野菜の栽培をスタートさせて、ちょうど半年ほどが経過しました。
「福井県で2年間、地域おこし協力隊の後に農業をやりたくて、池田町にある農業法人で働いていました。」
そこでは、露地でハーブを育てていましたが、葉物野菜とは育て方が全然違いました。そこで学べたベースは活きているけど、やっぱり違う感じで、0からではないけど0.5から始まったっていう感じでしたね。そこで「加茂谷元気なまちづくり会」会長の山下さんのハウスで研修させてもらったのが、すごく役に立っていますね。」
「農業」と「yomogiyasan」
健児さんは葉物野菜を中心に栽培しており、その中で微生物を活用しています。
「福井県の農業法人で働いていた時に得た知識や技術を葉物野菜にも活用できると思い、こっちでも微生物を使って葉物野菜を作っています。」
「よく聞く乳酸菌とかは自分自身で酸を作り出せれて、病気の対策にはとても良い菌ですし、他にも納豆菌を土に混ぜたり、酵母菌などを使ったりしています。」
「そうするのは、農薬を減らしたいというのが一番大きいですね。どうしても使わないといけない場面はあるのだけども、一番は子どもたちに野菜を食べて欲しくて、農薬をあまり取りたくないっていう人に、買ってもらえるような野菜をつくっていきたいと思っています。」
奥様の真紀さんは「yomogiyasan」を立ち上げ、日本初のよもぎ専門店、よもぎのセレクトショップとして運営しています。
「奥さんは「yomogiyasan」という名前で天日干しよもぎ茶を手作りしていて、今後は加茂谷のイベントだけじゃなく、県内のマルシェなどにも出展して加茂谷やよもぎのPRをしていければいいなと思っています」
お子さんが幼稚園に入るタイミングもあり、真紀さんも本腰入れて動けるように。
「女性の悩みで多い、冷え・便秘にすごくよもぎの薬効は作用するといわれているのですが、若い世代はよもぎを食べる機会、よもぎを選択するのは少ないのがもったいないと思っています。そんな若い方にこそ、よもぎを積極的に摂ってもらいたいとうちの奥さんは言っていて、よもぎをオシャレに、手に取ってもらいやすいように、作り方やメニューを提案しています。よもぎをより身近に、あたりまえにしていきたいという話をしています。」
「yomogiyasan」では、オシャレなよもぎドリンクや、よもぎのおしるこ等も販売しており、おしるこはあんこの甘さとよもぎが良いバランスでした。他にもドリンクメニューやラインナップを増やしたいと検討しているとのことです。
加茂谷での暮らしと繋がり
加茂谷に移住してきて、地域の方、他の移住者さんと良い距離感で接していけてるのがとても居心地が良いと話してくれました。
「良い環境です。ここ加茂谷は移住者の先輩も多く、支援団体さんのサポートだけでなくて、移住者繋がりが密だなと思うので、そこもやっぱり良いところだなと感じますね。」
「移住者の先輩の中で、10年近く住んでいる方もいるので、それだけ長くここにいるということは良い所なんだなと思うんですよね。加茂谷のイベントで、地域の方と移住者とが関わりながらできるようなこともいっぱいあるし、入りやすい地域だと思います。」
農業体験、マルシェ出展で繋がりを広げる
子どもたちに体験などを通して、野菜を食べてもらいたい。好きになってもらいたい。と計画中の健児さん。
「露地の畑を借りれたので、農業を通じて子どもたちに色々な体験をしてもらう場をつくりたいと考えています。まだ認知度が低いので、単発になるかもしれないのですが、収穫体験やその野菜を使ってその場でアウトドア料理を作ったりとか、そんなものを今年から何回かやっていきたいと思っています。いずれは親子で年間通して汗をかきながら一緒に野菜を育てる農業体験をしたいと思っています。」
「うちの子も普段はあまり野菜を食べてくれないのですが、自分で種をまいたり、収穫したり、自分で調理に関わったものは食べてくれるんですよね(笑)」
「きっと今は野菜嫌いな子も、まったく関係ない野菜は美味しいよと言ってもなかなか食べてくれないけど、自分で関わった野菜は子どもたちも食べてくれるんじゃないかと思って。親御さんも一緒に畑の中で、汗かいて、楽しんで、みんなで青空の下でおいしい野菜を食べる。そんなことをやってみたいですね」
真紀さんと一緒に自分たちの活動をもっと知ってもらうよう、盛り上げていきたいと思っているようです。
「奥さんの「yomogiyasan」もそうだし、うちの野菜もマルシェ等で一緒に販売して、まずは知ってもらうっていうところを強めていきたいと思っています。それに伴って、お店の出展者さんとの繋がりだったり、お客さんだったりとの横の繋がりも生まれてくると思うので、どんどんマルシェ出展の方に力を入れていきたいと思っています。」
よもぎが地域で反響があり、嬉しい出来事もあったのだとか
「地域の方でよもぎのファンになったと言ってくれた方もいます。身近にある植物だけど、薬効がすごく高くて、味もよもぎ独特の香りで、お菓子とかに入れると好きな方が結構いらっしゃって、よもぎクッキーを地域のイベントで出してたんですよ。近所のお子さんに一番美味しかったものを聞いたら、「よもぎクッキー」と答えてくれたり、他のお客さんで、よもぎのおしるこが美味しかったから、よもぎを自分なりにアレンジして料理しましたと言ってくれたりして、よもぎがちょっと広がっていってるのかなと、嬉しい気持ちになりましたね。」
それぞれの暮らしを楽しみながら暮らす
加茂谷に来たいという方に健児さんは深く考えすぎずに来てみてほしいと話してくれました。
「いくつかの地域、田舎で暮らして感じたのは、地域の受け入れ体制がしっかりしているところと、先輩移住者が多いところっていうのはそんなに間違いはないと思います。」
「その意味では、加茂谷は両方ともすごく揃っているのと思うので、来てみて合う・合わないがあるかもしれないけど、そこまでハードルが高くなく移住できる場所だと思います。」
「それと色んなコミュニティがあって、例えば農業移住のコミュニティや、まちづくりに関心があるコミュニティとかあるんですけど、みなさん仲良しな感じで、無理なくやってる感じがします。
まちをなんとかしていこうぜーって感じではなくて、それぞれ暮らしを楽しみながら、仲良く、盛り上げていけるところは盛り上げていこうっていう感じがすごく良いなって思いましたね」
取材させていただきありがとうございました。