移住者プロフィール
石山佳那さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
福島県浪江町の地域おこし協力隊、趣味・特技:旅行・ショッピング
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
地域おこし協力隊の前は、葛尾村で復興支援員として村民の見守りケアやイベント業務などに携わっていました。その際に、原発事故などで被災した双葉郡8町村でつくるまちづくり協議会ができたことをきっかけに、8町村の方とお話をする機会が増えました。
他の町の状況を伺う中で、浪江町はフィールドワークや教育旅行などの取組に特化していることを知りました。葛尾村で働く前はシドニーの専門学校で観光とビジネスを学んだこともあり、その経験を役立てることができたらと思い、浪江町の地域おこし協力隊に応募しました。
福島県浪江町を選んだ理由について教えて下さい。
浪江町には請戸小学校という津波から全員が逃げ延びた学校があるのですが、その子どもたちがなぜ助かったのか、また自分たちに置き換えたときにどうしたら助かるのかを考えてもらえるし伝えていける場所だと思ったからです。
この地でしか学べないことがたくさんあり、多くの方々に知ってもらいたい、いろいろ学んで自分たちの地域に持ち帰ってもらいたいという気持ちがあり、浪江町を選びました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館が行っている研修プログラムや、福島県が推進しているホープツーリズムのフィールドワークやワークショップなどを担当しています。浪江町、双葉町や近隣町村をバスで移動しながら、地域のことや震災前後の様子、これからのことなどについて話していきます。
その他、SNS発信業務としてInstagramを担当しています。地域のお店や企業などの再開やオープン、イベントや祭りなど様々な情報を掲載しています。元々の町民さんで避難して遠くにいらっしゃる方、現在町に住んでいる方、これから移住を考えている方、様々な方々に楽しんでいただけるような発信を目指しています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
被災地域では日々状況が変化していきます。状況が変わっていく中で常に新しい情報を把握しなければいけないという大変な面もありますが、そうした変化も含めて伝えていくことにやりがいがあると思っています。
参加者の方々から、「とても分かりやすかった」「福島の状況を知れてよかった」「県内に住んでいても知らないことが多かった」などの声を直接いただけることはとてもやりがいを感じますし、この仕事をして良かったなと思います。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
浪江町だけのことを勉強すれば良いのかなと思っていたのですが、被災地域は浪江町だけではなく案内は近隣市町村にまで及ぶため、人口も事情も全く異なる周辺市町村の震災当時のことや震災後のこと、その後の変化などを全て頭に入れるのは本当に大変でした。
その他にも、フィールドワーク参加者は小学生から年配の方まで様々なため、同じ内容の話でも、話し方や言葉選びを考えながら話さなければいけないということも苦労したことの一つです。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
コロナ禍に着任したため最長2年の任期になりますが、任期中に観光業に関する資格を取得して観光協会など今の活動を活かせる仕事をしていきたいです。ホープツーリズムの案内を継続していきたいという気持ちがあり、この先起きるかもしれない災害などについて自分事にして帰ってほしいという思いがあります。
ただ、震災や防災学習だけでなく観光名所についても案内できたらいいなと思うので、観光コンテンツの造成や、眠っている観光名所になり得る場所を地域連携して発掘することができればと考えています。
浪江町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
ポジティブで、自分から何かに関わろうとしている方が多いという印象を受けました。町に戻って来ているのは年配の方が多いのですが、移住者と元々の町民の橋渡しをしてくれる方、防犯のまち歩きに参加する方、伝統行事を復活させようとしている方など、自分たちが住んでいる町をより良くしようと活動している姿がとても素敵だなと思います。
町民の方々は希薄すぎず、距離が近すぎるということもなく適度な距離感で接してくださるので、心地よく過ごすことができています!
浪江町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
東日本大震災後に一時住民がゼロになった町ですが、震災前から町民に愛されていてB-1グランプリで優勝したこともある「なみえ焼そば」や、競りが再開したことによって、しらすやヒラメなどの海の幸がまた食べられるようになりました。
そして、2021年に道の駅なみえがオープンしたことにより、伝統工芸品の大堀相馬焼や鈴木酒造の日本酒なども購入できる場が増えました。
それだけでなく、ポケモンの作者のお父様の出身地であることから、町内にはポケモンに関連したスポットがあります。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
2017年に避難指示が一部解除になってから、少しずつお店が増えてきました。スーパー、コンビニ、飲食店、道の駅などができて便利になってきたのは事実ですが、まだドラッグストアや服屋などはないのが現状です。働く場所もたくさん選択肢があるわけではないので、事前にチェックしていただくのが良いかなと思います。
とは言え、個人的にはあまり不便と感じたことはありません。その土地で暮らしていけるのかは実際に自分の目で見てみないと分からないと思うので、ぜひお試し移住などで町に滞在して、町民の方ともお話ししてみてはいかがでしょうか!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2