移住者プロフィール
工藤 光(くどう ひかる)さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
青森県弘前市出身。 家族の転勤がきっかけで約4年間北海道札幌市に在住。 2024年、青森県藤崎町の地域おこし協力隊に採用され、藤崎町に移住。 好きなことは祭り。息子の妊娠まではYOSAKOI演舞にも参加していた。
目次
INDEX
地域おこし協力隊になったきっかけは?
地域おこし協力隊に着任する前は、札幌市に住んでいました。乳幼児睡眠コンサルタントとして、夜泣き相談や睡眠講座など、子どもや子育てに関わる仕事をしていましたが、将来的には地元に戻りたいと考えていました。
そのような中、着任の前年に藤崎町のふじさき食彩テラスで企画・開催した子ども夏祭りで、藤崎町地域おこし協力隊の方と出会い、この制度を知りました。藤崎町の地域おこし協力隊制度や町の資源、環境、地域の方々の温かさについてお話を伺い、自分がやりたいことを企画できる理想的な職だと感じました。
また、以前から思い描いていた「子育て世代が地域で子育てしやすく、定住したいと思える環境づくり」を藤崎町で実現したいと考えるようになり、地域おこし協力隊への応募を決意しました。
地域おこし協力隊としてのミッションを教えてください
私のミッションは、「子育て環境の充実(地域ぐるみの子育て推進)」です。
例えば、子どもの成長に連れ、すぐに洋服がサイズアウトしてしまい費用がかかるという問題を解決するために、子育てグッズや衣類、絵本などを捨てずにシェアできる体制を整えたいと考えています。
活動内容について教えてください
4月に着任してから、あっという間に9か月が過ぎようとしています。夏は「子ども夏祭り」や第1回目となる「おさがり交換会」を開催しました。また、町の皆さんの声を集めるためにデジタル目安箱も設置しました。
リトル・ママフェスタ
着任前から、ファミリーイベント「リトル・ママフェスタ」を青森県に招致するために励んできました。その結果、青森産業会館で開催されることになり、藤崎町のPRブースを出展することができました。
PRブースに設置したクレーンゲームは大人気で、長蛇の列ができるほど。このゲームは、子育てに関するアンケートに答えると素敵なふじさき産品が当たるというものでした。「アンケートに記入してくれる人がいるかな?」と不安を抱えていましたが、予想以上の人気に驚きました。結果として、PRブースには200名以上の来訪者があり、藤崎町の暮らしや特産品のPRは大成功に終わりました。
おさがり交換会
子育ては、その場限りのことにものすごくお金がかかりますよね。服も、靴も、半年後にはサイズアウトしてしまうけど、我が子が着た服・一緒に読んだ絵本に一つ一つストーリーがあって、大切な『想い出』だから捨てられない!!
そんな大切な想い出も一緒に優しい循環を起こしたくて始めたおさがり交換会。
着任後、機会あるごとにおさがり交換会を開催しています。その中でも、町の図書館が併設されている「ふれあいずーむ館」で開催されたおさがり交換会は、「藤崎停車場通りけやぐ組」「ブックスタート友の会」「藤崎町地域おこし協力隊」での共催、町の後援を得ての大規模開催となり、大勢のお客様が足を運んでくださいました。
おさがり交換会の他、ふわふわ遊具、昔の遊具での遊びコーナー、育児の専門家による無料講座、手形アート、農家さんの野菜販売、がっぱらもち、キッチンカーなど多彩なコーナーは、どこも大人気。
そして、この日の来場者は300名を超え、「藤崎町でおさがり交換会が開催されてうれしい」「無料なのに品質がとても良い」「今後も続けてほしい」など嬉しい声をたくさんいただきました。皆さんのお役に立っていることが実感できてやりがいを感じています。
タタミビト
育児中のママさんたちを集めて、定期的に「タタミビト」を開催しています。ここは、おさがり交換会で寄付されたベビー・キッズ服の仕分けを行うだけでなく、ママたちが本音で話し合える交流の場にもなっています。会話の中で出てくるママたちの悩みをしっかりと受け止め、それを次の活動に活かすための課題として拾い上げています。
秋の親子でスムージー体験会
実りの秋の10月に、藤崎町で採れる果物や野菜を使った食育イベントを企画・開催しました。この日のために、事前に食の専門家を交えてスムージーの試作も行い準備は万端。りんご、かぼちゃ、さつまいもなどの素材だけで満足な味わいになりました。
来場者からは「子どもが偏食なので嬉しいイベントです」「朝食に作ってみます」等の感想を頂きました。また、このイベントのために青森市からの来場者がいたのはとても嬉しかったです。これからも食育イベントは形を変えて継続していく予定です。
ふじさきハロウィン
ふじさき食彩テラスで行われた「ふじさきハロウィン」で、「よさこいステージ」を担当しました。YOSAKOI演舞を披露してくださるチームとの出演交渉から始まり、当日はチームのアテンド、ステージ運営などで走り回っていました。演者全員と観覧者が一緒に踊る総踊りでは、踊り子さんたちが仮装で登場し、一味違うYOSAKOIに会場は大盛り上がり。もちろん、YOSAKOIが趣味の私も一緒に踊りましたよ。
地域おこし協力隊の契約形態について教えて下さい
地域おこし協力隊の雇用形態には、地方自治体と雇用契約がある「雇用型」と雇用契約がない「委託型」の2つがあります。藤崎町では、「委託型」で地域おこし協力隊を募集していました。
私も後から知ったのですが、青森県では委託型契約は非常に少ないとのことです。実際に着任して感じたのは、非常に自由度が高いということです。まず、働く場所を制約されません。藤崎町では、地域おこし協力隊が利用できるコワークスペースが準備されています。そのコワークスペースを使ったり、自宅で仕事しても構わないので、まだ小さな子供がいる私にとっては、とてもありがたいことです。また、働く時間帯も自分で調整が可能です。1日及び1週間の勤務時間は決まっていますが、働く時間帯を自分でコントロールできるのも大きな魅力です。それから、活動費の使い道なども自由度が高く、いろいろな計画が立てやすいという利点もあります。私には、とても合っている制度だと感じています。
地域おこし協力隊卒業後のビジョンについて教えてください
地域おこし協力隊は、あと2年あります。これからも、子育て環境を充実させるためにいろいろと企画していく予定です。卒業後も協力隊の時に行った子育て支援はそのまま継続していきたいと思っています。
ただ、難しいと感じているのは、子育て支援は、ややもするとボランティア活動と思われわれがちなことです。
卒業後も子育て支援を仕事として継続していくために、収益化についての道も模索しているところです。