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プロフィール
宮崎食研有限会社
所在地:宮崎県宮崎市大字糸原
業種:地域の素材に付加価値を付ける仕事
商品:備蓄おにぎり、てまごこちカレー他
会社URL:https://www.shokken.net
会社の事業内容を教えて下さい。
「何屋さんですか?」という質問に応えられず、まごまごする社長が経営する会社です。
「みやざきにひと手間加えてみなさまへ!」という先代からの想いを引き継いでコツコツと自分たちに出来ることを続けてきて今があります。戦略的に何かを企ててきたわけではないのがその理由です。
宮崎で育つ農産物、水産物、畜産物など様々な素材に、これまで積み上げてきた技術を使い商品化しています。
お客様のご要望に合わせた形に変化させたり、収穫してそのままでは日持ちしない素材を一次加工することで賞味期限を長期化したりします。また、一次加工した製品をアイデアを集結させて商品化したり、商品化にまつわる様々な事が事業内容です。
お米の栽培をして農地を守り、積み上げた特許は6つあります。営業許可証は5つ、JFS-Bの認証を取得するなど「地域の為に何かしたい!」という想いを実現するための隠れ家的な基地機能を備えています。
毎日、依頼されたOEM商品を作ったり、自社商品(てまごこち)ブランドの商品を作ったり、様々な商品を開発し生産しております。
商品(サービス)の魅力について教えて下さい。
自社商品「てまごこちブランド」は、OEM製造を依頼する際の見本やサンプルとしてご利用いただいております。お客様がOEM製造を依頼するとき、どのような加工が出来るのか、具体的にどのような商品を製造できる工場なのかが分かりにくいことがあります。
その点、自社商品(てまごこちブランド)で製造している商品を見本として提示することで、商品化のイメージがしやすくなります。産地にある製造工場で生産者に寄り添った商品開発ができる点が、弊社のOEM製造サービスの魅力です。
さらに、実際に商品化した経験をもとに、初めての商品開発で不安な点もお客様と一緒に解消しながら進めていける点も魅力です。この工場では、農業を製造業からサービス業に変化させられるという大きなメリットも提供しています。
例えば、農産物を加工して商品を作る場合、生野菜を栽培して販売するビジネスモデルとは異なり、ライフスタイルを大きく変えることができます。工場と連携して一斉に収穫し、レトルト商品、乾燥粉末商品、瓶詰商品、お茶加工品、ドレッシングなど、さまざまな加工食品をワンストップで商品化できる点が最大の魅力です。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
自然の中で育った季節の素材を工場で加工することによって、様々な形に変わっていく醍醐味は、産地に近い工場だからこそなのかもしれません。春夏秋冬、その季節に旬の素材を目にすることができると幸せな気分になります。
食品の加工技術を通じて地域の役に立てている実感は、何事にも代え難いやり甲斐に繋がります。荒れていく農地を食い止める可能性を持っている点や、そこでの雇用を生み出すことで人口減を食い止めることができるかもしれません。
また、生きていくためには、食を切り離すことはできません。身近な食に関われていることもやり甲斐の一つです。台所での仕事は、様々な要素の組み合わせによって成り立っています。
決して複雑な作業ばかりではありません。煮る、焼く、蒸すなどの組み合わせで食事は作られます。
食品工場の仕事は、単純な作業もあれば、品質管理や商品開発もあります。さらに、商品の販売にはデザインやキャッチコピーの作成が必要です。文系や理系の要素を組み合わせたチームで取り組むことで成り立つため、一人では完結しない点がやりがいの一つかもしれません。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
原料を生産する生産者と、商品を販売する販売者のそれぞれの都合の間に入って調整するのが、加工者である製造者の役割だと思っています。立場が変わるとどちらの言い分も理解できるので、板挟みになってしまう点が大変な点です。
しかし、物事を俯瞰して見ることで、最適な解決策を見つけられます。
米の栽培を続けるために、甘酒、玄米スナック、備蓄おにぎりなどの加工品を開発してきました。しかし、栽培する原料の量と販売できる量が釣り合わない課題に直面することも多く、販売力の不足を痛感することがあります。
さらに、販売力のある相手との交渉では、生産量が少ないために商品が足りなくなることもあり、力不足を感じることもあります。産地化を進めるためには生産の拡大が不可欠です。
生産を拡大するには、機械化や設備投資が必要ですが、資金力の不足に悩むこともあります。それでも、私たちは常に最善の方法を模索し、生産者と販売者の両方にとって良い結果を目指しています。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
人口減少が確実に進む日本国内で事業を成長させていくことは、下りのエスカレーターを上るようなパワーが必要になります。そんな環境下で視界を広げもっと遠くを見るように俯瞰して市場を見ると、他のやり方もあるのではないかと思えるようになってきました。
日本国内での常識が世界市場ではどのように評価されるのか?飛び込んでみないと分かりません。しかるべきタイミングで世界市場に向けて挑戦してみたいと考えています。
地域の魅力について教えて下さい。
宮崎には、牛、豚、鶏、魚、野菜、果物など様々な素材が生産されています。これらの素材は、天候に恵まれた宮崎の肥沃な土地と降雨、燦燦と降り注ぐ太陽の恩恵はもちろんのこと、栽培に適した性格の宮崎の方々がなせる業です。
これこそが宮崎という地域の魅力そのものだと思います。生産者の数だけ、そこにまつわるドラマ、ストーリーがあり、日々同じことを繰り返しているようで毎日違います。
生き物と関わる仕事というのは厳しい環境に身を置くことになります。、命を優先しないと取り返しのつかない事になりかねません。日常にそのような生き方を選択した人々と触れ合えることは、とても豊かな事なのではないでしょうか?
自然の猛威に逆らうことなく身をゆだね、今できることをしっかりとやる。数多くの困難を経て収穫までたどり着けたことに感謝して、喜びを分かち合う文化が宮崎の魅力です。
移住して地方の仕事を志す方へメッセージをお願いします。
風に乗って舞い降りたタンポポの種は、その地に身を下ろしその土地の栄養を頂きながら、太陽から降り注ぐエネルギーや雨により得られる水分を元手に、自力で養分を蓄えます。そしてその場に根を張り、茎と葉を広げ花を咲かせ風の力を借りて自由に飛び立っていきます。
風任せのタンポポではなく、自分の意思でどこに降り立つかを決定できる人間は、自分の生きざまを表現できる地はどこが適当か?を自分で選べる環境にあることに喜びを噛みしめ、自分の意志で選んで欲しいと思います。
その選択が正しかったかどうか分からなくても、正しかったと思えるように頑張り、関わった方々に恥じない生き方をすることが大切だと思います。正しかったかどうかを決めるのも自分次第なのだから、これでいいのだ!と思える人生を宮崎で過ごして欲しいと思っています。