<h2>プロフィール</h2><p><strong>会社名　株式会社杉本商店</strong><br>所在地：宮崎県高千穂町<br>業種：食品製造業<br>商品：干し椎茸<br>会社URL：<a href="www.sugimoto.co" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer"><span style="color:#000000;">www.sugimoto.co</span></a></p><h2>会社の事業内容を教えてください。</h2><p>株式会社杉本商店は、宮崎県高千穂町で五代にわたり干し椎茸の卸業を営んでいます。</p><p>近隣の約650軒の生産者が持ち込む原木栽培しいたけをすべて現金で買い取り、全国そして海外へと販売しています。私たちは、高千穂郷の豊かな自然と共に育まれた椎茸を通じて、地域経済の循環と生産者の生活を支える「共生型ビジネスモデル」を展開しています。</p><p>近年では、SNSや越境EC（海外向け通販）、さらには産地訪問を通じた販路開拓にも力を入れています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/nFJyStHVsVlxdtVgFW_50.webp"><figcaption>ホダ場の椎茸</figcaption></figure><h2>商品(サービス)の魅力について教えてください。</h2><p>当社の干し椎茸は、九州中央山地の豊かな自然環境で、クヌギの原木を使ってじっくりと育てられています。この地域の激しい寒暖差が、椎茸の旨みと香りを最大限に引き出し、その「山のアワビ」と評される歯ごたえと深い味わいが特徴です。</p><p>栽培には農薬を一切使用せず、昔ながらの製法で乾燥・加工された椎茸は、和洋中を問わずさまざまな料理に幅広くお使いいただけます。近年では、海外のヴィーガンの方々からも高い評価を得ています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/EeG22jLgDSb-iyxppZ7bn.webp"></figure><h2>お仕事のやりがいはなんですか？</h2><p>私たちの仕事のやりがいは、生産者の皆さんの想いが詰まった椎茸を、お客様へ届ける橋渡しができることに大きな誇りを感じている点です。</p><p>特に、SNSや動画を通して、椎茸の背景にある高千穂の豊かな自然や、生産者の皆さんの魅力が海を越えて共感を呼び、販路が広がっていく様子を見るのは本当に感動的です。</p><p>また、生産者の高齢化という課題に対して、福祉施設との連携やアシストスーツの導入といった実証実験を行い、その課題解決に挑戦できるプロセスも、大きなやりがいの一つだと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/fK3tVhv4lB6981YWQlHdF.webp"><figcaption>めだかファミリーグループ</figcaption></figure><h2>仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えてください。</h2><p>原木椎茸は自然の力に大きく依存するため、気候や環境の変化に影響されやすく、安定供給の確保が難しい側面があります。また、担い手の高齢化や後継者不足も深刻な課題です。</p><p>そのような中でも、私たちは「山に入れる人を減らさない」ために、周囲を巻き込んだ取り組みを進めています。具体的には、福祉施設への加工作業委託や、原木伐採支援などを行っています。</p><p>加えて、海外への輸出においては、現地の商習慣や言語の壁を乗り越える必要もあります。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/QnhkRXKs8dVlWSupQhH6I.webp"><figcaption>クヌギから育つ椎茸</figcaption></figure><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。</h2><p>今後は、「地域と共に、『ここでしか作れない』を世界へ」というパーパス（存在意義）のもと、私たちは持続可能な農業とビジネスの両立に挑み続けます。</p><p>2025年からは、ハウス食品グループや南九州大学、そして地域の生産者の皆さんと連携し、「山椒の産地形成プロジェクト」にも参画します。これは、乾しいたけとの兼業モデルを築くことで、山間地域に新たな収益機会を生み出し、担い手の確保を図るものです。</p><p>山椒という「JAPANESE SPICE」の魅力を世界へ届け、地域の未来を支える活動をさらに広げていきます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/ddRex4_mTBcCk3n28CIAx.webp"><figcaption>海外展示会</figcaption></figure><h2>地域の魅力について教えてください。</h2><p>高千穂町は、神話や伝統文化が色濃く残り、「神話の里」として親しまれる地域です。ここでは、豊かな自然と人々の暮らしが美しく調和しています。</p><p>四季折々の表情を見せる風景、澄み切った空気、清らかな流れ、そして豊かな森林に囲まれたこの土地は、原木椎茸の栽培にも最適な環境です。小規模な集落が点在する中山間地域でありながら、地域の人々との絆が深く、訪れる人にとっても心の拠り所となるでしょう。</p><p>日常の中に非日常の美しさがある——それこそが、高千穂町の大きな魅力です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/a7rA18xElLg-pTJ0Bz79f.webp"><figcaption>高千穂郷に広がる雲海</figcaption></figure><h2>移住して地方の仕事を志す方へメッセージをお願いします。</h2><p>「地方＝不便」と思われがちですが、ここ高千穂には豊かな自然、温かい人間関係、そして地域に根ざした仕事があります。</p><p>SNSや越境EC（海外向け通販）を活用すれば、世界とつながることも可能ですし、今後は「山椒」を通じた新たな産業の芽も広がっています。</p><p>私たちが挑戦を続けてきたのは、この地で「日常を続けていく」ためです。その営みに共感し、未来を共につくっていける方を心から歓迎します。</p><p>ここでしかできない仕事が、きっとあなたを待っています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/06/23/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/ZVIXs6WKM69SJLmcOeTue.webp"><figcaption>のぞみ工房集合写真</figcaption></figure><p>&nbsp;</p>

ワープシティ公式

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

ワープシティは、地方の仕事に焦点を当て、仕事内容や働く方の生の声をお届けします。移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

第158回目にご協力いただいた企業は、宮崎県高千穂町の株式会社杉本商店です。

高千穂町

宮崎県

#158 高千穂発、五代続く原木しいたけ。「ここでしか作れない」を世界へ

<h2>生産者プロフィール</h2><p><strong>雫耕輔さん</strong><br>出身地：大阪府高槻市<br>現住所：京都府南丹市<br>職業：農業<br>生産物：米・さつまいも・大豆</p><h2>生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。</h2><p>アパレルの仕事を25年やっておりました。その会社で農業事業部があり約4年間農作業を経験しました。</p><p>働いているうちに、今後生きていくうえで農業は年齢がいってもできそうだと思いました。生産物ができていく過程も大変ですが楽しさがあります。</p><p>あと農業は自然と向き合いながらやっていく仕事ですが、農法など一朝一夕ではいかないところもあります。日々自分で考えて探求していく作業も楽しく感じました。そういったことから独立してやっていこうと思ったのがきっかけです。</p><h2>生産物の魅力について教えて下さい。</h2><p>主にお米とさつまいもを中心に生産しています。お米はなんといってもこの南丹市美山町という場所が寒暖差があり、また水もきれいな土地です。</p><p>お米にとって寒暖差と水は重要で、特に水はきれいな水で生産しており味もまた美味しくなります。あとは「栽培期間中農薬不使用」で栽培しており、苗も種から育てて毎年田植えしています。</p><p>最初から最後までを自分でやるのは大変ですが、その分精魂込めて作っています。寒暖差で厳しく育てられたお米は甘みとモチモチ感があり大変美味しくなっております。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/XTQ4u-4RYGnN63_BlME_P.webp"></figure><h2>南丹市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>集落としてはそこまで世帯数が多くないですが、その分皆さんに横のつながりがあり仲良く生活しているのは一つの魅力だと思います。</p><p>美山といえば「かやぶきの里」が有名かと思いますが、地域で生産している一次品、二次加工品も多岐にわたりそれぞれが素晴らしく魅力あふれるものとなっています。</p><p>また南丹市には京都市内から1時間半ほどで来れますし、福井県にも約1時間くらいで行ける立地です。街までのアクセスもそこまで遠くないといったところも魅力のひとつです。</p><h2>お仕事のやり甲斐はなんですか？</h2><p>やりがいはなんといっても、農業は一年を通してでしか結果が分からないということです。大変だと感じる部分もありますが、その分やり甲斐もあります。</p><p>１年1年が勝負になってきます。その1年での成果を検証してまた次年度につなげるといったところも毎年チャレンジしている感じがあり楽しいところだと思います。</p><p>あとは生産から販売まで一貫した作業は、自分自身で考えることや行動することが増えます。多岐にわたっての経験が得られますが、作るだけ、売るだけではダメなのです。そういった観点で入り口から出口まで考え抜いていくことにも大きくやり甲斐を感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/gDVtSDInr_fsa5wCIsg3Y.webp"></figure><h2>仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。</h2><p>農業なので基本は自然が相手になります。豪雨や猛暑、台風などといった天変地異に左右されることが本当に大きくあります。やれることは限られてる中で、なんとか事前に対策をうって生産しています。</p><p>また自然と向き合ううえでもう一つ大変なのが「獣害」です。年々山での食べ物が少なくなる中で農作物が食べられてしますのは本当につらいです。</p><p>この課題は一人では難しく、地域の方々と連携しながら作物を守っていかなければなりません。あとは真夏など本当に体力勝負なところがあります。</p><p>年々暑さが増すばかりの中で、体調管理に気をつけながらの作業は大変です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/MuFKLKbgm-XdnbVrn9XVZ.webp"></figure><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。</h2><p>まず移住先で住まいを自ら手を入れたりしながら、より快適にできたらと考えています。</p><p>農業の部分では倉庫や農機具など生産に欠かせないインフラを整えることを目指しています。そうすることで生産物を市場に展開する際に、より安定的に供給できるのではと考えています。</p><p>また1次品の生産のみで販売をしてますが加工品にもチャレンジしていきたいです。少しずつ商品数を増やしてお客さんと関わる機会を増やし、自分もお客さんも楽しんでいけるような未来にしていきたいです。</p><h2>移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。</h2><p>僕は移住前から地域と関わりながら、色々なことを知ったうえで移住を決めました。</p><p>移住して1次産業となると「地域の特性」「住まい」「農地」「農業に必要なインフラ（倉庫や農機具）」など準備すること、事前に知っておいたことがたくさんあります。まずは実際に移住者が身近におられるのであれば、その方に話を聞いたり、農業従事者に話を聞いたりするのが第一歩かと思います。</p><p>行政の方々にも僕は大変お世話になりました。気軽に相談にいくのも一つです。クリアしていく事はたくさんあるようにみえますが一つ一つ理解したうえで進めていくと、実現できると思います。</p><p>焦らず情報をたくさん収集して、そこから選択して進めてみるとよいかと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/0FbnJQ76Nuj8g5geBXwU2.webp"></figure>

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

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第13回目にご協力いただいた方は、京都府南丹市・米・さつまいも・大豆農家の雫耕輔さんです。


南丹市

京都府

雫　 耕輔

#13 寒暖差があり水もキレイな京都府南丹市で育てられたお米は、甘くてモチモチ

<h2>生産者プロフィール</h2><p><strong>清水寛之さん</strong><br>出身地：岐阜県白川町<br>現住所：岐阜県白川町<br>職業：農業<br>趣味・特技：登山・キャンプ・星空観測<br>生産物：原木しいたけ・米・お茶</p><h2>生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。</h2><p>家業が農家であったことが一番の理由ではあります。</p><p>ただ、農家と言っても普通の農家とは少し違っていました。今では「無農薬栽培、有機栽培、オーガニック」とよくその名を聞くようになりましたが、今から40年近く前、まだそういった栽培方法を行う農家がほとんどいなかった時代から、先代は行っていました。</p><p>人に優しい農産物を作ることが目的なのは当たり前ですが、環境にも優しく、なにより栽培している人にとっても優しいこと。先代がそれを志し、長年やってきたことを非常に尊敬しています。</p><p>昔は農作物を作るにも、本当に多くの農薬を使用していました。それこそ作業する人間が、浴びるように農薬を使っていたので健康が心配になるほどでした。</p><p>作物の病気を抑えるため、除虫除草のために散布を行っています。それに使用する農薬にはもちろん使用規定があり、問題無いと判断された使用方法であったと思いますが、先代はどこかに歪さを感じていたのだと思います。</p><p>そんな先代の背中を見ながら育ってきた者としては、その志に感化されないはずも無く、そんな信念をわずかではあるのかもしれませんが、少しでも引き継いでやれればと考えたのがきっかけになっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/21/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/1SqQUoMNRrBFBQyT3uhmU.webp"></figure><p>&nbsp;</p><h2>生産物の魅力について教えて下さい。</h2><p>しいたけにも旬がありますので、ぜひオススメしたいのは秋から冬にかけて収穫されるものです。寒い時期であればあるほど成長速度が遅くなり、肉厚で味わいも濃厚になります。</p><p>生しいたけのプリプリとした食感を楽しむには、焼くよりは天ぷらなどにして揚げたり、鍋や汁物に入れるのがオススメです。キノコ類全般がそうですが、油とも良く合うのでチーズやバターなどと合わせて召し上がるのも美味しいと思います。</p><p>乾燥しいたけについては良い出汁が出ますので、戻し汁は煮物、汁物などの「お出汁」として利用できます。戻した椎茸は調理に使って頂けます。乾燥しいたけは戻す時間がかかる半面、保存が利きますので生しいたけより、長く楽しむことが出来ます。</p><p>原木栽培によるしいたけの生産量は、全国的に見ても一割を切りました。希少な原木しいたけをどうぞご賞味下さい。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/21/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/9YEcl9dtIQJZie8Z6cDS0.webp"></figure><p>&nbsp;</p><h2>白川町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>どこかで聞いたことがあるような言葉ですが白川町は『何も無い、が有る』、そんなところがいっぱいある田舎です。だからこそ自然を満喫できる場所も多く残っており、まだまだ探せば楽しめる自然も眠っていると感じています。</p><p>やる気とアイデアがあれば、それを開拓する楽しみもできますし、自分でそれを成しとげていく楽しみも生まれます。都市部からはやや隔たった場所にあり、その分不便なことも多いですが、その恩恵も多くあります。</p><p>騒音は少なく、空気は澄んでいて、川も、星空もきれいに見える。ただ、山に囲まれているので空がやや狭いのが残念な点ではありますが、常に自然に囲まれて過ごすことができます。</p><p>季節を感じる風景を目に出来るので、毎日が新鮮に過ごせるのが魅力です。自然の中に身を置きたい、アウトドアが好き、自然とともに歩むことが好きな方にとっては、非常に過ごしやすい場所であると思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/21/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/aCv_aSacibNnI8meo8xTm.webp"></figure><p>&nbsp;</p><h2>お仕事のやり甲斐はなんですか？</h2><p>一つは、作った作物を喜んで頂けたときのお客様の反応でしょうか。農薬を使用しない農業というのは、大変な苦労が伴います。</p><p>それゆえ自信を持って世に送り出すことができた作物というのは、僕らの作品のようなものです。そしてもう一つは、計画した通りに作物を収穫できたときです。</p><p>農業とは自然と共存しながら行う仕事です。自然があって、そして私たちがあります。</p><p>しかし、自然は言うことを聞かせられるような存在ではありませんから、天気や害虫などのイレギュラーな出来事は常にあります。それにも関わらず、自分が思っていたような成果が収穫として形になったとき、それは本当に嬉しいものです。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/21/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/UXh8OiJjgsyXbP-YY6pZt.webp"></figure><p>&nbsp;</p><h2>仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。</h2><p>先ほどの問いと重複しますが、自然が相手だから思うように行かないことも多いです。毎年、気候や状況が違うので、必ずこういう作業方法であれば絶対の間違いが無いという方法はありません。</p><p>その時その時に合わせた作業を適宜していかなければなりません。その判断がちゃんと出来ているのか、それが出来るようになるのが大変難しい仕事でもあります。</p><p>農業というのは1年サイクルの仕事です。だから、20歳から70歳まで続けたとしても、50回しかチャレンジできません。</p><p>私たちは先達から「農業は毎年一年生だ」と、そう教えられてきましたが、まさにその通りだと思っています。<br>しかし、毎年1年生ではあっても失敗が許されないことも多いですから、気は抜けません。</p><p>ただ、作物を作っているという意味では、間違いなく食いっぱぐれることはないな、と常々思っています。そこは農家の強みでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。</h2><p>仕事柄よく山に入るのですが、山には昔の人たちが里山として使っていた時の、人の歩ける道がいくつも残っているので、それらを繋げることでトレッキングコースなどが作れないかと考えています。</p><p>規模が規模なのでもちろん一人では無理ですが、昔は、集落の行き来は全て徒歩で、その中の道には旧道として使われていた道もあります。それを再整備できれば、山をや自然をもっと楽しめるようなものが作れると思ったからです。</p><p>農業には獣害という被害もありますが、集落や農地に近い山を整備をすることは、獣を遠ざける効果も多少はあるのではないかと予想しています。もっとも個人的な趣味が登山なので、近所に登れる山があっても楽しいよな、というのが根本の発想です。</p><p>出来るかは分かりません。<br>しかし、旧道は使わなければ藪の中に埋もれたり、崩れたりして無くなってしまいます。まだその痕跡が分かるうちにできたらいいなと思っています。</p><p>&nbsp;</p><h2>移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。</h2><p>農業のイメージはなんでしょう？牧歌的な想像をされているでしょうか？スローライフ？</p><p>都会的な時間に縛られた生活から、ゆったりとした生活への脱却を目指すというのであれば、少し立ち止まって考えられた方が良いかもしれません。自立した農業を行うということを考えているのであれば、非常に努力も手間もかけることが必要になるからです。</p><p>確かに時間には縛られません。<br>しかし、作物の都合には縛られるので、予定は常に変化し続けます。自分の時間を持つ、ということとは縁遠くなる可能性も大いにあります。</p><p>しかし、人と人が関わっていく中で生まれるストレスはほとんどないといっていいです。雨が降ったら、それに対してストレスを感じる事がほとんど無いのと同じで、農業は自然と向き合う仕事だからです。</p><p>マイナスな印象を抱かせてしまったでしょうか？大変なことも多い仕事なので、覚悟が必要だということです。<br>ですが、農業は手間をかけたら手間をかけただけ作物が応えてくれる、そんな一面もあります。</p><p>努力が常に目に見えます。そういったことを楽しむことができる、そこに魅力を感じる方には天職になり得るのではないでしょうか。</p>

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

ワープシティは、地方の仕事に焦点を当て、仕事内容や働く方の生の声をお届けします。移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

第5回目にご協力いただいた方は、岐阜県白川町・原木しいたけ農家の清水寛之さんです。

白川町

岐阜県

清水 寛之

#5 40年も前からオーガニック栽培！岐阜県白川町で代々続く原木しいたけ農家

<h2>プロフィール</h2><p><strong>多田 朋孔さん</strong><br><span style="color:rgb(20,22,26);">利用した支援制度：地域おこし協力隊</span><br><span style="color:rgb(20,22,26);">出身地：大阪府大阪市</span><br><span style="color:rgb(20,22,26);">現住所：新潟県十日町市</span><br><span style="color:rgb(20,22,26);">職業：農業</span><br><span style="color:rgb(20,22,26);">趣味・特技：トランペット・ギター</span><br><span style="color:rgb(20,22,26);">生産物：米</span></p><h2>生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。</h2><p>2008年の秋に起きたリーマンショックを見て、この先お金を稼ぐだけだと不安定だと思うようになりました。将来的に自分で食べるものくらい、自分で作れるようにならなければマズイのではないかと思ったのがきっかけです。</p><p>そんなことをおぼろげに考えていたところ、2009年の5月に現在住んでいる池谷集落で田植え体験があったので参加しました。池谷集落では集落の存続のために後継者を受け入れようとしていて、地域おこし協力隊を募集していました。</p><p>それを見て「これだ！」と思い、地域おこし協力隊に応募しました。その後、仕事の引き継ぎなどをしてから2010年2月に池谷集落に移り住みました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/GXgI6sqqOuukQr3AR-0oa.webp"></figure><h2>生産物の魅力について教えて下さい。</h2><p>池谷・入山集落は、全国的に有名な「魚沼産コシヒカリ」の産地です。<br>直販でご購入いただいているお客様からは、とても好評を頂いております。その理由として大きくは以下の3点があります。</p><ol><li><strong>豊かな自然に育まれる</strong><br>冬になると、3メートル以上雪がつもる池谷・入山集落。春になると解けた水が大地にゆっくり浸透し、ミネラルをたっぷり含んで田んぼに注がれます。<br>田んぼにはカエルやどじょう、水生昆虫など生き物が沢山棲んでいます。中には絶滅危惧種の生き物もいて、それだけ水のきれいな環境です。初夏にはホタルも飛び交い、そして山地だからこそ、昼夜の寒暖差によりお米の甘味がぎゅっと増します。</li><li><strong>安心・安全を食卓へ</strong><br>私達はできるだけ安心安全な米作りにこだわっています。<br>全く農薬も化学肥料も使用しないで天日干しした「はざかけ米」と、減農薬で新潟県の認証を得た「特別栽培米」を作っています。<br>特別栽培米では、農薬は2回だけ使用しています。<br>1回目は田植え直前に病害虫の予防のため苗箱に施用する薬で、2回目は田んぼの中の雑草を抑えるための除草剤を使用しています。<br>通常だと穂が出る時期にカメムシ予防としてヘリやドローンによる防除を行うケースが多いのですが、私達は一切防除は行っていません。<br>田んぼの畦や農道は草が伸びるとカメムシが発生して稲に被害を与えたり、軽トラや農機具を運転する際に草が邪魔になり、道路と斜面の境目がわかりにくくなって危険になったりするため、除草剤を使って処理している農家も多いですが、私達は農道や畦には除草剤を使用せず、全て草刈りをしています。</li><li><strong>精米後直ぐに発送</strong><br>お米は生き物なので精米後徐々に劣化していきます。私達は玄米のまま保冷庫で低温保存し、独自の精米プラントで精米後すぐに発送しています。</li></ol><h2>十日町市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>完全な山の中に住んでいるので、自宅の周りは大自然に囲まれています。四季折々の景色や生き物の声などが癒しを与えてくれます。</p><p>やろうと思えば庭先でBBQやテントを張ってキャンプもすぐにできます。このような自然の中に暮らしながら、インターネットはしっかりとつながっていますので、買い物にも困りません。注文して早ければ翌日には届きますので、都会に住むのとほぼ変わりません。</p><p>街中のスーパーやホームセンター、十日町駅には車で20分程度で到着しますし、新幹線の駅である浦佐駅にも車で30分程度で行けますので、交通アクセスとしても比較的便利だと思います。<br>つまり、自然の山奥に住みながら、現代的な生活も送れるといういいとこ取りができるのが良い点だと思います。</p><p>また、十日町市ではよそ者の受け入れに慣れている人が多くなってきているので、地域に馴染みやすく、周りの人たちとも日々楽しくお付き合いさせてもらっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/3LOcTuKtP6DoWoM5utlX1.webp"></figure><h2>お仕事のやり甲斐はなんですか？</h2><p>自分で食べるものを作れるというのがとてもやり甲斐を感じる点です。<br>また、自分が生産したお米や野菜を人に食べてもらった時に「美味しい」と言ってもらえる事も嬉しいですしやり甲斐を感じる点です。</p><p>稲作農業は1年に1回で、天候は毎年違います。正直とても難しく、部分的に失敗することも多いですが、毎年毎年改善を繰り返して徐々に良くしていくという事ができるのも自分の成長を感じられます。</p><p>成長という点では、作物も日々成長していきますので、その様子を見るのも喜びを感じられる点です。<br>そして、生産したお米をふるさと納税やインターネット通販で直販をしているのですが、そのPRのために日々の生産現場での様子をYouTubeで発信をしたところ、それなりの反響もあり、YouTubeで私のことを知ってくれてお米を買ってくださるという方が出てきた事もやり甲斐になっています。</p><p>ちなみに私のYoutubeチャンネルのリンクはこちらです。<br><a href="https://www.youtube.com/user/chiikiokoshi" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://www.youtube.com/user/chiikiokoshi</a></p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/26/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/xSAi0Jf2y2D5yp-UBCDzx.webp"></figure><h2>仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。</h2><p>上記にも書きましたが、米作りは1年に1回しかチャレンジできないのに、毎年天候が違うため、なかなか思ったようにいかない事も少なくありません。ひどい年には収穫量が少なすぎて大赤字になってしまった事もあります。</p><p>また、最近は雪が少ないからか、地域でイノシシの被害も出るようになり、その対策も必要になってきました。地域の高齢農家が亡くなっていき、田んぼを引き継いでいるうちにかなり面積が増えてしまったので、田んぼの管理がとても大変になってきたという問題もあります。</p><p>特に大変なのが、草刈りです。私が耕作しているエリアは中山間地の棚田で、農業の生産性を考えるととても効率が悪い上に、斜面が多く草刈りをする面積も多いです。</p><p>あまりにも大変なので、今年からは棚田オーナーの方々にも「ガチ勢による草刈り」という形できちんと日当を支払って草刈りを一緒に手伝ってもらうようにするなど、工夫していこうと思っています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/6F9WLDp35gAuHQccoTnrY.webp"></figure><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。</h2><p>今は食べる物は作れていますが、農業機械などはガソリンや軽油や電気といったエネルギーがないと使えません。なので、将来的にはエネルギーも地域で賄えるような仕組みづくりをしたいと思っています。</p><p>ひとつ具体的な事としては、私の住む地域には昔「水力発電所」があったので、これを復活させて自分たちの地域の電力を自分たちで賄えるようにしたいと結構本気で考えています。</p><p>地域の人たちにも少しずつ水力発電の話をしたら良い反応が返ってきています。もちろん河川の水の使用や地主の許可など数多くのハードルがあるので、すぐにというわけにはいきませんが、長期的には実現できるように目指したいと思います。</p><p>現段階ではとても採算が合わないと思いますが、ガソリンや軽油に代わる燃料として、耕作放棄地でバイオエタノールを作りたいと思っています。将来の世界の人口爆発に対して日本の人口が減っていたり、円安でどんどん日本が安い国になればどこかで採算が合う時代が来るかもしれません。その時期が来たら、実現に向けて具体的に動き出したいと思います。</p><h2>移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。</h2><p>農業はとても難しい業種だと思います。経済的に不自由しなくなるまでには何年もかかります。<br>なので、安易な気持ちやお金目当てだけだと長続きしないと思います。</p><p>ですが、長く続けて経験を積むと経済的にも安定してきますし、農業を長く頑張っていると、地域の人たちからの信頼が相当高くなります。そうなると、暮らしてても居心地が良いですし、何よりも自分が食べるものを自分で作る事ができるというのは、今の時代ものすごい安心感につながると思います。</p><p>ですので、しっかりと腰を据えて挑戦する事ができればうまくいくと思います。<br>まさに「継続は力なり」という言葉が本当に実感できますので、長い目で頑張って下さい。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/09/02/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/IKfEx23nYdhSH5KmxJrmf.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/J2hn5DUxwEr_lrGMSAwuk.webp"></figure>

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

ワープシティは、地方の仕事に焦点を当て、仕事内容や働く方の生の声をお届けします。移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

第1回目にご協力いただいた生産者の方は、新潟県十日町市・米農家の多田朋孔さんです。

#集落で暮らす