岩国市

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中国地方

岩国市（いわくにし）は、山口県の最東部に位置する市。守護大名・大内氏が中国地方を統治していた室町期まで、岩国氏・広中氏といった豪族がこの地を治めていた。関ヶ原の戦いの後、長門・周防の2国に減封された毛利家前当主・毛利輝元は、東の守りとして、毛利元就の次男・吉川元春の三男で、吉川家を相続していた吉川広家（広家は武断派と言ってよかろう、関ヶ原の戦いにおいて徳川方に通じ、毛利本家を参戦させないように画策した。結果として家康より広家に対して防長2州を与えられたが毛利本家安泰のため固辞した）に岩国を与えた。以後、岩国は、吉川家が治める岩国領6万石の城下町として発展していく。

YY!ターン支援交通費補助制度（暮らし体験や移住ツアーへの参加者の来県往復交通費の１／２補助：上限３万）
移住支援給付金制度（２人以上の家族１００万／単身者の場合６０万）

やまぐちYY!ターン（UJIターン）パスポート制度（移住希望者にパスポートを交付し、山口県が協賛企業等と連携して移住に伴う経済的負担に対する支援などを行う）

ひとり親家庭医療費助成制度
乳幼児医療費助成制度

重度心身障害者医療費助成制度

多子世帯応援保育料等軽減制度（３人以上お子さんのいるすべての世帯について、第３子以降のお子さんの保育料を軽減）

山口県高度産業人材奨学金返還補助制度（理系大学院生・薬学部生を対象に卒業後に県内の製造業及び情報サービス業に就業された場合の奨学金の返還を支援）

ワープシティ公式

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に"仕事があるのかどうか”ではないでしょうか。

地方移住を考える多くの人が「地方には仕事がない」という問題を耳にしたことがあると思います。本当にそうなのでしょうか。
首都圏の目線で企業を選定しているからこそめぐり合えないのであって、視点を変えて見てみれば、地方で輝きを放つ企業や、地方だからこそ実現できる仕事は数多く存在しています。

ワープシティは、各地域でご活躍される企業の仕事に焦点を当て、働く方の“生の声”をお届けしています。
今回は、山口県・岩国市にある株式会社 獺祭（旧・旭酒造株式会社）の本社に編集部が訪問し、酒造りの現場を見学させていただきました。醸造現場のまとめ役を担う副蔵長の野中裕介さんに、「獺祭の酒造り」と「移住」についてお話を伺いました。

酒好きが高じて副蔵長に。日本が誇る「獺祭」醸造の舞台裏

<h2>プロフィール</h2><p><strong>株式会社 獺祭（旧・旭酒造株式会社）</strong><br>所在地：山口県岩国市<br>業種：清酒製造業<br>商品：純米大吟醸「獺祭」<br>会社URL：<a href="https://www.asahishuzo.ne.jp/" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://www.asahishuzo.ne.jp/</a></p><h2>会社の事業内容をお聞かせください。</h2><p>純米大吟醸酒「獺祭（だっさい）」を醸しています。山口県岩国市の山奥にある酒蔵で造られる獺祭は、現在世界約30か国で愛され、人生に楽しみと彩りを与える酒蔵であることを目指しています。</p><p>2023年春には、海外初の生産拠点となるニューヨーク・ハイドパークに醸造所が完成し、日本と同様に山田錦のみ、純米大吟醸のみで、アメリカで酒造りを開始しました。銘柄名は「DASSAI BLUE」です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/nwL6Uf9gp6pAKGS9j_hCC.webp"></figure><h2>商品・サービスの魅力についてお聞かせください。</h2><p>「おいしい酒・楽しむ酒」を目指し、日本酒の中でも最も手間がかかると言われる、純米大吟醸のみを製造しています。品質にこだわりぬいて造ったお酒を、皆様に飲んでいただきたい。そんな思いから、「手に入らない幻の酒」にするのではなく、多くのお客様に新鮮な獺祭を飲んでいただけるように、四季を通してお酒を醸造しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/O1mNKQkKG0jxq0Jlp1aGD.webp"></figure><h2>お仕事のやり甲斐についてお聞かせください。</h2><p>自分達が製造した商品を「美味しい！」と言っていただいた時は、日々の苦労が報われる気がします。<br>日々の食のちょっとした楽しみ、ハレの日の特別なお酒としてご利用いただくと、やはり嬉しくなりますね。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/zrzqYqJg2nxhxA56c65WC.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/P2X9m5iEtXv0ypSjdII3S.webp"></figure><h2>お仕事をする上で、大変なこと、困難だと感じることをお聞かせください。&nbsp;</h2><p>製造面では、空調や設備を整えて年間通して造る四季醸造を行っていますが、気温や湿度、原料となる米や麹は、一つとして同じものはありません。発酵を管理していくというのは非常に困難ではありますが、同時に、酒造りの魅力の一つであるとも感じています。</p><p>また、弊社の蔵は山の中にありますので、車通勤が必須です。運転が得意でない人にとっては、大変なことだと思います。冬場は道路が凍結することもあり、常に安全運転を意識しなければ、事故に繋がってしまいます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/leAY7BOJFR9v01exzJdAW.webp"></figure><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについてお聞かせください。</h2><p>「多くの人に獺祭の美味しさを知っていただきたい」という思いで、世界の中心アメリカ・ニューヨークに、新しい蔵を建設しました。ニューヨークの酒蔵と、山口県岩国市の本社の蔵で切磋琢磨し、最高のお酒を提供していきます。</p><p>また今後の展望として、看板商品である「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」や「獺祭 磨き その先へ」といった最高商品だけに特化した蔵を作り、より良いお酒造りをしていきたいと考えています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/z_ZqVc3GlEYdexN5HnKA5.webp"></figure><h2>ご自身が感じる、地域の魅力についてお聞かせください。</h2><p>岩国市は、地方でありながら交通の便は悪くありません。近くに在来線の他、高速道路、空港、新幹線と、殆どの交通網が整備されていますので、意外に便利だと感じています。</p><p>また、日本を代表する木造橋「錦帯橋（きんたいきょう）」のような名勝だけでなく、山川草木が豊かな場所もあります。米海兵隊岩国航空基地もあり、国際色豊かな街として、他の地方にはない魅力に溢れています。</p><p>子育て支援にも力を入れている地域ですので、子育て世帯で移住したい方にとっても、魅力的な場所だと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/ONdFAKKS_Urr021wr_QaW.webp"></figure><h2>移住をし地方の仕事に携わりたいと考えている方へ、メッセージをお願いいたします。</h2><p>地方での暮らしを考えるならば、「何をやりたいかを明確にしておくこと」が、新たな環境での成功の第一歩になると思います。最先端の技術、刺激的な体験が自然と訪れる都会とは違い、自らの意志でそれらを求め、創り出す必要があります。<br><br>現代のネット環境は、地方と都会のギャップを縮め、遠隔地でも多くのことが可能になっています。<br>私も多くの人に助けられ、今では休日に自然を満喫できるようになりました。地方でしか味わえないライフスタイルを探求し、自分の価値観を見つけることができるのではないでしょうか。</p>

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

ワープシティは、地方の仕事に焦点を当て、仕事内容や働く方の生の声をお届けします。移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

第34回目にご協力いただいた方は、山口県岩国市・清酒製造業の株式会社 獺祭です。

#34 日本が誇る“獺祭”。海外初の醸造所がN.Yに完成！酒造りのこだわりと魅力とは

<h2>移住する前について教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中健生さん（以下、山中）</span>：</b>生まれ育ったのは山口県ではなく、高専を卒業後、東京でコンピューター関係の会社に就職しました。3年で退職し、兄の影響で高校時代から始めていたサーフィンの腕をもっと上げようと、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアに行きました。</p>
<p>帰国してからは、機械系の会社で働いたのですが、やりがいをあまり感じられなくて…。そんな時、仕事で行った筑波で、当時、大学院で植物病理学を専攻していた妻に出会いました。農業について楽しそうに話すのを聞いているうちに、急激に農業への興味が湧いてきました。</p>
<p>そして、26歳の時にイチゴ農家になることを決意し、退職しました。妻とは、由宇町でイチゴ栽培を始めてから結婚しました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11326 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/b17a2c0b-2.jpeg" alt="ビニールハウス内のイチゴ畑にて話す山中健生さん" width="720" height="420" /></p>
<h2>どうして、イチゴ農家になろうと思われたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>イチゴ農家は儲かるという話を聞いたからです。後になってから、そのときの金額は、所得ではなく売上だということに気がつきました（笑）。大きな勘違いからのスタートでしたね。</p>
<h2>なぜ岩国市由宇町を選ばれたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>転勤族だった父が、定年退職後、祖父母の家がある岩国市由宇町に戻っていました。イチゴ農家は1年中休みがないので、関東で始めてしまうと家族に会うのが難しくなってしまいます。</p>
<p>家族のつながりを大切にしたかったので、イチゴ農家をやるんだったら山口県で、と考えました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11327 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/a6879814-3.jpeg" alt="収穫したイチゴをパックに詰める作業をする山中健生さん（左）、パック詰めしたイチゴ（右）" width="720" height="280" /></p>
<h2>新規就農へ向けて、どのようなことから始めていったのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>茨城県のイチゴ農家で1年間研修させていただきました。その後、柳井市のイチゴ農家さんの元でさらに1年間学びました。柳井市の農家さんは、感動するほどおいしいイチゴを作られていて、一切PRをされていないのに、お客さんがどんどん来られるんです。</p>
<p>「イチゴに営業させるんだ。イチゴがお客さんを呼ぶんだ！」という姿勢に、とても衝撃を受けたと同時に、自分たちもそうなりたいと強く思いました。</p>
<h2>新規就農で大変だったことはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>農地探しは本当に苦労しました。休耕田を中心にいろいろと探したのですが、水はけや土地の形状などの問題があって、希望に合う土地は見つかりませんでしたね…。</p>
<p>最終的には、祖父母が土地をお貸ししていたレンコン農家の方に、こちらで探した別の農地に移っていただきました。その後、全面的に土壌改良をしてイチゴ農園として使うことにしました。また1年目は、納得のいく味のイチゴを収穫することができなくて、すでに入っていたクリスマスの予約を全てお断りしました。</p>
<p>でも、自分たちでは何が原因なのか全く分からなくて…。柳井市のイチゴ農家さんに相談したところ、水の量が原因だったということが分かりました。イチゴって、水と肥料のちょっとした割合でも、味が大きく変わってしまうんです。</p>
<p>その失敗のおかげで、味にはとても敏感になりました。今は肥料の使用を最低限にして、水やりの量やそのタイミングを調節するなど、イチゴ自体の能力を十分に発揮させるよう、二人で日々考えながら生育環境を改善しています。</p>
<h2>新規就農支援制度は活用されましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>研修期間中の最長2年間、月10～15万円給付していただける支援制度を活用しました。それに際して、山口県岩国農林事務所や、岩国市由宇総合支所農林建設課、やまぐち農林振興公社、JA、地元の方たちなど、たくさんの方に親身になって相談に乗っていただきました。</p>
<p>支援制度を活用するためには、事業計画書を作成する必要があったのですが、何度もダメ出しをされて、投げ出してしまいそうになりました。そんな時に、農林建設課の方から「今までのような農業をやりたいの？それとも計画性のあるこれからの農業をやりたいの？」と言われてハッと目が覚めました。</p>
<p>そのおかげで、事業計画書の重要性を再認識することができ、最後まで作りきることができました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11328 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/6be170c7-4.jpeg" alt="ビニールハウス内のイチゴ畑で作業する山中健生さんと奥様の歩さん" width="730" height="410" /></p>
<h2>現在の状況はいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>夫婦で「収穫量以外、何の問題もないよね」ってよく話しています（笑）。研修でお世話になった茨城県や柳井市の農家さんと同様に「直販」でスタートしましたが、ほとんどPRをしていないのに、おかげさまで約70%が直販で売れています。</p>
<p>「誠実でいよう！」「由宇が好き！」という私たちの気持ちが地域に受け入れられた結果だと思い、とても嬉しいですね。お客様から直接「おいしい」と言っていただけることが、日々の心の支えとなっています。</p>
<h2>岩国での生活はいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>人が良くて、海山が近くて、渋滞がなくて、スーパーが近い！今の生活にはとっても満足しています。山口県には、子どもたちの好奇心を育ててくれる場所がたくさんありますよ。</p>
<p>先日も、子どもたちが図鑑を見て「秋芳洞に行きたい！」と言ったので、急いで仕事を終わらせてから遊びに行ってきました。子育てをするには、山口県はとてもいい環境だと思います。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11329 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/1bbb8b11-5.jpeg" alt="作業所でイチゴのパック詰め作業を行う山中健生さんと奥様の歩さん" width="720" height="400" /></p>
<h2>移住を検討中の方へアドバイスをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>移住や起業を考えている方は、その目的や理由を冷静に考えてみるといいと思います。そしてやるならできるだけ早く始めることをおすすめしたいですね。僕は農業を簡単に考えていました。</p>
<p>毎日の管理で味が変わるということも知りませんでした。農業は自然を理解して上手に活用する仕事、生き方です。仮説を立て、結果が出て、その原因を考えることの繰り返しです。この10年間、さまざまな苦労はありましたが、農業にはそれ以上の楽しさと喜びがあると思います。</p>
<h2>最後に、これからの夢を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">山中</span>：</b>さらにおいしいイチゴ作りを追求していきたいですね。そして将来的には、農業を通じて発展途上国への支援に携わりたいという妻の夢を実現するために、最も難しいと言われている「イチゴの無農薬・無肥料栽培」にもチャレンジしていきたいと思っています。</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_iwakuni_yamanaka.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">苦労の連続の10年。 でも農業には、それ以上の楽しさと喜びがあります。</a></p>

山中健生さんは東京の会社に勤務時代、大学院で植物病理学を学んでいた奥様の歩さんと出会って新規就農を志し、退職しました。茨城県のイチゴ農家で1年間研修後、祖父母の地、実家がある山口県岩国市由宇町へ孫ターン。柳井市のイチゴ農家で1年間研修後、2009年「TARO」を開業。将来の夢は、農業を通じて発展途上国の支援に携わりたいという奥様の夢を実現するために、最も難しいといわれている「イチゴの無農薬・無肥料栽培」に挑戦しています。そんな山中さんへお話を伺いました。

現住所：山口県岩国市、職業：イチゴ生産販売「TARO」代表

山中 健生

苦労の連続の10年。それでも岩国市でイチゴ農家を続ける理由

<h2>Iターンされる前はどちらにいらしたんですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田修作さん（以下、坂田）</span>：</b>移住する直前の2年間は、東京・大手町で内部統制の仕事をしていました。石油企業に勤め、国内外のさまざまな場所でライフサイエンス系事業の立ち上げ・経営に携わっていました。</p>
<h2>Iターンを決めた理由は何ですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>会社員時代から地方の活用と環境問題が日本の課題だと考えていましたので、長年携わってきたライフサイエンス系事業の経験を活かしながら農林水産業に関わることで、その両方の課題を解決し、なおかつビジネスにもつなげたいと思ったのがIターンを決めた理由です。</p>
<p>なので、のどかな暮らしを求めての移住というよりは「ビジネスの拠点を変える」という感覚で山口にやってきました。</p>
<h2>では、なぜ移住先に山口を選ばれたのでしょう？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>東京に近い千葉県や山梨県などの関東圏や、大阪に近い関西圏は、私にとって「真の地方」ではないという印象があったので、それ以外の場所から候補地を探していきました。その中から山口を選んだ理由は、1991年から1994年の間、下松市に赴任していたという経験が大きかったですね。</p>
<p>土地勘が多少あったこと、そして、自然の豊かさや人の温かさ、暮らしやすさを知っていたことが、最終的には決め手となりました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11304 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/a5879518-2.jpeg" alt="神奈川県から単身移住し、里山民宿「和樂の里」の事業継承を進めている坂田修作さん" width="720" height="420" /></p>
<h2>「和楽の里」を承継することになった経緯は？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>2017年の8月に、「ふるさと回帰支援センター」の紹介で長門市の移住ツアーに参加しました。せっかくなので、山口県内の農家民宿も見て回ることにしたのですが、その時に、「和樂の里」を訪れました。</p>
<p>一緒に宿泊をした地元の方から若者流出や過疎化など岩国の現状を聞き、そして地方創生に対する思いをいろいろと議論していたところ、元オーナーから「『和樂の里』にも跡取りがいないので、ここを継承して活動してはどうか？」と突然言われたんです。</p>
<p>もちろん即答はできませんのでお時間を頂戴し、そこから一年間、横浜から「和樂の里」に通いながらここで何ができるのかを考えていきました。それと同時に、移住したら農業が中心になると思ったので、東京でアグリイノベーション大学校に通い、技術や経営について学んでいきました。通っている間に気持ちが固まったので、前職を早期退職し、単身でこちらに移住してきました。</p>
<h2>ご家族は驚かれたのではないですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>最初は「65歳まで勤められるのに、わざわざそんなことをする必要はあるのか？」と言われました。生活のことを考えれば、当然の反応だったと思います。</p>
<p>地方の活用で日本を救いたい、里山の管理をすることで災害時の被害を抑えたい、それにビジネスの可能性は十分にあるんだと時間をかけて説明した結果、最終的には「仕事としてそれを選ぶなら」と承知してくれました。</p>
<h2>単身ということですが、ご家族は現在どちらに？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>妻と娘3人は横浜にいます。子どもたちは手を離れ独立していますが、これから結婚して孫もできるだろうし…、ということで、妻は横浜に残って娘たちの近くにいてあげたいと。ただ、将来的には妻に来てもらいたいと考えています。</p>
<p>私だけではできないこともあるでしょうから、妻の才能を発揮する場として手伝ってもらえると嬉しいです。それに何より、自然に囲まれた健康的な暮らしを妻と一緒にしていきたいですね。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11305 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/8e1cfe39-3.jpeg" alt="里山民宿「和樂の里」（写真左）、坂田修作さん（写真右）" width="720" height="280" /></p>
<h2>「和樂の里」は、いつ頃オープンされる予定ですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>2020年の4月にオープン予定です。岩国市創業支援補助金を利用して、施設の一部を改装する計画で進めています。今は山林を整備するために、東部森林組合で働きながら林業の勉強をしています。</p>
<p>当初の計画では、元オーナーがしばらくの間「和樂の里」を続け、私はそれをお手伝いしながら農家民宿の経営ノウハウを学び、同時進行で林業を学ぶつもりでいました。しかし、元オーナーが2月頃に体調を崩されて急遽山を降りられることになり、一旦閉めざるを得なくなりました。</p>
<h2>岩国での暮らしはいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>この周東町祖生（そお）地区はみなさんとてもフレンドリーで、いろいろなことを教えてもらったり助けてもらったりと、本当によくしていただいています。また私自身も、地域に溶け込めるように、草刈りなどの地域活動にはできるだけ参加するように心がけています。</p>
<p>「和樂の里」は山中にあるので、アプローチは少し大変ですが、生活する上での不便は特に感じていません。下水道もインターネットも通っていますし、車があれば10分でコンビニやスーパーに行けます。また敷地内の井戸水は山の湧き水につながっています。</p>
<p>「こんなところに本当に人が住んでいるのか？」と言われることもありますが（笑）、それもまた都会にはない大きな魅力だと自信を持っています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11306 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/73530df5-4.jpeg" alt="眼下には雲海、眼前には氷室岳。山中に佇む「和樂の里」ならではの絶景を楽しむことができる" width="720" height="420" /></p>
<h2>岩国の良いところを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>東京に比べると物価が安いですし、食べ物も新鮮でおいしいです。それと、自然が豊富なので空気が澄んでいて景色も抜群です。中でも「和樂の里」からの眺めは特に美しいのでオススメです。</p>
<p>夜明け前から早朝に現れる雲海、夜に広がる満天の星空はぜひ見ていって欲しいですね。また、通勤にかかるストレスがないところも気に入っています。</p>
<h2>移住に際し、何か不安はありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>本当に自立してやっていけるのかという不安はありましたが、一年通う間に徐々に展望が見え、地元の方々との良い関係も築けてきたので、今は期待感の方が大きいです。</p>
<p>もちろんまだ準備段階なので経済的な不安は続いていますが、問題なく経営できるレベルに到達できるよう努力し、最悪のパターンもきちんと想定しながらオープンに向けて進んでいます。</p>
<p>それに、岩国市は商工会議所を中心にバックアップが強力なので、常に気にかけてもらえているのが有り難いですね。また、山口県のやまぐち創業補助金に申し込み、10人の中の一人に選んでもらえたのも自信に繋がっています。山口県は移住者に対するフォローがとても手厚いですね。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11307 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/8190d476-5.jpeg" alt="身振り手振りを交え、岩国の魅力について語る坂田さん" width="720" height="420" /></p>
<h2>山口県へ移住を考えている方にアドバイスをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>就職するにしろ、創業するにしろ、山口県には活躍できる場がたくさんあります。良くも悪くも山口県の素晴らしさはまだまだ伝わっていないので、新しいことを始めたり、何かにチャレンジしたりするにはとてもいい環境だと思います。</p>
<p>だからと言って、勢いで移住するのはおすすめしません。まずは足を運んで肌身で感じ、人に接してみてください。あとは相談できる機関をしっかりと活用することですね。充実した行政のフォローにきっと驚くと思いますよ。自然の豊かさと人の温かさは保証します！</p>
<h2>最後に、将来の夢を教えていただけますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">坂田</span>：</b>まずは「和樂の里」を無事オープンさせて軌道に乗せ、今まで以上に地域に溶け込んでいくことです。そして里山環境や伝統、歴史の維持に努め、国内だけでなく海外にも岩国の良さを発信していきたいです。</p>
<p>それからコレクティブインパクト※1を実現したいですね。具体的な例として、周防大島他の民宿・ゲストハウスとの連携ですね。例えば、旅行客に1日目は海を、2日目は里山を楽しんでもらったり、もしくは共同で名産品を開発したり…と。</p>
<p>まあとにかく、やりたいことはいっぱいあります（笑）。ここでしかできないことを発掘し、一つでも多く実現し、地方から日本を元気にしていきたいです。</p>
<p>※1　立場の異なる組織が、組織の壁を越えてお互いの強みを出し合い社会的課題の解決を目指すアプローチのこと。</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_iwakuni_sakata.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">里山環境や伝統の維持に努め、海外にも発信したい。目標は地方から日本を元気にすることです。</a></p>

大阪市出身の坂田修作さんは大学卒業後、大手石油企業に就職し、33年間勤務しました。その後、日本の課題を地方の活用と環境問題と捉え、解決に取り組むために山口県岩国市へ移住を決意。また、山口県への移住ツアーに参加した際、「和樂の里」と出会い、元オーナーから承継を予定しています。現在、オープンに向けて準備中の坂田さんへ岩国市の魅力についてお話を伺いました。

出身地：大阪市、前住所：神奈川県、現住所：山口県岩国市、職業：里山民宿「和樂の里」事業継承の準備中

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