移住者プロフィール
荒木 涼子さん
出身地:長崎県長崎市、前住所:東京都、現住所:長崎県長崎市、職業:すはだみらい研究所職員
目次
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移住のきっかけを教えてください
荒木涼子さん(以下、荒木):4年前に長崎に戻ってきました。福岡の大学を卒業し、環境問題に関する仕事に携わりたいと思い上京し、無農薬野菜やオーガニック食品のネット通販会社に入社しました。とても忙しい会社で、13、4年働いていましたが、30代後半に差し掛かったときに「このペースでこのまま働けるのか?」と思いました。
東日本大震災があり、日々続く余震で、交通のインフラが止まって1日の予定がガラッと変わる、そんな日常にストレスを感じていました。
また、オリンピックの開催が決まり、オリンピックで賑わう東京で働いている自分のイメージができませんでした。前職はネット通販がメインだったのですが、最後の2年間はリアル店舗に異動しました。
その際に、地方での仕事や暮らしに魅力を感じ、東京を出ようと思いました。最初から地元の長崎に戻ろうと思ったわけではなく、地方での暮らしを考え、色々と情報収集した上で選んだのが長崎という感じです。
旅行が好きで、これまで42都道府県を旅行してきました。いろんな土地を見てきましたし、青森などの移住に関するオリエンテーションにも参加しました。
その中で、移住するにあたってのポイントを聞いていくと「土地柄や文化風習なども含めて考えた方がいいよ」とアドバイスをもらいました。住むところも土地勘もあり、友人もいる。
東京に住んでいる頃に、長崎に帰省するたびに地元を面白がっている自分がいました。また、他県に比べても、長崎は食や観光のポテンシャルが高い、国内外に対してブランド力もあると感じ、長崎に戻ることを決断しました。
長崎市の魅力を教えてください
荒木:いい意味で、人とつながれることですね。都会は人が多い分、つながれるチャンスも多いはずなんですが、長崎はコミュニティが狭いから一気にいろんな人とつながれます。しかも、友達の紹介で有機的につながれます。私は食べるのが好きなので、「食」でつながった人が多いですね。
行きつけのご飯屋さんや八百屋さんから、「荒木さん、ここのお店、好みだと思うよ」とか、「食品の通販で悩んでる人がいるから相談に乗ってあげてほしい」などと紹介されることが多く、実際お会いしてみると、やはり気が合うようで仲良くさせていただくことが多いです。
一般的に田舎はしがらみが面倒と思われていますが、しがらみではなく、つながりとして楽しめるというのが推しポイントです。
実際に暮らしてみていかがですか?今感じていることを教えてください
荒木:長崎は街並みや風景が日常的に美しいので、通勤途中に見える海や夕焼け、夜景、中華街など、特に何かしなくても目に入ってくる景色に癒されています。そして、健康になりました。終電の時間が早いので、早く帰ろうと思うようになり、体調がよくなりました。
それから、時間に余裕ができたので時間の使い方が大きく変わりました。今までできなかった読書や英会話などに時間がとれるようになり、ビール検定や長崎検定にもチャレンジして、それぞれ2級に合格しました。
移住を検討されている方へメッセージをお願いします
荒木:これまで全国各地を旅してきました。食べ物、気質、気候、地形、風習や文化など地域によって違います。その中で自分に合う場所を見つけるには、やはり現地に行き、食品売り場を見て回ったり、いろんな年代の地元の方と話したり、まちを歩いたり、暮らすように旅することが重要です。
その中で自分にしっくりくる場所を見つけられるのではないかと思っています。長崎は、海も山も多いので食べ物が豊富で、歴史的な背景により食文化もおもしろいまちです。どこかへ出かけなくても、日常的な暮らしの中に、風習や文化が見えて、楽しく過ごせると思います。
地域のオススメスポットはありますか?
荒木:私のおススメスポットは中通り商店街です。以前、祖母が近くに住んでいたこともあり、とても親しみのある地域です。商店街で買い物をすることが好きなので、近くに住んでいます。眼鏡橋など観光地も近いため、観光客も地元の方もいますし、そして通学路でもあるので子どもたちもいて、ほどよい賑やかさがあります。
私が食いしん坊なのもあり、八百屋や饅頭店の品ぞろえや飲食店のメニューから、いつも旬を感じています。そして、長崎ならではといえばやはり「くんち」でしょうか。
くんちの踊り町がずらりと並んでいるので、夏以降は稽古の音がしたり、幔幕が下がっていると「今日は小屋入りかー」と気がつくことがあったり。昔ながらの幅の狭い通りなので、ただ歩いているだけで、両側のお店が目に入りますし、日々いろいろな気づきがあって、とても楽しいです。