移住者プロフィール
加藤 尚樹さん ・倫子さん
出身地:神奈川県相模原市、現住所:静岡県伊東市
目次
INDEX
結婚後の居住地に伊東市を選んだのはなぜですか?
加藤尚樹さん(以下、尚樹):私たちは伊豆新世紀合唱団の活動を通して知り合い、2015年に結婚しました。結婚を機に東京に戻るという選択もできたのですが、妻も今の勤務地が気に入っていましたし、私も伊東市なら通勤できると思いました。
都会に住むよりは断然自然があるところがよかったですね。独身時代は長泉町に住んでいました。そちらには知人が多く、町の子育て支援も整っているので、結婚後の居住候補地のひとつではありました。
けれども、開発が進み自然が少なくなってきたと感じていたので、その点、伊東市は海もあり、手軽に趣味の山登りが楽しめる場所もあり、子どもにもいい環境だと思いました。
倫子さん(以下、倫子):2013年、東京の病院から伊東市民病院への転勤が決まり、引っ越しする前に下見に来ました。途中、電車の窓から見た海の風景がきれいで、今も印象に残っています。もともと東京よりも、自然が豊かなところに住みたかったので、この土地が気に入りました。
伊東市には歴史や地形、この土地ならでは暮らし方など、独特なものがそのまま残っているところに魅力を感じています。一年を通して気候が穏やかですし。人間味溢れる方が多いとも感じます。
現在お住まいの環境でいい点、不便な点を教えてください
倫子:結婚後の住まいは、私の方が一足先に暮らしていたので、私が探しました。当時はペーパードライバーだったので、通勤や買い物に自転車で動ける地域で検討し、商店街の近くのアパートに決めました。町にも海にも近いし、あまり建物が密集していないので、日当たりも良く窓から入ってくる風も気持ちいい。
ご近所さんたちも気さくに声をかけてくれます。伊東は坂が多いイメージもありますが、市街地は平坦です。観光的な見所もいっぱい。お気に入りの喫茶店やお肉屋さん、魚屋さん、パン屋さんも点在していて、車を運転するようになった今でも、自転車や歩きで町を巡るのが好きです。
尚樹:地方都市の生活では車での移動が前提のところも多いのですが、伊東市の中心市街地は自転車でも回れるコンパクトさがいいですね。敢えて不便なところを挙げれば、仕事からの帰宅が夜9時を過ぎてしまうと、ほとんどの店が閉まっていること。でも、コンビニもありますし、食事は家でとるので、特に問題はないです。
現在は子育て真っ最中ですね。出産や子育ての面でよかったと感じる点はありますか?
倫子:子どもと一緒に出かけられる自然の多い公園やスポットが、市内にたくさんあることですね。一碧湖や小室山は手入れや管理が行き届いて、子どもも一緒に楽しめます。
遊具がなくても自然と触れ合いながら遊べる、これが都会と違うところかな。大室山の麓に広がるさくらの里や、手軽に山歩きができて絶景も楽しめる宇佐美の大丸山なども、近場でのお出かけにいいスポットです。
城ヶ崎や富戸の海岸沿いの遊歩道もよく行きます。子育て支援では、「NPO法人いとう子育てネットワーク・ゆう」が、未就学児がいる家庭に、研修を受けた先輩ママを無料で派遣してくれます。県内では伊東市と函南町にしかないサービスだそうです。
主人の育休が明けると、私ひとりで子どもの世話をする時間が長くなることを心配していましたが、そんな時に頼れる存在だと思いました。子どもとお出かけができるようになってからは、「地域子育て支援センターちゅうりっぷ」をよく利用します。
家での遊びにも取り入れられるアイデアを盛り込んだ、工夫を凝らしたイベントを企画し、開催してくれます。新米ママ的には遊び方を覚えられるし、月に1度は遠足もあり、子育て家族の横の繋がりもできます。欲を言えば、うちの子と同年代の子どもがもっともっと増えてくれたらいいなと思います。
尚樹:私は3か月間、育児休暇を取得しました。よく買い物に行く魚屋さんからは、伊東でこれだけの期間育休を取得する人は珍しいと言われましたが(笑)、一方で本物のイクメンを初めて見たと応援してもらいました。
子どもと一緒に商店街で買い物をしていると、お店の人や近所の人から声をかけてもらえます。子どもとともに、私も地域の人に見守られながらお父さんになっていくんだなと、実感しています。
尚樹さんは、東京にある会社まで通勤をしていらっしゃいますね
尚樹:ええ、通勤時間は2時間弱くらいです。時間的には、実家がある相模原から通うのと変わらないんですよ。8時45分始業なので、6時30分頃に家を出ます。JR伊東線はラッシュがなく、ゆったり座っていけますし、熱海駅で乗り換える新幹線の中では朝食をとったり、本を読んだりと、通勤時間を有効活用しています。
コロナ禍で2020年4月からテレワークになりました。業務の電子化が進んでいるので、メール、電話、チャット、社内システム等を利用して基本的には自宅で仕事が可能です。
会社でしかできない作業は、週1日程度の出勤で集中して片付けるようにしています。子どもがまだ小さく、妻の家事もサポートできるので、基本的には自宅で仕事をしていますが、今後、テレワークで集中できる環境が必要な時は、市内にあるコワーキングスペースの利用も考えていきたいですね。
日常の生活の中で、“伊東ならでは”の楽しみはありますか?
尚樹:伊東といえば温泉じゃないですか。町中にも温泉の公衆浴場がたくさんあるので、「今日はどこに行こうか」と相談して出かけます。
倫子:公衆浴場は小学生まで無料なのも嬉しいです。ホテルの立ち寄り湯も市民は半額で入れるところもありますし、温泉では、おばあちゃんたちが気さくに話しかけてくれ、子どもの様子にも気を配ってくれます。地元の人同士のコミュニケーションに加われて、まさに町の社交場的な空間です。
私が勤めている市民病院には、昔、療養のために使っていた温泉があったそうです。今は建て替えて新しくなりましたが、職員は更衣室から浴場に直行できて、温泉で体をほぐしてから帰れるんですよ。初めは驚きましたが、仕事上がりの温泉は最高のリラックスですね。
実際に暮らしてみて感じたことで、移住を希望する方に改めておすすめしたいポイントを教えてください
尚樹:自然が豊かで、ほどよいコンパクトさの町は、住むのにちょうどいいと思います。車、電車を利用すれば、横浜、静岡などの都会にもアクセスしやすいし。周囲の子育て世代の人は持ち家率が高いですね。
私たちも、いずれは一戸建てを持ちたいと考えています。都内に比べると同じ予算額でも広い家に住めるので。それから、商店街にはこの人から買いたいと思わせる店主のいるお店が多いです。
もちろん、肉、魚、野菜などの食材は安くて新鮮で美味しい。こちらに住み始めてから、お店の人にどんな料理法があるか教えてもらいながら、自分でも簡単な和食を作るようになりました。子育て優待を受けられる店もあります。
倫子:地元で水揚げされる鮮魚や干物など、魚は本当に美味しくて伊東に来てから魚がよく食卓に上がるようになりました。
八百屋さんの店先で見かける巨大な袋に入ったみかんの量と値段の安さに最初はびっくりしましたが、今は子どもも含め家族みんなみかんが大好物でいろんな種類をたくさん食べます。
地元の人に教わったダイダイのポン酢は、もはや我が家の定番です。母親としては、やはり子育てを中心に考えるのですが、身近なところに自然がたくさん残っていたり、街で会う度に母と子に笑顔で話しかけてくれる人としての温かさが、伊東の魅力だと思います。
ある一日のスケジュール
8:00 ゆっくり起床。朝食をとりながら、休日の過ごし方を相談
9:30 出発。池地区にある野菜の直売所で無農薬、減農薬の野菜を購入
10:00 伊豆高原のお気に入りのパン屋さんへ行き、ランチを調達
11:00 子どもは背負子に入れて八幡野漁港から城ヶ崎自然研究路を散策。大淀・小淀で磯遊び。途中、買ってきたパンでランチ
15:00 伊豆高原の「ケニーズハウス」のソフトクリームでおやつタイム
16:00 人気のお惣菜屋さんで夕食のおかずを買って帰宅
16:30 近くの公衆浴場へ
19:30 近所の魚屋さん自家製のピリ辛鯖みりんを焼いて、買ってきたお惣菜をおかずに夕食
21:00 子どもを寝かしつけ、就寝までのんびりと過ごす
23:00 就寝