移住者プロフィール
粕谷 玲緒さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
山形県酒田市の地域おこし協力隊、趣味・特技:株式投資・イケメンボイス
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
田舎への移住を希望し、その一環として地域おこし協力隊制度を活用しました。私のような若者にとって、移住には金銭面やスキル面でのハードルが高いものですが、この制度はそのような課題を解消してくれる、非常に魅力的な仕組みだと感じています。
私は千葉で生まれ育ち、大学と就職先は東京と、都会での生活をしてきました。しかし、都会とは異なる田舎の生活に強い憧れを抱いていました。特に、人とのつながりや地域の魅力を発信することに大きな魅力を感じていたのです。
地域の皆様と協力しながら、地域の課題解決や魅力発信に取り組み、新たな価値を創造することで、地域の未来を共に築いていきたいと考え、この制度に応募しました。
山形県酒田市を選んだ理由について教えて下さい。
祖母が山形県尾花沢市出身ということもあり、以前から山形県にシンパシーを感じていました。その山形の中でも飛島は離島という特別な環境にあり、船が1週間連続で出航しない日もあるという不便さにも惹かれました。
初めて飛島を訪れたとき、美しい自然が広がり、海や魚、鳥や花に囲まれたその環境に心を奪われました。人々の温かさや、のんびりとした雰囲気は、まさに私が求めていた田舎の理想像そのものでした。
「ここしかない!」と思い、最後はフィーリングで飛島を選びました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
私はフリーミッションという形で採用していただきました。フリーミッションとは、具体的な事業がなく、隊員が活動内容を考える必要があります。
1年目である現在は美化活動を中心に行っています。市の職員や地元の方々と一緒に草刈りや側溝清掃、漂着ゴミなどを運んだりしています。チェーンソーやはしごを使った木の切り倒しなど、分からないことは周辺の方々がサポートしてくださいます。
さらに、2年目以降の活動や退任後の準備に向けて、自分のスキルを活かした仕事にも意識を向けています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
人から直接感謝される喜びや、体を動かした後の達成感は、何にも代えがたいものです。前職はリモートワークが中心でしたが、体を大きく動かし、明確化されたシンプルな目標に向かう作業特有の充実感があります。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
地域おこし協力隊としての活動では、自ら目標を設定し、それに向かって行動することが求められます。この環境の変化によって、自分の能力不足を痛感する日々が続いています。
実際に生活してみると、島民の方言を理解するのが難しく、コミュニケーションに苦労しています。また、地域に友人や家族がいないうえ、同じ目標を共有できる仲間もおらず、孤独感を感じることもあります。
さらに、自分のやりたいことを効果的にプレゼンする力が不足していることにも気づかされました。こうした問題に直面するとは予想していませんでした。
着任前は、自分のスキルを活かし、思いを他人と共有しながら、楽しく熱意を持って業務をこなす姿を想像していました。しかし、実際に着任してみると、思うように進まない現実に直面し、今の業務内容が任期後の目標達成にどれだけ寄与するのか、不安に感じることも多々あります。この孤独と不安は、予想外のものでした。
2年目以降はさらに頑張りたいと思っているものの、現状では多くの課題に直面しています。それでも、この予想外の困難を乗り越えるために、引き続き努力していきたいと考えています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
この飛島への定住です。このビジョンを実現するためには、まず飛島でお金を得る手段を確保することが重要だと考えています。
前職や大学で培った経験を活かし、長期的にこの島に貢献し、たとえ期間限定でも島に雇用を生み出せる環境を整え、少しでも島を活性化させたいと考えています。具体的には、任期期間中に得たスキルや実績を基に起業することを第一に視野に入れています。
さらに、IT分野でのリモートワークを実践し、「飛島でフルリモートで働きながら、土日や空いた時間には釣りを楽しむ」といったライフスタイルを確立し、移住者の確保にも貢献したいと考えています。
酒田市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
幸運なことに、良い人たちと巡り合うことができました。
一人目は飛島に移住された方です。この方は飛島の現状に問題を感じて移住してきた人で、「トビシマカンゾウ」や「イワユリ」など飛島の花について深い知識を持っています。
特にトビシマカンゾウは6月頃に咲く、飛島と佐渡固有の珍しい黄色の花で、この方なしには語れません。観光客の視点に立ち、ここに咲いていたら綺麗だろうと考えて移植を行い、さらに海岸清掃にも熱心に取り組んでいます。私も一緒に作業し、その情熱を強く感じました。
二人目は飛島で生まれ、数十年後に戻ってきた方です。飛島の平均年齢は70を超え、集落は3つに分かれていますが、この方は最もマンパワー不足とされる集落に住んでいます。
木が民家に覆い被さったり、側溝に泥やゴミが溜まるなどの問題が多くあります。もちろん他の住民も清掃を行いますが、この方は「自分は若くて体が動く」との思いで積極的に作業をしています。彼の努力はこの集落だけでなく、飛島全体の美しさを保つ一助となっています。
島民の方々はとても親切で、島での血縁関係や島の祭り、昔の話、掃除の仕方などを丁寧に教えてくださいます。島民によると、飛島では若い人はそれだけで貴重な存在だそうです。しかし、方言が強く、言語理解には苦労します。
酒田市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
飛島の日本海屈指の透明度を誇る海と飛来する多様な渡り鳥、絶好の釣り場の3つが自慢です。
中でも私のオススメスポットは、とびしま総合センター前の堤防です。釣りをしていると魚影がハッキリと見え、臨場感が味わえて楽しいです。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
飛島に移住するにあたっては、住居と仕事という2つのハードルがあると考えられます。
住居に関してですが、私の認識では飛島に物件を仲介する業者は存在しません。しかし、飛島に親戚がいない人でも、私のように移住した事例があります。まずは、酒田市役所に問い合わせを行い、島での仕事や物件の紹介を受けるのが良いと思います。
私個人的な願望としては、地域おこし協力隊として移住してほしいです。飛島で一緒に新しいことを開拓する、そんな関係を築きたいと思います。地域おこし協力隊として互いに協力し合い、飛島を一緒に盛り上げていきましょう!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2