<h3>大学卒業後、一般企業に就職</h3><p>1996年生まれ、東京都出身の吉澤さん。地方で働くことに興味を持ったのは、2016年に発生した熊本地震がきっかけだったという。</p><p>「ちょうど就職活動の時期でした。<mark class="marker-yellow">テレビで熊本地震のニュースを見て、地域の方同士がコミュニケーションを取り合うことで、助かった命がたくさんあったことを知り、人と人の新たなつながりが生まれるような、地域と深く関わる仕事がしたいと思うようになったんです。</mark></p><p>大学では社会学を学んでいて、進路を選ぶ時から地域社会に対する関心はすでにあったのですが、地震をきっかけにそれがより明確になったという感じでしたね」</p><p>東京で働く選択肢はなかったと話す吉澤さんは、大学卒業後、地域づくりを事業の主軸に置く熱海の企業に就職。小売部門の配属となり、熱海の商店街にある店舗に勤務した。</p><p>「熱海はシャッター街だったところから、徐々に活気を取り戻しつつあるところでした。同じ商店街に店舗を構えているみなさんと協力し合い、地域に根差したお店になり、さらに観光客を呼び戻すことができたら、という想いで働いていました」</p><h3>利益追求ではなく、人との関わりを大切にしたい</h3><p>そうした中でなぜ、地域おこし協力隊という道を選ぶことになったのだろうか。</p><p>「地域おこし協力隊のことは、就活をしている時からなんとなく知っていました。ただ、一度は一般企業に勤めてみようという気持ちがあったので、熱海の会社に就職したんです。</p><p>でも、会社という組織の中で働く以上は、どうしても利益を求めなければならないんですよね。それは会社として正しいあり方だと思いますが、私としては<mark class="marker-yellow">もっと地域の方と一緒に働きたい、一緒にまちづくりをしていきたい</mark>という想いの方が強く、少しずつギャップが生まれてしまいました。</p><p><mark class="marker-yellow">そんな時に思い出したのが地域おこし協力隊のことでした。地域に入り込んで、地域の方と深く関わりながら生きることのできる働き方として、協力隊はいいのかもしれないなと</mark>」</p><p>迷った末に会社を辞める決断をした吉澤さんは、興味のある自治体の地域おこし協力隊に応募。関東や甲信越を中心に、面白そうと思えるミッションを掲げる自治体を探したという。そして、最終的に選んだのが長野県伊那市だった。</p><p>「もともと場所に対してそれほどこだわりはなく、『地域おこし協力隊としてお仕事がしたい』という想いのほうが先行していました。<mark class="marker-yellow">伊那市を選んだのは、応募した中でも特にミッションの自由度が高く、ワクワク感を感じられたからです。地域の方との関わりも自分次第で多く作ることができそうだと思えたことも決め手になりましたね</mark>」</p><h3>2021年、伊那市に移住。町の特徴は？</h3><p>長野県南部に位置する伊那市は、東に南アルプス、西に中央アルプスがそびえ、市の約80％を森林が占める。両アルプスの間を流れる天竜川や三峰川沿いには平地が広がっており、米や野菜、果樹など肥沃な土地と良質な水を活かした農業も盛んだ。</p><p>地域おこし協力隊として採用されるまで、一度も訪れたことはなかったものの、伊那市に住むことに対して特に不安はなかったという。</p><p>「生活環境に関して特に不便に感じていることはありません。正直、もっと田舎だと思っていましたが、近くにスーパーやコンビニ、薬局などもあります。車で30分も走れば大体の買い物には困りません。ただ、移動手段が車に限られるので、公共交通機関の便は悪いかもしれませんね。<br>会社員時代よりも自由に使える時間が増えたので、休日には少し遠出して、長野市までスポーツ観戦に行ったり、松本市の大型商業施設まで買い物に行ったりすることもあります」</p><h4>コンビニでアルバイトも</h4><p>仕事や普段の生活を通じて地元の人との関わりも増えた。そうした人との適度な距離感が心地良いという。</p><p>「熱海にいた時は、やはり観光地なので普段接するのは観光客の方が多くて、なかなか地元の方とコミュニケーションをとる時間がありませんでした。<mark class="marker-yellow">伊那市に来てからは、商店街の方やご近所さんとの付き合いが増えたことは良い変化だったなと思います。</mark>自治体の飲み会に声をかけてもらうこともあります。ガツガツと入り込んでもこないし、かといって放置もされ過ぎないところが気に入っています」</p><p>吉澤さんは移住してすぐにコンビニでのアルバイトを始め、今も協力隊の仕事と並行して続けているそうだ。そこでお客さんから話しかけられることも多い。</p><p>「田舎は都会と比べて、コミュニケーションに対するハードルが低いのかもしれませんね。コンビニでバイトを始めたのは、来たばかりの頃はまだ何をしたらいいのかわからなくて、時間を持て余してしまうことが多かったからです。<mark class="marker-yellow">コンビニなら地元の方とも関われるし、協力隊としての自分を知ってもらう機会にもなっています</mark>」</p><h3>「城下町高遠コンシェルジュ」として活動</h3><p>現在、吉澤さんが協力隊の活動の拠点としているのが伊那市東部に位置する高遠地区だ。</p><p>戦国時代から江戸時代にかけて高遠城を中心に城下町として栄えた地域で、その当時の面影は今なお町並みに色濃く残っている。高遠城址に広がる公園は桜の名所として名高く、一帯には約1,500本もの桜の木が植えられている。タカトオコヒガンサクラという固有種で、小ぶりながら赤みの強い花が特徴だ。毎年春には「高遠さくら祭り」が開催されるなど、花見の時期には多くの花見客で賑わう。</p><p>そんな歴史ある高遠地区での吉澤さんのミッションは「<mark class="marker-yellow">城下町高遠コンシェルジュ</mark>」だ。</p><p>「高遠地区が掲げるまちづくりの構想に『町まるごとホテル』というものがあります。これは、ホテルの持つさまざまな機能（お風呂、ご飯、お土産、宿泊など）を街中に点在させることで、訪れた人が自然と街を回遊できるようにする構想です。</p><p>私が伊那市に移住したのはちょうどコロナ禍の時期で、外部からお客さんを呼ぶのが難しい状況でした。そこで、まずは伊那市民に高遠の魅力を発信することにしました。伊那市は東西に広がっており、東から西の地区まで車で30～40分ほどかかります。市内には高遠に来たことがない人も多いと考え、市内の人々を対象にさまざまなイベントを企画・実施しました。</p><p>例えば、謎解き町歩きゲームや、高遠城址公園のさくら祭りや紅葉の時期に合わせたお散歩ラリーなどを開催しました」</p><h3>ペットボトルのキャップを再利用した「石仏ガチャ」</h3><p>高遠地区はほかにも、江戸時代を中心に「高遠石工」が活躍した場所でもある。彼らはその卓越した技術で全国に数多くの石仏をつくり、高遠地区には2,000基以上が残っているという。</p><p>そうした歴史に着目し、吉澤さんが発案したのが「<mark class="marker-yellow">石仏ガチャ</mark>」だ。</p><p>「石仏の魅力を全国に広めたい」との想いから伊那市の製造会社の協力のもとつくったという石仏ガチャは、<mark class="marker-yellow">高遠地区に実際にある石仏をかたどった小型フィギュアで、原材料にはペットボトルのキャップを再利用している</mark>。</p><p>「キャップは地元の小学校や企業に呼びかけて集めてもらいました。エコにもなるし、自分たちが集めたキャップが石仏ガチャという目に見える形に生まれ変わるのは、子供たちにとってとても嬉しい体験になるのではないかと思ったからです。テレビで取り上げていただいたことをきっかけに、長野県外からキャップを送ってくださる方もたくさんいました」</p><p>現時点で第3弾まで製作しており、名工とうたわれる守屋貞治が手がけた「大聖不動明王」「延命地蔵菩薩」「不空羂索観音」など、全部で11種類が揃う。ガチャは高遠の観光案内所に設置されている。</p><p>カプセル内には、石仏についての案内とGoogleマップと連動したQRコードも同封されている。それらを参考にしながら、実際に石仏を見に行くのも楽しみ方のひとつだ。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/10/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/wvyTaC4RjPFrtIToka_-b.webp"></figure><p>「<mark class="marker-yellow">観光案内所のすぐ近くにある建福地にも守屋貞治の手による石仏がたくさんあるので、ぜひ足を運んでみてほしいです。実物と一緒に見比べてもらうことで、よりリアルさを感じてもらえると思います。</mark></p><p>ちなみに、私のお気に入りは双体道祖神です。集落の入口にあり、子孫繁栄や無病息災といった願いが込められているそうです。二体のお地蔵さまが手をつないでいる姿がとても可愛いんですよ」</p><h3>さくら祭りの「武将じゃんけん」も大好評</h3><p>石仏ガチャのほかにも、最近、新しくつくったのがビックリマンシールならぬ「<mark class="marker-yellow">ビックリ石仏シール</mark>」。今年（2024年）4月の高遠さくら祭りに合わせて5,000枚を用意した。</p><p>「イベントのひとつとして、武将とのじゃんけんで勝った人にそのステッカーを配るという企画を立てました。</p><p>高遠城は、高遠城の戦い（武田信玄の五男・二科盛信と織田信長の勢力が戦い、武田氏が滅びるきっかけとなった戦い）の舞台となった場所です。昨年の紅葉祭りの際には、劇団の方たちが扮した武将隊によるショート劇がとても好評でした。<mark class="marker-yellow">さくら祭りにも再び武将隊が登場することになり、コラボ企画として『武将とじゃんけん』を考えました。ゲーム感覚で楽しんでもらうことで、高遠城の戦いや高遠石工という歴史をより身近に感じてもらえたらという想いでした</mark>」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/10/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/pzALNzp9MLWJF9MwcL30B.webp"></figure><p>イベントは吉澤さんの想像をはるかに上回る盛り上がりだったそうだ。</p><p>「正直、あそこまでになるとは思っていませんでした。朝10時から出陣と告知していたのですが、休日ということもあって、8時半くらいから待っている方がいました。イベントが始まってからもじゃんけんの行列がずらっと伸び、中には3人の武将すべてとじゃんけんした！という方もいました。ステッカーは最終的に200枚くらいしか余らず、本当に想定外でした（笑）。</p><p><mark class="marker-yellow">子供たちだけじゃなく、おじいちゃんやおばあちゃん含め、大人たちも楽しそうにじゃんけんをしていたのが嬉しかったですね。企画して本当に良かったなと思っています</mark>」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/10/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/3idG_4QDWN9Oo2Rj0mpz4.webp"></figure><h3>自分が「ワクワク」できる選択を</h3><p>吉澤さんの協力隊としての任期は残り1年。今後の活動予定についても伺った。</p><p>「『町まるごとホテル』に関して、これまでなかなか思うように動けていなかった部分があるので、今年一年はそれをメインに取り組んでいきたいと思っています。例えば最近、商店街に新しくゲストハウスができたので、そこに宿泊した人がいろいろな店舗を散策してもらえるような仕掛けがつくれないかなということを考えています。</p><p>卒隊したあとのことはまだ具体的には考えていませんが、<mark class="marker-yellow">これまでずっとやってきた観光の視点で、地域の人たちと一緒に進めるまちづくりというものには何かしらの形で関わり続けたい</mark>と思っています」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/10/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/41DcIE364m0xJjrRxIicc.webp"></figure><p>最後に、地方移住を検討している方に向けてメッセージをいただいた。</p><p>「移住しようかどうか悩んだ時は、自分が地方に移住した時の姿を想像して、今置かれている状況とどちらの方が『楽しいか』という視点で考えるのが一番良いのではないかなと思います。私もそうやって協力隊になることを決めたので、<mark class="marker-yellow">自分がワクワクする、楽しいと思える選択</mark>をしてほしいです！</p><p>市役所の移住相談課などに相談して、地域の方と実際に話す機会を作ってもらったりする方法もありますし、勢いで行ける！と思ったら、その直感を信じて来てみるのも良いと思います。いろいろなギャップは感じるかもしれませんが、その土地を楽しむ方法が見つかればきっと良い方向に進むはずです」</p><p>・</p><p>飾らない言葉で自分の想いをまっすぐに話してくれた吉澤さん。地域の魅力や課題を深く掘り下げ、そこに「ワクワク」を生み出そうと取り組む姿がとても印象的だった。石仏ガチャをまわすことを目的に伊那市を訪れてみるのもとても楽しそうだ。</p>

ワープシティ公式

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けしています。

第79回目の先輩移住者は、長野県伊那市で地域おこし協力隊として活動する吉澤祐佳（よしざわ・ゆうか）さんです。

東京都出身の吉澤さんは、大学卒業後に一度は一般企業に就職するも、より深く地域と関われる環境を求め、2021年に伊那市に移住。高遠地区に数多く残る石仏の魅力を広めたいと発案した「石仏ガチャ」は大きな反響を呼んでいます。

そんな吉澤さんに、移住先に伊那市を選んだ理由や地域の特徴、地域おこし協力隊としての取り組みなどについて、お話を伺いました。

伊那市

長野県

出身地：東京都、前住所：熱海市、現住所：伊那市、職業：地域おこし協力隊

吉澤祐佳

伊那市の地域おこし協力隊。高遠石工の歴史を楽しく学べる「石仏ガチャ」が話題

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>就職活動時期に熊本地震が発生し、地域の方同士がコミュニケーションを取り合い助けた命が多くあったというニュースをテレビで見ました。そこから人と人の新たなつながりが生まれるような、地域と深く関わることのできるようなお仕事がしたいと思い、一度は観光関係の民間企業に就職しました。</p><p>新卒から2年間民間企業で働くうちに、もっと地域の方々と深く関わりをもってお仕事をしたいと強く思うようになり、転職を決意しました。お仕事を探していく中で、「地域おこし協力隊」という制度に出会い、これなら私自身もワクワクしてお仕事できそう！と感じ応募しました。</p><h2>長野県伊那市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>実家が東京だったので、実家にも戻れる距離をと思い関東圏を中心に探しておりました。「地域おこし協力隊になりたい」という想いが先行していたので、候補地と各地域のミッションの内容を比較検討しながら、応募地域を絞っていきました。</p><p>私自身が大切にしていたことは、「ワクワクするかどうか」という点です。それぞれのミッション内容にどれだけワクワクするかを重要視していました。</p><p>その中でも伊那市のミッションは、とても自由度が高く、地域の方との関わりも自分次第で多く作れるのではないかというワクワク感を一番感じ、伊那市の地域おこし協力隊に応募することを決めました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>伊那市高遠町を拠点とし、「城下町高遠コンシェルジュ」というミッション名で活動し、主に以下のことに取り組んでいます。<br><strong>町全体への宿泊機能の構築や新たな観光資源を加えた城下町のテーマパーク化</strong></p><ul><li>宿泊、飲食店、商店街など、点を線で結んだ「町全体にホテル機能」を構成</li><li>町歩きを楽しんでもらえる機会を増やすため、町歩きゲームを開催（夏に開催した謎解きゲームは551名の方が参加）</li><li>高遠石工の魅力発信・認知度向上</li></ul><p>高遠町に多くある石仏の魅力や、認知度向上のために活動を行いました。その中で、町内の小学校に協力を依頼し、ペットボトルキャップを回収し「石仏ガチャ」を製作しました。これが人気を生み、10月末に第三弾を発売しました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/nZqVH7F_hSk4xVNG8XYEb.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>地域の方々と深く関わりをもってお仕事が出来ることです。地域の方と一緒になって一つのイベントを作りあげることができた時や、それが一度にとどまらず、何回も継続して開催できることは、非常にうれしく思います。</p><p>また、私自身が企画したイベントに多くの方が参加してくれたときや「楽しかった」「またやってほしい」と声をかけていただけることもすごく嬉しいですし、企画開催して良かったなと実感することができます。</p><p>石仏の魅力をもっと広めようと製作した「石仏ガチャ」も、小学生のみんなが楽しみにしてくれています。イベントなどに石仏ガチャを持って行った際に、「これを目当てに来ました！」などの声を聞くと、徐々に認知度が上がっているなと実感でき、やってよかったなと感じられ、大きなやりがいのひとつになっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/EY1W6Lr09Vwqj8jyA6QeQ.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>想像以上に、新聞や地元のケーブルテレビにたくさん取り上げていただいています。その結果、石仏ガチャの原料となるペットボトルキャップの回収に、伊那市内に限らずに市外や長野県外の方がご協力くださったりと、たくさんの反響をいただきました。</p><p>こんなにもたくさんの方に注目され、楽しみにしてくれている方がたくさんいることは想定外でした。<br>また、「ニュースで見た」と言ってわざわざ石仏ガチャを回しに伊那市に立ち寄ってくれる方がいたりと、想像以上の反響に驚いています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/2wX_KY5AEYDozs3aXiLlB.webp"></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>卒隊後も地域の方と関われるお仕事を続けたいと考えています。自分の根幹にあるこの気持ちを大切にしながら、ワクワクするお仕事に携わりたいと思っています。</p><p>どの地域でも、地域の方々との関係性を深めていきながら、新たな人と人のつながりが生まれるような場づくりに携わっていきたいです。</p><h2>伊那市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>移住してきたばかりの時に、様々なイベントに顔を出しました。その際に出会った方が実は同じアパートに住まわれている方で、その繋がりから、ご自宅にお招きいただき夕飯をご一緒させていただきました。</p><p>野菜のおすそ分けをいただくことも多々あります。また、高遠町の商店街での活動が多い私ですが、商店街のみなさまも自分の娘かのように接してくださり、まるで家族の一員に入れてもらった気分です。</p><p>何気なく話している時に、和菓子屋さんでありながら洋菓子も作れるというお話を聞き、特別にクリスマスケーキを作ってもらったりもしました。どこで出会う方も、温かく迎え入れてくださり、飲み会にもたくさん呼んでいただいています！</p><h2>伊那市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>2つのアルプスに囲まれた自然豊かな環境はとてもおすすめです。</p><p>また、伊那市は四季をハッキリと感じることができます。春は天下第一の桜、夏は青々と生い茂っていく田んぼの稲、秋は色づきから散っていく様まで儚く楽しめるもみじ、冬は白く冷たい雪。視覚的に四季を感じられることが、伊那市の魅力のひとつです。</p><p>それから、辛味大根のおろし汁に焼き味噌を溶かして食べる「高遠そば」も高遠を語るには外せない1品です。休日には、高遠そばを求めて多くのお客様がそば屋さんに足を運びます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/gIe2tV2DMQwvNRCwtkxFI.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住をするのは、簡単なことではないし、とても大きな決断であると思います。実際に何か所も足を運んでみて、どの場所が自分に合うのか選ぶことになると思います。</p><p>ですが、たくさんの選択肢があっても、2つの選択肢で悩んでも、ご自身が少しでもワクワクするポイントを探してみてください。少しでもワクワクを感じることができたら、移住への第一歩は進んでいると思います。</p><p>皆さんの移住ライフが幸せなものになることを願っております！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第70回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長野県伊那市の吉澤祐佳さんです。

長野県伊那市の地域おこし協力隊、趣味・特技：スポーツ観戦

#70 長野県伊那市・ペットボトルキャップを回収し製作した「石仏ガチャ」は大盛況！

<h3>移住するきっかけ</h3><p>息子が生後4か月の時に難病(現在、完治)になった時期をきっかけに健康の為にも自然豊かでのびのびと「生きる力」を育める場所で子育てをしたいと思うようになりました。千葉県にいる時に家族で畑活動もしていて、「農ある暮らし」「自給自足」にも興味があったので子どもが大きくなる前に移住するなら今が最適なのかもしれないと想いが強くなってきました。</p><h3>なぜ「伊那市」だったのか？</h3><p>とあるイベントで妻が移住するなら「伊那市」が良いよと話を聞きました。伊那市の事を調べていくうちに私たちが希望する環境があるかもしれないと伊那市の移住相談、移住のオンラインイベントに参加しました。伊那市にする決め手となった理由は2つ。<br>（1）長谷に視察しに来た時に共通の知人から長谷にある「さんさん農園」を見学させてもらい、その後に道の駅で昼食をしながら地域のお話を沢山教えてもらい感じた「人のあたたかさ」「農ある暮らし」「美和湖と山の安心感」がすごく良かった事。<br>（2）保育園、小中学校のオンライン見学会で長谷保育園のやまほいく、園庭の広さ、小中学校の繋がり、地域全体で子育てしているのを感じて家族が移住先として描いていたイメージと合い長谷に決めました。</p><h3>移住して感じたこと</h3><p>移住してみて自然と景観の豊かさ、農ある暮らしもスタートできてイメージしていた生活ができました。想像以上に感じたのが「人の優しさとあたたかさ」でした。移住してきた私たちに声を掛けてくれたり、お野菜やお米をお裾分けしてくれたり、近所のおじいちゃん、おばあちゃんが息子を可愛がってくれたりと自然と人の「安心感」が心地よくて穏やかな時間の流れに豊かさを感じています。自分たちで作った野菜で「食卓」を囲む時間も増えて家族で一緒に過ごせる時間が増えました。移住してホントに良かったと感じる事が多いです。</p><h3>今後の目標や夢</h3><p>家族で選んで決めた伊那市長谷。地域の為に何かお役に立ちたいと思って「溝口未来プロジェクト」という長谷地域を盛り上げる団体に入りました。息子がふるさととして誇れるように地域の方と一緒に汗をかいて長谷地域を盛り上げていく活動をしていきたいと思います。子どもたちと一緒に作る「まちづくりイベント」にも積極的に関わっていきたいです！</p>

移住は冒険だ！～ワラエル家族の一念発起～
千葉県柏市から伊那市長谷に移住した髙橋さん家族の移住体験談！

2022年に移住した髙橋さん家族。隆文さんは息子のふるさと作りの為に地域に密着した道の駅や自然栽培のお米作りの会社で。千穂さんも地域のおじいちゃん、おばあちゃんをケアする仕事に就き、ご家族で地域に入った働き方を。伊那市に移住を決めた理由は？

髙橋隆文・千穂・日々絆

伊那市長谷を息子の誇れるふるさとに

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>移住前の10年間、フリーランスのディレクターとして、教育、美術、経済ドキュメンタリーのテレビ番組や映像コンテンツの制作をしていました。</p><p>また、地元である埼玉県の空き家を活用したアートイベントの企画運営を行ったり、様々な地域の方に取材させていただいた様子をアート作品にしたりと、好きなことでまちづくりに関わる中で、地域おこしに興味を持ちました。</p><p>新型コロナウィルスの流行も相まって、「自然豊かな環境で暮らしたい」「もっとまちづくりに関わりたい」「自分や周りの人やものを大切にしながら生きたい」と思い、全国の地域おこし協力隊を募集している自治体に足を運び、長野県伊那市に応募しました。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/06/8148a253--2023-03-13-16.43.29.png" alt="地域おこし協力隊の石田健祐さん"></p><h2>長野県伊那市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><ul><li>特色ある教育（学校林の活用、総合学習が盛ん）を実践していること</li><li>移住前の電話相談で地域の方が親身になって話をしてくれたこと</li><li>情報発信が積極的でオープンな自治体だと感じたこと</li><li>移住前に見学した際に見た景色が素晴らしかったこと</li><li>お酒や食べ物が美味しいところ</li><li>今までの経験やスキル（映像制作やイベント企画）が活かせると思ったこと</li><li>今後関わりたい教育に熱心な印象を持ったこと</li></ul><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/06/eb24eafe-dsc01005.jpg" alt="伊那市の地域おこし協力隊の皆さん"></p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><ul><li>「伊那西地域応援サポーター」として、伊那市西部地区の魅力をSNSや全戸配布の通信、作成したホームページなどで地域内外に広く発信し、移住定住の促進や空き家対策を行っています。<br><br>伊那西地区を紹介するホームページ「伊那西ものがたり」<a href="http://ina-nishi.com" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">http://ina-nishi.com</a></li><li>地域の中心的存在である伊那西小学校には学校林が隣接しており、森の中でも授業や行事を行っています。</li><li>「森の学び」を支えている地域の有志団体「伊那西地区を考える会」のみなさんと連携し、伊那西小学校の児童数増加や地域交流を目的としたイベントの企画運営なども行っています。</li><li>2021年には、学校林で信州大学の学生さんとコラボしたジャズライブを開催し、授業で作った枝のパチンコの的当てや、保護者の皆さんと作ったリースの輪投げ、伊那西ゆかりの景品が当たるジャンケン大会を行い、大盛況でした。</li></ul><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/06/c6cf1d6d-dsc06444.jpg" alt="アートイベントの参加者"></p><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>地域の方々・行政関係者・学校と深く関わり、様々な課題解決など、同じ目標に向かって活動ができることです。</p><p>例えば、児童数減少という課題を抱えている伊那西小学校ですが、地域の有志団体や行政や学校と連携しながら活動を続けてきたことで、近年は児童数が増加傾向にあります。目に見える成果が現れるとやりがいを感じます。</p><p>また、ふと出会った方々から「がんばってるね」と声をかけて頂いたり、イベントで「楽しかったよ」「またやってほしい」という感想を頂くと、やる気が出ます。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/06/17ef3c55-7つの地区、7つの表情.png" alt="伊那谷が見渡せる鳩吹城址"></p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>SNSや新聞掲載などで日々の活動を知ってくださっている地域の方から声をかけて頂いたり、移住希望者の方から「伊那西のことを教えてほしい」と相談があったりと、思いの外反響が大きく、驚きと喜びを感じます。</p><p>地域の方との呑み会で、「お前は仲間だ」と言ってくださった方がいて、お酒が入っていたこともあり、感動して嬉しくて号泣してしまいました。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>2023度から、協力隊をやりながら、通信制の学校で美術教師をしています。卒隊後も継続して「正解のないアート」を通して多様な価値観を伝えていきたいと思っています。</p><p>それに伴い、高校再編による将来活用として、子どもや若者の居場所づくりや、どこにもない学校づくりにも携わっていきたいと思っています。</p><h2>伊那市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>移住前、ある地域の方がとても親身になって地域のことを教えてくださいました。その方とは移住後も交流が深く、たくさんの関係者と繋げてくださったり、事あるごとに協力してくださいます。時には野菜をいただいたりもします。</p><p>2022年の秋に伊那西地域で自身のウェディングを行った際も、協力者を募るために、たくさんの地域の方々に声をかけていただきました。 地域の神社で、通常では行なっていない安産祈願もしていただきました。</p><p>伊那市の方たちは、地域愛が強く、あたたかい気持ちで迎え入れてくださる方々ばかりです。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/06/ee2f29db-1_dsc01037.jpg" alt="石田健祐さんの結婚式"></p><h2>伊那市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><ul><li>ふたつのアルプスに抱かれた自然豊かな環境</li><li>冠雪が残る山々を背に咲き誇る日本随一の桜</li><li>田植えの時期は一面がまるで海のようになる景色</li><li>寒暖差によって味濃く大きく育つ野菜と、それを使用した絶品パスタ「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」</li><li>伊那西地区横山の地域住民が育てる酒米でつくる純米吟醸酒「維者舎」</li><li>伊那谷が見渡せる鳩吹城址とそこから飛び立つパラグライダー「ASOBINA」</li><li>「森の学び」と「ICT教育」を実践する小規模特認校の伊那西小学校</li></ul><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住は大きな決断だと思うので、より多くの方に話を聞き、実際に足を運び、不安を少しでも和らげられると良いと思います。良い部分も、大変な部分も、移住前に知っておけると、移住後のギャップに困ることも少なくなります。</p><p>あとはフィーリングとタイミングなので、良き縁があることを祈っています！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong></p><p><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第55回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長野県伊那市の石田健祐さんです。

長野県伊那市の地域おこし協力隊、趣味・特技：映像制作・アート



石田 健祐

#55 10年間の映像制作のスキルを活かして長野県伊那市の魅力を全国に発信中！

住む場所が変わると生き方も変わる。
環境が変わると自身も変化し、人生までもが変わっていくーー。

都会の喧騒を離れて、地方で“自分らしい生き方”に憧れを抱く人は少なくないだろう。

しかし、いざ真剣に移住を考えると、移住に大きな期待を持つ反面、不安も計り知れない。

現実的に自分の思い描く理想の暮らしが実現できるのかーーー。

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けする。

第31回目の先輩移住者は、フルカイテン株式会社CEOの瀬川直寛（せがわ・なおひろ）さん。
EC事業で三度に渡る倒産危機を経験し、その過程で見つけ出した独自の在庫分析をシステム化。在庫分析SaaS「FULL KAITEN」の開発・提供を行っている。
2児の父でもある瀬川さんは、2022年10月、本社がある大阪を離れ、家族と共に長野県伊那市に移住した。移住の目的は「教育」。そこで今回は、瀬川さんが移住を決断した経緯や移住先での生活、そして、組織づくりにも通じるという“理想の教育のありかた”についてもお話を伺った。

出身地：奈良県、前住所：大阪府、現住所：長野県伊那市、職業：フルカイテン株式会社CEO

伊那市

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