移住者プロフィール
武藤 春香さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
茨城県常陸太田市の地域おこし協力隊、趣味・特技:サイクリング・登山
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
大学でリンゴ栽培について学んだことをきっかけに、日本の食を支える生産者になりたいと思いました。
果樹栽培の魅力は、同じ樹を何年にもわたって管理し続けられる点です。特に、枝を切る場所や肥料の種類などが生産者によって異なるため、樹形に個性が現れるところがとても面白いと感じています。
また、大学の講義を通じて、農業は生産者同士の協力や地域の方々の理解、さらには応援してくれるお客様など、多くの人に支えられて成り立っていることを知りました。その中で、「農家として地域のために何かできる存在になりたい」という思いが芽生えました。
こうした背景から、農業をミッションとする地域おこし協力隊に応募することを決めました。
茨城県常陸太田市を選んだ理由について教えて下さい。
農業に携わり、美味しいものを作って地元に恩返しをしたいという思いから、常陸太田市を選びました。常陸太田市は果樹栽培の歴史が深く、梨やぶどうの産地として多くの人々に愛されています。
特に、販売形態が直売を中心としている点が魅力的でした。地域には個性豊かな直売所が数多くあり、お客さんと直接コミュニケーションをとれるのが大きな魅力です。毎年応援してくださるお客さんと、期待に応えようと一生懸命な生産者との間には、強い絆があると感じています。
また、実家から近いことや、幼少期によく遊びに来ていた思い出深い地域であることも、この地を選んだ理由の一つです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
私の主な活動は、梨栽培の担い手として先輩の梨農家さんのもとで栽培や販売の研修を受けることです。季節ごとにさまざまな作業があり、1年を通して充実した日々を過ごしています。
春には人工授粉を行い、その後、摘果という作業で果実を厳選し、良いものだけを残します。8月から9月にかけては収穫と販売の時期で、1年の中で最も忙しい時期です。
収穫が終わると片付けや翌年の準備が始まり、剪定(枝を整理する作業)に取り掛かります。冬の間は剪定に加えて、棚に枝を誘引する作業をひたすら行い、春になればまた人工授粉から新しい1年がスタートします。
地域おこし協力隊のやりがいはなんですか?
地域の方々と直接関われることが、何よりのやりがいです。先輩農家の皆さんには、梨栽培の技術だけでなく、社会人としての振る舞いについても日々多くのことを教えていただいています。
何もわからなかった私が少しずつ梨農家としてのスキルを身につけてこられたのは、周囲の皆さんの支えがあってこそです。特に、就農する土地が決まってからは地域の方々との交流がさらに増え、ゼロから梨畑を作るという挑戦を温かく見守っていただいています。
農業以外では、賀詞交歓会や議会報告会に出席させていただく機会があり、地域の方々が多方面から地域貢献に尽力している姿に感銘を受けました。「地域をより良くするためにどうするべきか」を熱心に議論されている姿を見て、私も農業を通じてさらに地域に関わりたいという思いが強まりました。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
私の就農計画のために、多くの方が時間を割いて親身にサポートしてくださったことです。就農にあたっては分からないことばかりで不安でしたが、市役所や普及センターが何度も就農相談を実施してくださり、課題を一つひとつ解決しながら、就農までの道のりを明確にすることができました。
また、先輩農家の皆さんも親身になってアドバイスをくださり、さまざまな意見を聞くことで、自分に合ったやり方を模索することができています。多くの方々に支えられていることを実感し、心から感謝しています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
卒隊後は、市内で新規の梨農家として就農する予定です。畑には梨の苗木を定植し、約5年間の育成期間を経て収穫を開始する計画です。
苗木の育成期間中は野菜作りを並行して行い、生活費を確保しながら農業を続けていきます。就農前から、生産者と消費者の距離を縮めたいという思いがあり、協力隊の任期中には「ひまわりの種まきイベント」などを実施しました。
消費者に生産の現場を見てもらったり、作業を体験してもらうことで、農業の楽しさや大変さを共有し、農産物の価値や価格への理解を深めていただきたいと考えています。
就農後は、苗木の定植体験や摘果・剪定体験、梨のお花見イベントなど、地域と消費者をつなぐさまざまな取り組みを実施したいと考えています。
常陸太田市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
就農する土地の貸借契約が開始した際、ご近所への挨拶に伺いました。そのとき、皆さんが熱心に話を聞いてくださり、一人ひとりから応援の言葉をいただいたことがとても心に残っています。
借りた土地は耕作放棄地だったため、最初の草刈りは大変苦労しました。しかし、近隣の畑を耕作している方や、散歩で通りかかった方々が声をかけて励ましてくださり、その応援のおかげで頑張ることができました。
また、畑の近くにある空き家を取得し、将来的に作業場兼住まいとして活用する予定です。しかし、部屋の片づけや庭の管理が想像以上に大変で悩んでいました。そんな中、空き家の周囲のご近所の方々がさまざまなアイデアを出してくださったり、片づけを手伝ってくださったりしたことは、本当にありがたく、心強かったです。
常陸太田市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
私のおすすめは常陸秋そばです。あちこちにお蕎麦屋さんがあり、どのお店も美味しくて、いつも大勢のお客さんで賑わっています。竜神大吊橋をはじめ、歴史のある神社や爽快な田園など自然も豊かで、サイクリングもおすすめです。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
常陸太田市は頑張る人の挑戦をみんなが応援してくれる温かい地域です。たくさんの人がサポートしてくれるので自分がやってみたいことを実現するにはとても恵まれた環境だと思います。
きれいな水や気候にも恵まれ、野菜や果樹だけでなく酪農、畜産、有機栽培など多種多様な農業が営まれています。協力隊OBOGもたくさんいて、卒業後も地域活性化に前向きに取り組んでおり、新しい協力隊が来た際にはそれぞれの人脈を生かしてその人に合うやり方を見つけるお手伝いができると思います。
まずはぜひ一度遊びに来てみてください。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2