# 44 保育士の経験を活かして。長野県安曇野市の自然保育をブランディング

体験談

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。 自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。 地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。 ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。 地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください! 「地域おこし協力隊に聞きました!」第44回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長野県安曇野市の山本綾さんです。

地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。

私は地元大阪で約8年間(ボランティア時代も含め)「森のようちえん」の保育士として働いていました。 自然保育の学びを深めるうちに、自然の中で過ごすことで見えてくる、子どもの育ちに心惹かれ、日々子どもたちと向き合うことにやりがいを感じていました。

同時に大好きな「弾き語り」や「ベンガラ(泥)染め」など自分の持ち味をもっと表現したい、広げたいと思うようになり、今後、自然保育に携わりながら、自分の得意を活かし、子どもたちや周りにいる大人、そして自分自身にも良い循環を生み出せる方法はないか模索していました。

その中で出会ったのが「安曇野市地域おこし協力隊(自然保育ブランディング保育士)」でした。

 

長野県安曇野市を選んだ理由について教えて下さい。

他の自治体にはない「安曇野市の自然保育をブランディングする」という大胆かつ斬新な発想、信州型自然保育を市全体で推進する安曇野市の姿勢に大変魅力を感じました。

また、着任前に訪れた際に、この地で出会った人たちの人柄や生き方にも惹かれました。仕事と暮らしのイメージができたことで、安曇野市への応募を決めました。

 

地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。

  • SNSの発信
    「自然保育をブランディングする」という前例はありません。ブランディングするためには、まず安曇野市の保育現場で実際に行われている自然保育を多くの人に知ってもらうことが必要不可欠だと考えました。
    安曇野市内にある公立認定こども園、幼稚園、私立園(認可外保育施設)を訪問し、移住者かつ自然保育経験者の目線から見た各園の取り組みや子どもの育ちを市内外に「あづみの自然保育」のSNSアカウントで発信しています。
  • YouTubeの配信
    市独自の取り組みとして、2022年度から始まった「園庭ミニ田んぼ事業」に携わっています。活動内容がよりリアルに伝わるように、その様子を撮影、動画編集し、YouTubeで配信しています。
  • 得意を活かした活動
    各園を訪問して子どもたちと園庭で安曇野市の四季を感じながら弾き語りを行ったり、各園の土を使って染料を作り、子どもたち、保育士、保護者と一緒にベンガラ(泥)染めを実施するなど、自身の持ち味も生かしながら日々活動しています。

 

弾き語りをする山本綾さん

地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?

主に以下の4つにやり甲斐を感じています。

  • 自身の活動によって、市民の皆さんや園の子どもたち、先生方に喜んでいただけたとき。
  • 市職員の皆さんに応援していただけること。
  • 市の伝統や歴史、文化を知ることができること。
  • 活動中に多くの方とご縁ができ、そこから新しいことが始まるかもしれないというワクワク感。

 


地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。

前述したとおり「自然保育をブランディングする」というミッションには前例がなく、この事業に関わる人たちは自分も含め、より良い方法を日々模索しながら取り組んでいます。 前例がないこと、多くの人が関わっていることもあって、0から1を生み出し、継続していくことの大変さは想像以上でした。

だからこそ、協力してくださる方々、応援してくださる方々への感謝の気持ちが力になっていると感じています。

 

卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。

私の任期も残すところ1年半と、折り返しに入りました。現在は安曇野市を拠点にして、任期中に自分が取り組んだことを存分に活かせる働き方と、丁寧な暮らしができるといいなと考えています。

 

安曇野市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。

この土地で生まれ育った方々とお話をさせていただくと、安曇野の雄大な自然環境の中で育ったことに誇りを持っている人が多いと感じます。地元出身の市職員や保育士の皆さん、地元の農家さんなど出会う先々で「昔はこうだったんだ〜」とご自身が子どもだったときのエピソードを楽しそうに話す表情が印象的でした。

地域おこし協力隊の活動をする山本綾さん

安曇野市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)

安曇野市は、自分の生き方や考え方を持って楽しいことに挑戦する人が多く、お互いを尊重し協力し合える仲間に出会える魅力的な街です。

春夏秋冬、四季折々の美しい景色が広がり、五感で季節の移り変わりを感じながら暮らすことができます。
また、湧き水も美味しく、その水で育ったお米や野菜、果樹など、地元の農産物を日々味わうことができます。

市内には、それぞれの地区で異なる魅力があり、多様性を感じます。自然と共に暮らし、仲間と協力しながら様々な挑戦ができる街だと私は感じています。

 

移住を検討している方にメッセージをお願いします。

まずは安曇野市の暮らしを体験していただきたいです。可能なら1週間くらいがおすすめです。

私は移住前、4日間ほど滞在する中で出会った人たちとのご縁が、移住の決め手となりました。
そして、市内にある道の駅や素敵なカフェ、パン屋さん、温泉、美術館や図書館なども回ってみてください。

安曇野市は「ちょーどいい街」です。便利な商業施設、少し車を走らせれば、豊かな自然環境もあります。松本市までは車で30分~40分ほどで、安曇野ICも近く、安曇野を拠点にいろんな場所へ出かけられるのも魅力のひとつだと感じています。

是非遊びにいらしてください。

 

 

地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓

https://warp.city/features/2

 

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安曇野市

azumino

 雄大な北アルプスの風景が魅力です。水道水は100%地下水でその湧水が育むおいしい農産物、自然を生かしたアウトドアなども自慢です。  また、市内すべての認定こども園(公立)で「信州やまほいく」の認定を受けており、四季がはっきりした自然環境の中、こども達の生きる力を育みます。