移住者プロフィール
佐藤 慎吾さん
移住時期
2020年4月
出身地:帯広市、前住所:横浜市、現住所:北海道室蘭市、パナソニックITS株式会社勤務。
目次
INDEX
佐藤さんは室蘭出身ですか?
佐藤慎吾さん(以下、佐藤):北海道帯広市出身で、室蘭工業大学へ進学し、大学時代を室蘭で過ごしました。大学を卒業してパナソニックITS株式会社の本社のある横浜で18年間働き、室蘭へ帰ってきました。
どのような経緯で室蘭へ帰ることになったのですか?
佐藤:室蘭に来る3年前から、田辺社長(パナソニックITS株式会社代表取締役社長)に「地域課題解決をしたい」という想いがあり、横浜で活動を開始しました。横浜では車載システムの開発をやっていて、後半は地域課題解決にも関わっていました。
どこで活動しようか考えた時に、いくつか候補がある中で、もともと工業で栄えたまちで、国立大学の室蘭工業大学があり、技術で培われた風土がある室蘭に決まりました。室蘭は交通の要所で、弊社は車載関連の技術があるので、交通に関する技術を活かせると思いました。
当時、室蘭グリーンエネルギータウン構想が国土交通大臣賞を受賞したり、室蘭はオープンデータを推進していて、特にGIS(地理空間情報システム)のデータを先進的に公開していました。そういった技術のベースがあったことで、「地域課題解決の活動を室蘭でしよう」と決めました。その時に、社内で公募がありました。
今、室蘭のオフィスにいるのは、皆、北海道出身で、縁が強いメンバーです。皆が「北海道を良くしたい」という想いから希望して、2020年4月、室蘭にオフィスを開設しました。
室蘭のお気に入りの景色はありますか?
佐藤:今も昔も、夜景がものすごく綺麗なところです。天気が良いときは、講義の合間に「地球岬」や「イタンキ浜」、「トッカリショ」へドライブによく行ったものです。特に目的もなくイタンキ浜に行って、海を眺めるということもやっていました。室蘭以外から来た人が「室蘭は海も近くて、スキー場も近くて、温泉まで近い。
良いところですね」と、言ってくれて、こちらの方が室蘭の良さを気づかせてもらうことがあります。久しぶりに室蘭帰ってきましたが、風光明媚な観光資源はまったく変わらずに、当時と同じように良いところだと感じています。
佐藤さんが思う、室蘭の魅力を教えてください
佐藤:「室蘭は海産物が美味しい」と、あまり知られていないように思いますが、本当に食べ物が美味しいところです。ウニやホタテも美味しく、首都圏と比べたらものすごく安く食べることができるので、もっと知ってほしいですね。室蘭は。
道の駅に温泉(むろらん温泉ゆらら)もあり、登別温泉もとても近く、気軽に温泉に行くことができます。ゆっくりできることも魅力ですね。
室蘭の人口は1970年の16万人をピークに減少し続け、年々人口減少が進んでいます。今後、日本に、世界に訪れる課題が、室蘭ですでに起き始めていることを、どう捉えていますか?
佐藤:室蘭は、世界の中でも「課題の最先端」だと思います。18年前よりも交通量が減っていて、繁華街である中島地区は当時以前より人が減ったように感じます。
市役所と一緒に、「高齢福祉に関するテーマ」にも取り組んでおり、地域の高齢者の方々と会話をすると、今まさに様々な課題に直面しています。これから日本全国で起きる課題が、室蘭はすでに見えていて、発生していることは「大きな価値」だと考えています。
それを今、一緒に解決しようということで、まず「廃棄物回収の改善」や、MaaSをはじめ「公共交通への取組み」を行っています。市民の方達も感じている課題があり、今、取組みが進められています。室蘭は最新の課題と対峙でき、そこに最新の技術で対応していけるという、大きな価値を感じる土地です。
室蘭で見つけた仕組みを他の地域にも活かせると思いますか?
佐藤:室蘭に似ている港まちなどでは、そのまま活用できると思いますし、日本全国の地方都市へも展開できると思います。まずは室蘭で取組みを進め、胆振地域、北海道、そして日本全国に展開していきたいです。
現在行っている取り組みを教えてください
佐藤:一緒にまちを作っていくというイメージは必要だと思っています。昔、室蘭は、裕福なまちでしたが、これからの室蘭は、皆で協力して、進んでいくことが必要になってきていると思います。高齢者も、若い世代も、大学生も一緒に課題に向き合い、一丸となって解決していくことが必要です。
そのため、室蘭工業大学の講義に参加し、学生と一緒に地域課題について考えることも行っています。そういった「共に考える文化」を作っていくことが重要だと感じています。まち全体で助け合うことを、パナソニックITSでは「技術を軸にして」貢献していきたいです。
パナソニックITS株式会社