<h2 id="section-1">珠洲市について</h2><h3 id="section-2">珠洲市の概要</h3><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/08/22/atsBo9XYMT_eRBYmyz2P4/5Px5n5aSwXGBg3dF6iCw3.webp"/><figcaption>2023年6月30日現在</figcaption></figure><p>珠洲市（すずし）は、日本海に突き出た能登半島の最先端に位置する、人口約13,000人の本州で一番人口の少ない市です。「能登半島のさいはて」というだけあり、石川県の県庁所在地・金沢市から車で2～3時間かかる、決して交通の便がいいとは言えない土地です。だからこそ、「ホンモノの田舎である」「なにかできそうな余白がある」ことに魅力を感じて移住する20～30代の若者が近年増えてきています。</p><h3 id="section-3">珠洲市の地理（内浦と外浦、10地区、集落）</h3><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/9796394c-3.jpg" alt=""/></p><p>半島の先端に位置する珠洲市は三方を海に囲まれており、禄剛崎を境に、富山湾に面した沿岸部を「内浦（うちうら）」、日本海に面した沿岸部を「外浦（そとうら）」と呼んでいます。波穏やかで生活に便利な「内浦」とダイナミックな景色広がる「外浦」、同じ沿岸部でも、内浦と外浦では風景や気候が大きく異なります。そのどちらにも簡単にアクセスできるのが、半島の先端である珠洲ならではの魅力です。</p><p><strong>≫</strong><a href="https://sutto-zutto.com/uchiura_sotoura/" rel="noopener noreferrer"><strong>あなたならどっち？「内浦」と「外浦」</strong></a></p><p>市内は大きく10の地区に分かれており、その中でさらに集落に細分され、その数なんと161。それぞれに区長さんがいて、区費を集めて自治運営しています。集落単位で、草刈りや海岸清掃などの地域の保全活動をしたり、お祭りをしたりしていて、地域活動の内容やルール、コミュニティの親密さは集落によって様々です。珠洲市と一口に言っても意外と広く、様々な地域があるので、自分にはどのような地域があっているのか、移住担当もお手伝いしますので、じっくり考えながら移住先を探しましょう。</p><h3 id="section-4">珠洲市までのアクセス</h3><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/61e010a8-4.jpg" alt=""/></p><p>東京方面からは飛行機を使えば意外とアクセスがよく、羽田空港から「のと里山空港」まで1日2往復運航しており、飛行時間はわずか1時間です。新幹線等で金沢までいらっしゃれば、珠洲行きの特急バスが出ています。ただし、本数が限られるため、事前にダイヤを確認して、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。実際に珠洲で生活するとなれば、マイカーは必須。生活に欠かせない車移動の距離・時間の感覚をつかむには、ご自身で運転してみるのが一番なので、移住希望の方は自家用車やレンタカーでお越しになるのをおすすめします。飛行機やレンタカーをご利用された方は、お得な助成制度もございます。</p><p><strong>≫</strong><a href="https://sutto-zutto.com/access/" rel="noopener noreferrer"><strong>珠洲までのアクセスとお得な助成制度</strong></a></p><h3 id="section-5">移住相談は「すず里山里海移住フロント」へ！</h3><p>石川県珠洲市の移住支援団体「すず里山里海移住フロント」は、珠洲市への移住を希望する方のためのワンストップ窓口です。オンラインでのご相談から、現地でのお住まい・お仕事探しまで、ご希望にそった暮らしができるよう最大限サポートします！お気軽にお声がけください。</p><ul><li><strong>オンライン移住相談</strong>を随時受け付けています！</li><li><strong>空き家バンク</strong>登録件数は約 80 軒！物件の案内や契約は地元の宅建組合がサポート！</li><li><strong>3 年間最大半額</strong>の家賃補助制度や、空き家バンクの物件を購入・改修される方へ<strong>最大 100 万 円の補助</strong>など、住まいに関する手厚いサポートも！</li><li>ご希望に沿った<strong>オーダーメイドの現地案内</strong>！</li><li><strong>移住サポーター</strong>の先輩移住者や地元住民も親身になって相談対応！</li></ul><h2 id="section-6">珠洲市の魅力</h2><p>珠洲市は、世界農業遺産に認定されている豊かな里山里海の原風景や文化を色濃く残しながらも、「奥能登国際芸術祭」やSDGs（持続可能な未来に向けたまちづくり）など、先進的な取り組みに挑戦する、なつかしくて新しいまちです。</p><h3 id="section-7">伝統産業</h3><p>珠洲市には、江戸時代から日本で唯一受け継がれてきた「揚げ浜式製塩法」、埋蔵量日本一の珪藻土から作るコンロ、能登杜氏による酒づくり、素朴な灰黒色が美しい珠洲焼など、地域資源を活かした多くの生業が今も根付いています。移住者の中には、こうした伝統産業の担い手となっている方もいます。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/d191ed9b-5.jpg" alt=""/><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/b9e8f93b-6.jpg" alt=""/></p><p><strong>≫</strong><a href="https://sutto-zutto.com/suzuware/" rel="noopener noreferrer"><strong>珠洲焼ー500年の時を経て甦った「幻の古陶」</strong></a></p><p><strong>農林水産業と深く結びついた文化・祭礼</strong><br/>夏から秋にかけて市内各地でキリコと呼ばれる燈籠が集落を練り歩く「キリコ祭り」や、田の神様に感謝する神事「あえのこと」など、農林水産業と深く結びついた文化・祭礼が継承されています。中でもキリコ祭りは「盆や正月に帰ってこられなくても、キリコ祭りには帰ってこい」と言われるほど、能登の人々にとっては特別な祭礼です。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/52f65234-7.jpg" alt=""/><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/7ede85eb-8.jpg" alt=""/></p><p><strong>≫</strong><a href="https://sutto-zutto.com/matsuri_gaiyo/" rel="noopener noreferrer"><strong>珠洲のお祭り</strong></a></p><h3 id="section-8">先進的な取り組み、続々と</h3><p>珠洲市では、伝統文化と最先端のアートが響きあう3年に1回の「奥能登国際芸術祭」や、大学と連携して豊かな里山里海を守り活かす若手人材を育てる「能登里山里海SDGsマイスタープログラム」、SDGsの実現に向けた取り組みなど、新しい取り組みにも積極的に挑戦しています。そうした動きに呼応するように、近年では移住者を中心として、地域資源を生かして新たな価値を生み出す取り組みが各所で起こり始めており、今後ますます目の離せないまちになっています。</p><p>≫<a href="http://oku-noto.jp/" rel="noopener noreferrer">奥能登国際芸術祭</a><br/>2017 年から開催されている 3 年に 1 度のアートの祭典。 会期中は、市内一円に作品が点在し、色々なイベントも行われます。 <br/>≫<a href="https://www.crc.kanazawa-u.ac.jp/meister/" rel="noopener noreferrer">能登里山里海 SDGs マイスタープログラム</a><br/>金沢大学などと連携した社会人向けの地域人材育成プログラム。幅広い観点から能登の里山里海 の現状と課題、可能性を学び、能登を中心とした地方創生や地域活性化に向けた活動を実践でき る知識・能力を習得します。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/39560029-2.jpg" alt=""/><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/12/4176333a-9.jpg" alt=""/></p><h2 id="section-9">暮らしのFAQ</h2><p><strong>住まいに関して</strong></p><h3 id="section-10">住まいはどのようにして探せばいいですか？</h3><p>大きく分けて3つの方法があります。一軒家をご希望の方は①「空き家バンク」から探す、すぐにでも移住したいという方は、②市営の賃貸住宅や、③民間アパートから探すという方法があります。詳しくはこちらのページをご覧ください。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/sumai_sagashikata/" rel="noopener noreferrer">すまいの探し方</a></p><h3 id="section-11">空き家はありますか？</h3><p>空き家はとても多いです。そのなかでも、借りたり買ったりできる空き家は、「珠洲市空き家バンク」で紹介しています。空き家バンクには常時80件程度の公開物件がありますが、すぐに住めるような状態のいい賃貸物件は非常に少ないです。所有者の荷物が置いたままであったり、トイレや風呂が古くて使えないケースが多いです。賃貸の場合、家賃の相場は3万円～5万円くらいです。リフォームに想像以上のコストと時間がかかる場合がありますので、余裕を持ったスケジュールと予算を確保しましょう。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/category/suzu-sumu/sumaisearch/" rel="noopener noreferrer">すまい検索（珠洲市空き家バンク）</a></p><h3 id="section-12">移住者向けの補助金はありますか？</h3><p>市内の賃貸住宅にお住まいのU・Iターン世帯に対し、最大3年間の家賃補助があるほか、空き家バンク登録物件を購入した方や賃借した方を対象に、空き家購入費補助金、改修費補助金などがあります。</p><p>≫<a href="https://sutto-zutto.com/yachin_hojo/" rel="noopener noreferrer">珠洲市移住定住促進補助金</a> <br/>市内の賃貸住宅等に入居するＵ・Ｉターン世帯に対して、家賃の一部を補助します。 <br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/akiya_konyuhi_hojo/" rel="noopener noreferrer">珠洲市空き家購入費補助金</a><br/>市内の空き家バンク登録物件を購入した方を対象に、物件の購入経費の 1/3、上限 100 万円 （子育て世帯の場合、上限 150 万円）を補助します。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/akiya_kaishuhi_hojo/" rel="noopener noreferrer">珠洲市空き家改修費補助金</a><br/>空き家バンク登録物件を改修する買主・借主・貸主の方を対象に、物件の改修経費の 1/2、上 限 100 万円（子育て世帯の場合、上限 150 万円）を補助します。</p><p><strong>暮らしに関して</strong></p><h3 id="section-13"><strong>スーパーやコンビニはありますか？</strong></h3><p>市街地に大型スーパーが3軒あります。他に、コンビニが4軒、ドラッグストアが4軒ありますが、全て内浦エリアに集中しています。外浦にもちょっとした食料品や日用品を取り扱う小さな商店はいくつかありますが、大型スーパーやドラッグストア、コンビニはないので、買い物をするには車で20~30分かけて内浦まで出る必要があります。</p><h3 id="section-14">病院はありますか？</h3><p>市街地に珠洲市総合病院があります。それ以外にも市内の内浦エリアには、内科や皮膚科、歯医者などが点在しております。<br/>≫<a href="https://www.city.suzu.lg.jp/site/suzuhp/index.html" rel="noopener noreferrer">珠洲市総合病院</a></p><h3 id="section-15">雪は積もりますか？</h3><p>積雪の多い1月～2月には、山側の最深部で1メートル、海側で30センチ程度積もるときもあります。道路は除雪されますが、家の玄関から道路までは自分で除雪しなければなりません。</p><h3 id="section-16">車は必要ですか？</h3><p>路線バスはありますが本数が少ないです。徒歩圏内にスーパーやコンビニ、病院のあるエリアが少ないので、多くの人が車を所有しています。２WDの人もいますが、冬の運転を考えると４WDの方が安心だと思います。</p><h3 id="section-17">インターネットは使えますか？</h3><p>市内全域で能越ケーブルネットの光回線が整備されています。NTTのフレッツ光は市街（電話の局番が82局の地域）地のみ使用できます。<br/>≫<a href="https://www.cnh.ne.jp/suzu/" rel="noopener noreferrer">能越ケーブルネット｜珠洲エリア</a></p><h3 id="section-18">引っ越し後の挨拶はどうすればいいですか？</h3><p>まずは区長さんに挨拶をしましょう。必要に応じて移住担当も同行します。その後、区長さんに聞きながら、班長・組長やご近所さんのところへ訪問すると良いでしょう。</p><h3 id="section-19">移住者はどれくらいいますか？</h3><p>年間70~80名くらいで、近年は増加傾向にあります。特に20~30代の方が多く、最近は子育て世帯の移住も増えてきています。</p><p><strong>仕事に関して</strong></p><h3 id="section-20"><strong>仕事はありますか？</strong></h3><p>選り好みしないようであれば、求人は常時100件ほどの正社員募集があります。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/shigoto_sagashikata/" rel="noopener noreferrer">しごとの探し方</a></p><h3 id="section-21">移住者はどんな仕事をしていますか？</h3><p>地元企業や農林水産業の担い手として活躍する人もいれば、自ら仕事を創る人、様々な仕事をかけ持つ人、移住前の仕事をリモートワークで続ける人などもいます。</p><p><strong>子育てに関して</strong></p><h3 id="section-22"><strong>保育所に子供を預けられますか？</strong></h3><p>市内には幼児教育・保育のどちらも可能な認定こども園が3か所あり、すべて市立です。2023年4月に5か所が統合し、市の中心部に新しい認定こども園ができました。<br/>入所申込期間（前年度の10月）に申込をしておかないと、年度途中での入所できない場合がありますのでご注意ください。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/school/" rel="noopener noreferrer">珠洲市内の保育所・学校について</a></p><h3 id="section-23">学校はどれくらいありますか？</h3><p>市内に小学校が７つ、義務教育学校（小中一貫）が２つ、中学校が２つ、高校が1つあります。<br/>≫<a href="https://sutto-zutto.com/school/" rel="noopener noreferrer">珠洲市内の保育所・学校について</a></p>

身近な里山里海からの恵みを分かちあう、なつかしい暮らしがここにあります。
里山里海の新しい価値をカタチにする、日本や世界とつながる若い力がここにあります。
なつかしくて新しいこのまちで、自分らしい暮らしをはじめてみませんか？

珠洲市

石川県

中部地方

珠洲市（すずし）は、日本海に突き出た能登半島の最先端に位置する、人口約11,000人の本州で一番人口の少ない市です。
世界農業遺産に認定されている豊かな里山里海の原風景や文化を色濃く残しながらも、「奥能登国際芸術祭」やSDGs（持続可能な未来に向けたまちづくり）など、先進的な取り組みに挑戦する、なつかしくて新しいまちです。
半島の先端という、決して交通の便がよいとは言えない場所ですが、だからこそ、「ホンモノの田舎である」「なにかできそうな余白がある」ことに魅力を感じて移住する20～30代の若者が近年増えてきています。

珠洲市（すずし）は、石川県の北東部、能登半島の先端に位置する市。

■珠洲市移住定住促進補助金
市内の賃貸住宅等に入居するＵ・Ｉターン世帯に対して、家賃の一部を補助します。

※詳細は珠洲市HPへ

■珠洲市空き家購入費補助金
市内の空き家バンク登録物件を購入した方を対象に、物件の購入経費の1/3、上限100万円（子育て世帯の場合、上限150万円）を補助します。

■珠洲市空き家改修費補助金
空き家バンク登録物件を改修する買主・借主・貸主の方を対象に、物件の改修経費の1/2、上限100万円（子育て世帯の場合、上限150万円）を補助します。

※詳細は珠洲市HPへ

■珠洲市若者定住促進支援事業
珠洲市では、新規学卒者及び満40歳以下のU・Iターン者を対象に市内共通商品券（3万円相当）を交付しています。また、対象者の意見をまちづくり施策に反映するため、市長を囲んでの意見交換会も実施しています。
■仕事場創業・拡大支援助成金
珠洲市の地場産業及び地域を活性化させる効果の高いビジネスモデルの創業又は雇用拡大を伴う増設への支援を行っています。

※詳細は珠洲市HPへ

■珠洲の子育て支援
・待機児童ゼロ
・保育所の認定こども園への移行率１００％
・保育料の軽減
・すべての認定こども園で延長保育・一時保育を実施
・0〜18歳までのお子さんの医療費無料
・ひとり親家庭等への医療費助成あり（所得制限あり）

※詳細は珠洲市HPへ

ワープシティ公式

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けしています。

第77回目の先輩移住者は、第54回目でご紹介した、石川県珠洲市でコワーキングスペース兼ビジネス交流拠点「OKNO to Bridge（奥能登ブリッジ）」を運営する伊藤紗恵さんです。今回は、珠洲市出身の共同創業者である橋本勝太さんにも、ご一緒にお話をうかがいました。

2024年1月1日に発生した能登半島地震の被害を受け、建物が「全壊」の判定となった奥能登ブリッジ。活動の立て直しのため、一時的に金沢へと拠点を移したお二人は、3月に「OKNO to Bridge 金沢」を立ち上げました。

首都圏と奥能登の人と場所をつなぎ、奥能登復興への道筋を描こうとしているお二人に、地震発生後の状況や金沢拠点の立ち上げの経緯、そして、復興に向けた想いをうかがいました。

※取材は、2024年4月11日に行いました。

出身地：東京都、現住所：石川県珠洲市

伊藤紗恵さん・橋本勝太

能登半島地震で“全壊”の「奥能登ブリッジ」。新拠点から考える復興への道筋

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けしています。

第75回目の先輩移住者は、2024年元旦に発生した能登半島地震の被災地となった石川県珠洲市で地域おこし協力隊として働いている森田貴志さん。

自然豊かな地方での暮らしを求めて、2022年12月に妻と1歳の娘と共に移住しました。

兵庫県西宮市出身の森田さんは、幼少期に阪神淡路大震災で家が倒壊し、石川県に一時避難していた過去を持ちます。

先が見通せない状況の中、一人、珠洲市に残り「自分にできること」を模索している森田さんに、珠洲市に移住するまでの経緯、震災後の珠洲市の状況や今後の活動について、お話を伺いました。

※取材は、2024年4月3日に行いました。

出身地：兵庫県西宮市、前住所：東京都、現住所：石川県珠洲市、職業：地域おこし協力隊

森田貴志

移住先を襲った能登半島地震。珠洲市の地域おこし協力隊員が模索する「今自分にできること」

<h2>はじめに</h2><p><span style="color:black;">私が住む珠洲市では、令和６年１月1日に最大震度７の大地震が発生し、復旧復興活動が続いております。ライフライン（水道）は一部地域を除いて未だ復旧しておらず、家屋は住宅を含む建物全体で３割超が全壊という被害を受けています。</span></p><p><span style="color:black;">（3/15現在）</span></p><p><span style="color:black;">現状、移住をおすすめすることは難しいですが、少しでも多くの人に珠洲や奥能登に興味を持っていただき、関わる人を増やしていきたいです。</span></p><p><span style="color:black;"><mark class="marker-yellow">「きっと、いいまちになる。だって、いいまちだから」と希望をもち続けて。</mark></span></p><h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>行政や地域のことを深く知ることができると考え応募しました。当時、将来は自然豊かな土地に住み、友人と会社を作り、家族と人間らしい暮らしがしたいと考えていました。</p><p>いわゆる地方にはどのような課題があり、何が求められているのかを知る必要があると考え、地域おこし協力隊での働き方を検討しはじめたのがきっかけです。珠洲に移住することを先に決め、地域おこし協力隊の募集があったので迷うことなく応募しました。</p><p>市民の方とよく交流ができており、地域を知るにはとても良い選択だったと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/10/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Cx2CG55feYq1vDKrJzU5W.webp"></figure><h2>石川県珠洲市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>移住の決め手って複合的なので、はっきりとこれが理由ですとは言えないのですが、しいて言うなら「雰囲気」です。</p><p>移住先を決めるため、家族三人で関東、甲信越、四国、関西を回りました。そして妻と「移住先どこがいいかな。」と話したときに、「珠洲！」と意気投合したので、もうこれは珠洲しか無いんじゃないかと思い、もう一度訪れることにしました。</p><p>自然があり、町がきれい。</p><p>総合病院やスーパー、コンビニ、ホームセンターまで一通り整っていて安心感がある。</p><p>会話を交わす人々からは暖かさが伝わってくるし、芸術祭やSDGｓへの取組みなど、感度の高い施策をしている。若い世代の移住者も増えていて、他の市町村と比較して、自分たちが「ここに来てもいい感」があり、雰囲気の良さを感じました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/10/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/lBgtJdshmbhv8gMt1L62_.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>「子育て・教育の魅力向上を通じた移住・定住の推進」が業務内容です。</p><h3><strong>U・Iターン相談窓口</strong></h3><p>移住相談をワンストップで受付し「住まい」「仕事」「子育て」等のテーマに応じた対応をしています。相談者が移住後のイメージを持てるよう、まちなかをご案内し、住まいや学校を見てもらうなど、その人に合った対応をすることで、信頼できる相談者になれるよう努めています。</p><h3><strong>住みやすい居住環境の充実</strong></h3><p>空き家所有者の相談窓口となり、空き家バンクの登録受付業務を行っています。近年、移住者は増加し住まいが不足する一方で、空き家は増加しており、ミスマッチが起こっています。</p><p>そんな最中に、地震が発生したため、まずは空き家バンクに登録のある物件の状況確認を行っております。</p><p>今後、利用可能な物件があれば、市民の方（例えば所有者の親族、知人など）が利用されるのか、移住される方にご利用いただくのか先は見えないですが、今後の住まいの在り方（建てる場所や構造を含め）を考えるフェーズに直面しています。</p><h3>子育て・教育の魅力向上</h3><p>里山里海を活かした自然体験や、子どもたちの主体性を活かした探究学習など、学び合いの機会づくりを促進しています。現在は年に数回実施する程度ですが、今後は自然体験や探究学習企画の実践に興味のある方や、市内の保育園・小中学校・高校と連携して機会づくりに取り組んでいきます。</p><h3>その他</h3><p>復旧復興対応を続けております。<br><br>2023年5月　最大震度６強となる令和５年奥能登地震が発生<br>2024年1月　最大震度７となる令和６年能登半島地震が発生</p><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>※以下、震災前後（令和６年１月前後）の時系列に分けてお話いただいています。</p><p><strong>震災前</strong></p><p>まだよく分かっていません。<br><br>人との出会いだったり、まちの課題について考えることだったり、業務自体に面白さは感じています。市役所に帰属し、会計年度任用職員として勤務するタイプの地域おこし協力隊なので、行政でしかできないことを考え、実行するのが「やり甲斐」につながるのかもしれませんが、まだイマイチ実感できていません。<br><br>やっと暮らしにも慣れてきて、日々の生活の中で色々な経験をして、まわりの人から知識や知恵を学ぶこと自体が今のやり甲斐な気がします。</p><p><strong>震災後</strong></p><p>わたしは兵庫県西宮市出身でして、３歳のころ、最大震度７の阪神大震災によって被災し、家を失いました。仮設住宅に入るまでの間、母の実家である石川県小松市に二次避難し、数か月を過ごしました。幼いながらも鮮明に覚えており、自分の最も古い記憶が発災直後の記憶です。</p><p>そして今、最大震度７の地震が発生した珠洲市に住み、地域おこし協力隊として働いており、妻と２歳の娘が金沢に二次避難している。あぁ、これはもう、運命なんだなと。だからこそ復旧復興対応にやり甲斐を感じるし、頑張りたいです。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>地域おこし協力隊というだけでなく、市役所職員という立場で業務できたことがいい意味で想定外でした。</p><p>5月の地震では、復旧に向けて公共施設の確認、避難所開設準備、被災した家屋の調査や罹災証明・給付金の窓口対応など、様々な活動を経験しました。市のこと、地域のこと、市民のことを知るにはとても貴重な経験でした。</p><p>また、奥能登国際芸術祭2023（9/23～11/12）が開催され、芸術作品の作品制作やメンテナンス、会場受付業務などを経験し、作品のみならず、まち全体でビックイベントを行う熱気を肌で感じました。</p><p>そして令和6年1月に発生した能登半島地震。5月の地震とは比較にならないほどの甚大な被害で、物資の荷受け・移送作業、避難所開設や片付け、二次避難の対応などを行っています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>卒隊後については、まだ考え中です。この先数年は震災復旧復興が続きますので、タイミング次第で必要なことは変わると思いますが、ここに住む人が、安心安全な暮らしをおくることができるよう、お手伝いできればと考えています。</p><h2>珠洲市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>珠洲の人の印象は結構バラバラで一概に言えないというのが印象です。</p><p>市内は10地区に分かれており、さらに細分化すると約160の集落に分かれます。地区ごとに風景も文化も違うし、人の印象も違う気がするのです。</p><p>震災の復興対応をするうちに、多くの市民の方と話しました。この地区はこんな雰囲気の人が多いなと感じることもあり、少しずつ珠洲の人の雰囲気が分かってきました。</p><p>なるほど、元々多様性に溢れている土地だから、自分も「ここに来てもいい感」を感じたのだと腑に落ちました。</p><h2>珠洲市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>珠洲は、自然とともに生きる人々の営みや伝統文化が受け継がれ、奥能登国際芸術祭やSDGsへの取組みなど新しいことへも挑戦しているまちです。</p><p>個人的に思うのは、やはり、珠洲は「人が」魅力的だということです。</p><p>珠洲市は人口約12,000人で、高齢化率は50％を超えています。都会に比べてひとり一人の役割が非常に大きい。それでいて、なんだか珠洲の人からは懐の深さを感じるのです。この土地柄や文化、続いてきた営み自体が、豊かで多様性のある、生きる力の強い人を育むのかなと考えさせられました。</p><p>そんな人たちが住んでいることが一番の魅力です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/10/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/t9uiaaRhimmszIEtm1Imo.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>今はすぐ住めるような住まいもないため、移住を促進できません。</p><p>しかしながら、例えば、ボランティア等のお手伝いで来てもらうことはできるかなと思います。今後の復旧復興フェーズごとに、色んな人に関わっていただきたいです。</p><p>こちらを読んで下さった皆様、それぞれの立場でできることがあると信じています。何か気になることがあれば、いつでもご相談ください。</p><p>珠洲について興味を持っていただけたなら、まずは、<a href="https://sutto-zutto.com/" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">珠洲発・暮らしのウェブマガジン「すっとずっと」</a>をご覧ください。&nbsp;</p><p>移住は大きな決断かと思います。</p><p>人それぞれ目的は違うと思いますが、きっと理想の暮らしを実現するために移住をするのだと思います。移住後の生活イメージをできる限り鮮明に持てると良いですよね。</p><p>いつか住む土地で地震が起こるかもしれません。<br><br>でも、そんなとき、だからこそ、自分自身が選んだ土地で、家族や仲間と楽しく暮らす人生を選んでみてはいかがでしょうか。</p><p>私は、そんな理想の暮らしを、少しでもお手伝いできるような、家族や友人以外の信頼できる相談相手になれるよう、今後も移住定住推進担当として頑張ります。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第88回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、石川県珠洲市の森田貴志さんです。

石川県珠洲市の地域おこし協力隊、趣味・特技：銭湯・旅行・漫画・コーヒー・象使い

#88 多様性に溢れる石川県珠洲市。"生きる力の強い人"を育む珠洲市の魅力

住む場所が変わると生き方も変わる。

環境が変わると自身も変化し、人生までもが変わっていくーー。
都会の喧騒を離れて、地方で“自分らしい生き方”に憧れを抱く人は少なくないだろう。

しかし、いざ真剣に移住を考えると、移住に大きな期待を持つ反面、不安も計り知れない。

現実的に自分の思い描く理想の暮らしが実現できるのかーーー。

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けする。

第54回目の先輩移住者は、2023年7月、石川県珠洲市にビジネス交流・キャリア支援の拠点となるコワーキングスペース「OKNO to Bridge（奥能登ブリッジ）」を開業した東京都出身の伊藤紗恵（いとう・さえ）さん。

1983年生まれ。大学卒業後、大手保険会社の人事部に勤務するかたわら、20代で二人の子どもを出産。産休と育休を繰り返し、20代のキャリアにコンプレックスを抱えていたという伊藤さんは、30代を迎え、転職や人との出会いをきっかけに働くことの楽しさを発見していく。

2023年5月、母方の実家がある珠洲市に移住。「働くことで幸せになる」が人生のテーマだと話す伊藤さんに、移住にいたった経緯や奥能登での取り組み、仕事との向き合いかたなどについて、詳しくお話を伺った。

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