移住者プロフィール
土居 直毅さん
移住時期
2015年
出身地:三重県伊賀市、前住所:東京都、現住所:京都府南山城村、職業:料理人
目次
INDEX
なぜ美味しいちゃんこが作れるんですか?
土居直毅さん(以下、土居):実家が和食料理屋(現在はそば屋)でした。ある日、常連の社長さんが、62代横綱大乃国が相撲部屋を構えた頃、そこへ来てくれたんです。私は食いしん坊で体も大きいし『力士をやってみないか』と、声をかけていただいて。父からも、『東京に出たら頑張れよ』といった感じで言ってもらって、自然と作れるようになりました。
元力士なのですね
土居:そんなご縁もあり力士になることを決断し、中学を卒業する直前の2月に東京の相撲部屋へ入門しました。部屋では新弟子が料理を作らないといけなくて、美味しくないと親方に怒られるんですよね。その他にも本で学ぶなど、独学でいろいろな料理を習得しました。
村のイベントなどで料理するようになったきっかけは?
土居:南山城村はイベントも多く面白いんです。それで自分も何か村に貢献できることはないかなと思っていたんです。あるとき周りに「相撲取りやってました」と言うと、『じゃあちゃんこ鍋作って』と言われたんです。それで作ってみたら好評でした。それ以来、村内各地で求められると作るようになりました。
なぜ、南山城村に住もうと思ったんですか?
土居:怪我をきっかけに23歳で力士を引退しました。その後、伊賀市の実家に戻って何年か過ごした後に、一人暮らしをしようかと思うようになりました。その頃、村に住んでいた母方のおばあさんが亡くなって・・・。家も空いてるし、人が住まないとボロボロになります。
ちょうどいいんじゃないかということで、自然な流れでした。子どもの頃からお盆や正月などには、しばしば村に来て地域の人たちと関わっていました。移住した当初も「どうしたん、久しぶりやねー」という感じでよくしてもらいました。
村のよいところはなんですか?
土居:ひとつは野菜が美味しいところです。他には、サツマイモの蔓(つる)の見つけ方を教えてもらったり、さば寿司の作り方についても詳しく教えてもらいましたね。自分は巻いて作っていましたが、村では押して作るとか、そういう違いを知るのも面白いです。他にもこんにゃくも美味しいです。あと、村周辺に最近カフェがたくさんできました。
田舎だとカフェの店主さんやお客さんと仲良くしゃべれるのが魅力なんです。そこでの情報がまた面白かったりします。あそこはイノシシが美味しいよとか、ここで山菜が取れるよとか。ときには『今日は松茸がとれたから松茸うどんだー』なんて、裏メニューが飛び出したりもします。
今後、村でしたいことは?
土居:その月でないと取れない食べ物ってありますよね。冬だったらみんなで鍋を食べながら喋るというのも楽しいと思います。春は新芽の季節だから山菜が美味しいし、夏は近くの河原でバーベキューなんていいですね。
自分の得意分野である「食」を通じ、季節ごとの食を楽しみながら、いろんな人が集う機会を設けていきたいと思っています。また、料理で自分が知ってることは教えるし、逆に知らないことは教えて欲しいです。仲間内で共有したらお互いの知識になるし、仲良くなれると思います。