移住者プロフィール
里 ロビンさん
移住時期
2010年
ロンドン生まれ大阪育ち、前住所:ドイツ・ベルリン、現住所:京都府南山城村、ミュージシャン
移住のきっかけは?
里ロビンさん(以下、里):日本に帰国して少しだけ東京に滞在しましたが、「ここでの生活はしんどい」と思っていました。東京にいた方が仕事も多いし、効率もいいのですが、“自分の中にある充実感”や“音楽の本当の楽しさ”は、南山城村にいる方がずっと大きく感じることができています。
また、ランニングコストが低い分、フットワーク軽く動けることも、ここでの暮らしの魅力です。
都市部の喧騒から逃れて、村に帰ってのんびり過ごしたり、無理のないペースが、今の自分には合っています。それに、村外で受ける“色んなインスピレーションを集約して形にできる環境”が、この村にはあると思います。
地域の方との交流についてはいかがですか?
里:地域の方たちと輪が広がったきっかけの一つは、2011年に地元の人が開催するイベント「ホットビレッジフェスティバル」で演奏したことでした。地元でスコップ三味線をやっている「咲花草会」のメンバーにコーラスに入ってもらったり、地域の子供達やお母さん方と一緒に、イベントを作り上げていきました。演奏を見てもらうだけではなく、一緒に何かを作るプロセスが大切だと思っています。
その時間の中で自分のことをアピールしながら、少しずつ信頼関係を作っていきました。また、「caféねこぱん」で毎月アコースティックナイトを開催しました。都会から来た友達や村に住む友達をつなげる大切なイベントとなりました。他の移住者との“つながり”を生み、“継続”することによって信頼が生まれたと思います。
音楽活動がきっかけとなったのですね
里:ホットビレッジフェスティバルやアコースティックナイトの事を「みんなで集う言い訳」と表現しています。地域のために開いたパーティじゃなくて、自分や友達が楽しむための時間を作っただけなんです。しかし、それが“ゆるく大きな輪”につながったのでは、と思います。最初は村を変えたいとか盛り上げたいという気持ちはなく、『むらおこし』にも興味はありませんでした。
自分の人生のタイミングで、深呼吸するために引っ越してきたこの場所で、音楽を楽しみたかっただけでした。それを実現できそうな人たちが周りにいて、できる場所もあったということ。すべては偶然が重なって起こったことだと思っています。
移住後に大変だったことはありましたか?
里:「ここでなら自分がやりたい事ができるかも知れない」と思って田舎に来てくれる人は多くいます。だけど、挫折することもあると思います。“田舎に対する期待が大きい”からだと思います。
皆さんそれぞれ、イメージや理想を持って移住して来ますが、現実とのギャップも起こり得ます。理想と現実のすり合わせは難しいけれど、環境じゃなくて、「自分自身がどうか」が大切だと思います。この場所だからうまくいくとは限らないし、すべては移住者である本人次第です。