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プロフィール
合同会社 大兵食品
所在地:山口県周南市
業種:水産加工業
商品:はもかつ・たこ唐揚げ等
事業内容を教えて下さい。
2021年5月、生産者である漁師自らが漁獲した魚を加工し、販売までを手掛ける6次産業の会社を設立しました。
私も漁師として、夏は延縄漁で鱧(ハモ)を獲り、冬は底曳網(そこびきあみ)漁でナマコを獲っています。
会社の主な取り扱い魚種は、周南ブランドである周防(すおう)鱧、周南タコ、徳山フグなどがあります。主な販売先は地元量販店ですが、道の駅やマルシェなどでの直接販売も行っています。
その他にも海洋環境保全への取り組みとして、ごみの流出防止を地元企業と連携して行ったり、油の流出防止の為のオイルフェンス事業もしています。
商品の魅力について教えて下さい。
地元で獲れた魚を食べてほしいという思いから、地産地消、安心・安全な食の提供を目指して、日々全力で取り組んでいます。主に周南ブランドに認定されている鱧、タコ、ふぐの加工品を販売しています。
鱧には豊富なタンパク質が含まれており、疲労回復や免疫機能の向上が期待できます。タンパク質やコラーゲンも豊富な事から、ダイエットや皮膚の老化防止も期待できます。
骨切りを機械で綺麗に切っており、骨が残ることはありませんので、お子様でも安心してお召し上がりいただけます。タコ、ふぐに関しても一番美味しい旬の時期に仕入れ、加工して冷凍保存していますので、一年中美味しくいただけます。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
漁師をしている時はやはり大漁が嬉しいですが、6次産業を通じて日々、加工や商品開発などをしていると、また違ったやり甲斐があります。
魚の三枚おろしが早くなったり、商品開発については工夫していく中でおもしろい商品ができたり、失敗したり(失敗ばかりですが)、仕事を通じていろいろな出会いがあったりと、漁師だけでは味わえないやり甲斐を感じます。
しかし、何と言っても、お客様からの「美味しい」という一言が一番のやり甲斐です。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
魚は鮮度が命なので、夏は特に気を使います。氷をたくさん使い、下処理を素早くしなければいけません。凍った商品の袋詰めも素早くしないと直ぐに溶けてしまい、品質が悪くなる恐れがあります。
また、鱧は骨が多いので、骨切りがきちんと出来ているかの確認が大事です。加工する際に包丁の破損や、異物混入も考えられるので、使用前と使用後の目視確認、金属探知機は必ずしなければいけません。
お客様の口に入るものですから、衛生管理、品質管理をしっかりして、安心・安全な食の提供を目指して頑張っています。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
鱧といえば京都のイメージが強いと思います。実際に西日本ではよく食べられますが、東日本ではあまり食べられていません。
骨ごと食べることで栄養も豊富ですし、美肌効果もあります。そういった意味でも、私は鱧にはまだまだ可能性が秘められていると感じています。
自分たちならではのオリジナリティ溢れる商品を作り、それを全国の皆さんにも是非食べていただきたいと思っています。
地域の魅力について教えて下さい。
山口県周南市は工業の町として知られ、周南コンビナートの工場夜景が有名ですが、北部は山に囲まれ、南部は瀬戸内海の穏やかな海が広がる、自然豊かな町です。海では周南ブランドの「徳山ふぐ」「周防はも」「周南たこ」をはじめとした新鮮な海の幸が多く水揚げされ、山間部ではわさび栽培や、梨、ぶどうなどの果物づくりが盛んです。
市内には動物園、美術館などもあり、お子様連れにも喜ばれます。また、新幹線「のぞみ」が停車する徳山駅、高速道路のインターチェンジが4か所あり、交通の面でも非常に便利です。
移住して地方の仕事を志す方へメッセージをお願いします。
山口県は、漁業者の高齢化率がワースト2位という非常に高齢化率の高い県です。周南市でも平均年齢69歳と、漁業の高齢化、担い手不足が深刻な問題となっています。
それをうけて山口県では新規就業者の育成に力を入れています。研修から独立まではもちろん、独立後も手厚い補助制度がありますので、安心して始められます。
大兵食品でも新規就業者を応援しています。漁業者から決まった値段で買付することで、漁業特有の収入の不安定さを少しでも解消できればと思っています。始めやすい漁業、続けやすい漁業を目指すと共に、地域との連携の輪を大切にやりがいのある仕事作りができればと思っています。
漁業体験、仕事体験は随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。