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生産者プロフィール
青木友誉さん
出身地:愛知県江南市
現住所:岐阜県可児郡御嵩町
職業:農業・空撮業
趣味・特技:映像編集・ドローン操縦
生産物:お米・大豆
生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。
独身時代は江南市で戦闘機の油圧組立てやオーバーホールを仕事とする会社員でした。その後ボーイング777の扉組立てに携わっていました。
妻の実家が御嵩町で農業を営んでおり、私が20代の頃から農繁期には田植えや稲刈りの手伝いをしていました。その頃、若い人は農業をしないし農業する人は高齢化しており、耕作放棄地が増えていくのが現状でした。
私が田植機やコンバインで田んぼに出かけると、地域の方々が、あたたかく声をかけて下さり、田植えや稲刈りで頼られる存在になってきました。農業をする事で農地が綺麗になり、地域の方々とコミニュケーションができて、農業で皆が笑顔になる、田舎でしか味わえない生活空間、そんな経験を経て、生産者への道を志しました。
生産物(返礼品)の魅力について教えて下さい。
主にもち米、お米、大豆を生産しております。恥ずかしながら20歳頃になるまでお米や大豆がどのように栽培され収穫されるのか知りませんでした。
どの作物もそうだと思いますが、育てるのはとても奥が深いと感じます。近所のおじいちゃんが昔「作物は人の足音を聞いて育つ!」と話してくれました。放ったらかしにしておいては育たない、毎日見に行き手をかけて育てると美味しく収穫出来ると言う意味でした。
自分で自信を持って育てた作物を食べてもらったとき「この前のお米、大豆が美味しかったよ!」と声をかけてもらった時ほど嬉しいと思ったことはありません。自分が作った食べ物が、知らない土地のどこかの食卓で美味しい笑顔になっているのではと考えると、やる気も湧いてきます。
御嵩町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
御嵩町は中山道もあり自然豊かな歴史ある街です。これと言って大きな観光地はありませんが、人のあたたかさ、チームワーク、何より住んでいて地域の人とすぐに仲良くなれる、そんな街だと思います。
住んでいる人それぞれが自分の街を愛し、少しでも町民が楽しめる様なイベントを考えてそれを催す、そういう感じがします。私も御嵩に住み26年程になりますが、他県から来た疎外感は一切ありません、ずっと子どもの頃から住んでいると思ってしまう、そんな街だと思います。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
天候や自然動物が相手なので、難しさを感じる時もあります。色々な事を思考錯誤して、いかに美味しく多く収穫出来るかが毎年の課題になります。
ここ数年前からは、田んぼにドローンでレンゲの種を撒き化学肥料をほとんど使わない農業をしています。また、田んぼ一面にレンゲが咲いた時、町内の幼稚園、保育園の園児に遊びに来てもらい、花や田んぼに住む生き物と触れ合って楽しんでもらっています。
田植えや稲刈りシーズンにも田んぼで農業体験をしてもらっています。何よりその時の子どもたちの笑顔が仕事のやりがいに繋がっていきます。
1番大切なのは自分たちが楽しく仕事をする、それが大切だと私は思います。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
先ほども書きましたが、天候や自然動物の被害が大変なことになってきます。収穫間近の作物が荒らされたり、台風や大雨で倒されたりすることです。
電気柵を張ったり、暗視カメラをセットしたり、またはドローンを飛ばして被害状況の確認をしたりと対策を練っています。毎日動物の行動を暗視カメラで見ていると、その習性がわかり被害を回避する事も出来たりします。
もう一つ大変なことと言えば農機具です。常日頃から手入れをしていないと必要な時に壊れていたり、動かなかったりします。
どんな仕事でも同じ事が言えると思いますが、農業機械は高額で古くなったからとすぐに買い替える事はできません。日常から点検、手入れを行い大切に使用することが大切だと痛感しております。それが良い仕事をするポイントだと思っています。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
現在、農研機構のスマート農業実証プロジェクトに採択され、中山間地という農業条件が不利な地域でもスマート農機を使用した生産活動が持続可能であるかの実証実験に取り組んでいます。
岐阜県内で農業にドローンを1番に取り入れ、田んぼに花の種をまいたり、防除などに使用しています。昔も現在もそうですが、農業に関心を持ってくれる若い人は多くありません。
もしかして農業のイメージが、汚いキツイが多いかもしれません。今後は少しでもそう言ったイメージを減らすために、先進技術をどんどん取り入れ、農業のイメージをカッコよくアピールしていけたらと思っています。
移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。
既に農業に興味があり取り組みをされている方なら、移住後のおおよそのイメージはつくかと思います。一次産業を行うには、規模にもよりますが、それなりの道具や機械が必要になります。
私が御嵩に来て農業に携わって1番厄介に思った事は雑草です。都会ではアスファルトやコンクリートで雑草が生えにくい状態であったり、生えても誰かが取り除いてくれたりしますが、田舎では違います。時には自分の土地ではない箇所の草刈りをしないと自分の作物に影響があったりします。
大変なことも多いですが、思うように収穫ができた時の達成感や嬉しさ、同じ一次産業をしている仲間との交流、そうしたものが励みになります。
農業は1人では行えません。人と触れ合ってこそできるものだと思っています。どの地域にもその土地によって作業に適した時期や耕作方法があります。
先住者からのアドバイスは何よりの財産です。どうぞ1人でも多くの人とふれあいご自身の夢を叶えてください、御嵩から応援しています。