ワープシティ公式

住む場所が変わると生き方も変わる。

環境が変わると自身も変化し、人生までもが変わっていくーー。
都会の喧騒を離れて、地方で“自分らしい生き方”に憧れを抱く人は少なくないだろう。

しかし、いざ真剣に移住を考えると、移住に大きな期待を持つ反面、不安も計り知れない。

現実的に自分の思い描く理想の暮らしが実現できるのかーーー。

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けする。
 
第51回目の先輩移住者は、東京での生活を経て、1994年に故郷の山口県周南市にUターン移住し、老舗酒造『はつもみぢ』代表取締役社長と十二代目当主を承継した、原田康宏さん。

「周南の素材で周南の酒を造りたい」との想いから、約20年間休止していた酒造りを再開。

試行錯誤の末生み出した銘酒『原田』は、フランスで開催された「Kura Master 2021年度 日本酒コンクール・純米大吟醸の部」金賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」においても金賞を受賞するなど、名実ともに山口を代表する酒となった。

周南青年会議所理事長や周南観光コンベンション協会会長を務めるなど、長年“街づくり”にも積極的に携わっており、2022年11月には徳山商工会議所・会頭に就任している。

「地元を愛しながら、世界中の人にも喜んでもらえる“酒”をつくりたい」と話す原田さんに、故郷・周南市への想い、事業承継への覚悟、今後の挑戦について、詳しくお話を伺った。

周南市

山口県

出身地：山口県周南市、前住所：東京都、現住所：山口県周南市

原田　 康宏

故郷・周南への想いが原動力に！創業204年老舗酒造12代目の挑戦 

<h2>ご出身はどちらですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤（うめざわ）しのぶさん（以下、楳澤）</span>：</b>山口県周南市鹿野（かの）です。</p>
<h2>Uターン移住される前はどちらにいらしたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>福岡県です。調理の専門学校に入るタイミングで、山口県を出ました。     当時は、「鹿野には何もない」と思っていました。街へ行くにも遠くて不便だし、やっぱり都会への憧れもありましたね。</p>
<p>専門学校を卒業した後も、福岡県で飲食関係の会社に就職して、結婚、出産も経験しました。同じく料理人の夫と2人で、カレー屋を10年間営んでいました。</p>
<h2>Uターン移住を決めたきっかけを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>いろいろなことが繋がったのですが、決定打は「小麦粉との出会い」です。     福岡で営んでいたカレー屋は、お陰様で繁盛していたのですが、一方で凄く忙しくて。</p>
<p>自分たちのこだわりも強かったので、休みのない日々でした。疲れも溜まっていったし、「新メニューを作らなきゃ」「経営やお店の回転のことを考えなきゃ」と追われるばかりで、だんだん辛くなっていきました。実際は、食べる相手のことを思いやる余裕などない状況だったのに、お客様から「ありがとう」の言葉をいただくことに、後ろめたさを感じるようにもなりました。</p>
<p>     その頃から、「あれ、私もっと美味しいものを知ってるな」と思うようになりました。自分の店で出しているカレーの味には確かに自信があったし、都会は美味しいものや目新しいものがたくさんあって刺激的なのは間違いありません。でも、作ってくれた人のことを考えたり、食べる人を想うような、「気持ちのやりとり」ができていなかったんです。モヤモヤしながら考えていた時、ふと、「私の知っている美味しいものって故郷の食べ物だな」と思い当たったんです。</p>
<p>     ちょうどそんな折に、お客様から山口県産の小麦粉「せときらら」を頂きました。試しにパンを焼いてみたら、とても美味しくて。「これだ！」と思いました。本当に、光が見えたような気がしました。     そこから、「鹿野でパン屋をやりたい！」と決めたんです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11273 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/f27a9ccb-2.jpeg" alt="パン屋を営む楳澤（うめざわ）しのぶさん" width="720" height="420" /></p>
<h2>「鹿野でパン屋をやりたい」その決意に対して、ご家族の反応はいかがでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>鹿野でパン屋を始めることには、反対はありませんでした。昔から、互いのやりたいことが見つかった時には、家族は全力で応援するようにしているんです。     その頃、夫も今後、同じ仕事を続けていくことに不安を感じていたこともあって、思い切ってお店を閉めることにしました。</p>
<p>     今回は私の“ソロプロジェクト”としてやりたいという気持ちがあったのと、それぞれの仕事や子どもの学校のことを考えて、私だけ山口県に帰ることに決めました。     夫とはいい距離感ですね。干渉しすぎず、同業種なのでこちらの状況も知っている、「良き理解者」です。</p>
<h2>移住するにあたって、利用した制度はありますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>「中山間地域移住起業マルシェ事業」を利用しました。資金面以外にも、バックアップしていただきましたね。山口県や周南市、信用金庫の方とは、創業後もいろいろなご縁をいただきました。     </p>
<p>開店3年目に、2階のイートインスペースにギャラリーを併設したのですが、その時は「クラウドファウンディング」を活用しました。資金集めはもちろんですが、ご協力、ご支援をくださった方に、「私が関わった」「私の場所」と思ってもらえるようにしたかったんです。<br />
<br />
<img class="alignnone wp-image-11274 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/c36abf0f-3.jpeg" alt="「子たぬきのパン」外観（右）、楳澤（うめざわ）しのぶさんが焼いたパン（左）" width="720" height="300" /></p>
<h2>2018年に「子たぬきのパン」をオープンしたそうですね。お店について教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>「鹿野の良さを知ってほしい」という想いから始めたお店です。 店舗は、祖父の家を改装しました。この家は昔、自分の土地の木を切って、地元の方々と共に建てたそうなんです。     改装の時も、地元の業者さんや周囲に住んでいる方々と行いました。</p>
<p>私の活動をSNSで知り共感してくださった方も、手伝いに来てくださいました。地元の木材で建てられた家を、地元の人と改装し、地元の食材を使ったパンを売る。建物自体が「地産地消」されていて、お店のコンセプトが詰まっているんです。     「子たぬきのパン」では、できる限り“地元の素材”を使っています。山口県産の小麦粉「せときらら」の他、具材も、鹿野の食材を使っています。</p>
<p>パン作り専用に開発してもらったペレットオーブンの燃料も山口県産です。     “ただパンを売るお店”ではなくて、“鹿野を感じられるパン屋”でありたいと思っています。イートインスペースでは、窓から茶畑や近くの野山の四季の移ろいを見ることができ、川のせせらぎや小鳥の囀りが聞こえてきます。</p>
<p>     媒介としてお金は発生しますが、「気持ちのやりとり」を大切にしたいのです。そして、買って帰ったパンを誰かにあげたり、一緒に食べたりして、鹿野の魅力を知る人が広がっていったらいいなと思っています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11275 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/021b5209-4.jpeg" alt="「子たぬきのパン」店内で作業する楳澤（うめざわ）しのぶさん" width="720" height="420" /></p>
<h2>今後の展望を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">楳澤</span>：</b>これから少しずつ体力がなくなっていくと思うので、肉体労働はそこそこに、価値を見出せる仕事をしていきたいです。ひとつには、2階のギャラリーをもっと活用していくことですね。あとは、本を書くとか、フリースクールを創るとか。いろいろ考えています。</p>
<p>     余裕があるからこそ心も豊かに生活できると思うので、そこそこお金は稼いでおきたいですね。でもあまり無理はせず、「頑張りすぎないことを頑張りたい」です。</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_shunan_umezawa.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ただパンを売るだけでなく、地元の魅力を伝えたい。鹿野の財産は、何より人なんです。</a></p>

「鹿野を感じられるパン屋を作りたい」。そんな想いを胸に、ご家族で暮らす福岡県から故郷である山口県周南市鹿野（かの）に移住を果たした楳澤（うめざわ）しのぶさん。ご主人と10年間、二人三脚で営んできたという福岡のカレー屋さんを畳み、楳澤さんを単身Uターン移住に駆り立てたのは、故郷で生まれた小麦粉「せときらら」との出会いだったといいます。移住後、「中山間地域移住起業マルシェ事業」という制度を利用し、たくさんの人々の支援のもと、2018年5月に「子たぬきのパン」をオープン。「気持ちのやりとり」を大切にしたお店づくりを目指し、鹿野の魅力を一人でも多くの方に知ってもらいたいと語る楳澤さんに、お話を伺いました。

出身地：山口県周南市鹿野、前住所：福岡県、現住所：山口県周南市鹿野、職業：パン屋「子たぬきのパン」店主

楳澤（うめざわ） しのぶ

全てが地産地消！故郷「鹿野」の魅力をパン作りに込めて届けたい

<h2>ご出身は周南市だそうですね。Uターン移住される前はどちらにいらしたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本宏美さん（以下、鶴本）</span>：</b>主人、息子、娘の4人で、東京で暮らしていました。周南市（旧徳山市）の高校を卒業後、大学への進学をきっかけに上京しました。</p>
<p>大学卒業後、外資系の金融機関や証券会社に勤めていて、2015年12月に退職するまで、約20年働いていました。</p>
<h2>いつぐらいからUターンを計画されていたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>私自身はずっと、田舎暮らしをしたいと思っていたんですが、横浜生まれの主人は、あまり前向きではありませんでした。だから田舎暮らしは、もう少し年をとってからになるんだろうなと思っていました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11431 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/7db91e5b-2.jpeg" alt="笑顔で話す鶴本宏美さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>このタイミングでUターンすることになったきっかけは？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>昨年の秋に、東京で開催されていた「移住フェア」に行ったことがきっかけです。インターネットで偶然「移住フェア」のことを知って、全国の美味しいものが食べられるぐらいの軽い気持ちで、子どもたちを連れて会場に足を運びました。</p>
<p>その時、周南市がブース出展をしていて、お話を聞いたところ、ものすごく歓迎していただいたんです。全く予定はなかったんですが、担当者の方にオススメのエリアを聞いてみたら、3箇所ほどご紹介いただいて。ちょうど祖母のお見舞いで帰省する予定があったので、ついでに見学をさせていただくことになりました。</p>
<p>その際、地域の方々の温かい歓迎を受けて、「ここで暮らしたい！」という気持ちが高まり、一気に話が進みました。そして、2015年の12月には仕事を辞めて、この（2016年）1月に引っ越ししてきました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11430 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/205aa96b-3.jpeg" alt="築100年以上経つ木枠の組子細工の美しい玄関" width="720" height="440" /></p>
<h2>急展開ですね！</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>そうですね（笑）。私も息子も持病のぜんそくがあるので、東京よりも空気の良い周南で生活した方がいいと、ちょっと強引に主人を説得しました（笑）。</p>
<p>小学4年生になる息子は、東京で生まれ育ったにも関わらず田舎が大好きで、小さい頃から山口県に里帰りするたびに、『周南市で暮らしたい』と言っていましたので、とても喜んでいます。息子の熱意が、主人を説得した一番の大きな要因ですね！</p>
<h2>それにしても、ずいぶんと立派なお宅ですね</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>この家は「空き家バンク」で紹介していただきました。多分、築100年以上は経っていると思います。10年以上誰も住んでいなかったそうで、庭には背丈ほどある草が生えていました。大量の家財道具も残っていて、本当に住めるようになるのかなというような状況でしたよ（笑）。</p>
<p>大改修が必要なところはプロの力をお借りしましたが、できる限り自分たちの手で、少しずつ直していこうと思っています。縁側の床は、材料を買ってきて自分達で張り替えました。壁にしっくいを塗ったり、梁や柱に柿渋を塗ったりと、馴れないことばかりですが、楽しみながらDIYをやっています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11432 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/d34a162e-4.jpeg" alt="築100年以上経つ自宅の縁側に座る鶴本宏美さん（左）、築100年以上経つ自宅外観（右）" width="720" height="360" /></p>
<h2>Uターンして良かったことはなんですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>子どもたちがとてもイキイキしているところですね。以前は、部屋でDVDを見たり、ゲームをしたりすることが多かったのですが、今はほとんどやりません。虫を捕まえたり、落とし穴を掘ったりと、すっかりアナログになりました（笑）。</p>
<p>東京にいた時には、全く想像もつきませんでしたね。全校生徒が60人ぐらいしかいないので、年齢や性別を超えて、みんなで遊ぶことができるのも、田舎暮らしの良いところだと思います。</p>
<p>また、ご近所の人が子どもたちに気軽に声をかけてくれたり、野菜や果物を差し入れてくれたりと、昔ながらのコミュニティがしっかりと残っています。さまざまな年齢の方々と自然に触れ合える今の環境は、子どもの教育という面においても、とても良かったと思います。</p>
<h2>教育面での不安はありませんでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>それは全くなかったですね。東京では、中学受験のために小学3年生から塾に通わせていたので、平日は塾の勉強、週末は学校の宿題をまとめてやるといったスケジュールでした。</p>
<p>逆に、中学受験から解放されて良かったと思っています。Uターンしてからは子どもたちと過ごす時間が増えて、一緒に宿題をする時間もできました。机に向かって勉強するだけではなく、県内各地に出かけて行って、子どもたちにさまざまな体験をさせたいですね！</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11433 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/6d56532c-5.jpeg" alt="稲刈り後の田園風景の中、愛犬と散歩をする鶴本宏美さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>山口県へ移住を考えている方にメッセージをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>私の場合は、イメージにピッタリ合う住まいがすぐに見つかりましたが、住まいは妥協せずにじっくりと探した方がいいと思います。“生活の拠点”となる住まいを妥協してしまうと、移住してからの“生活の満足度”が下がってしまうと思います。</p>
<p>それと、お子さんがいらっしゃる場合には、事前に学校を見学して、先生や生徒の雰囲気を知っておくことをオススメします。そして、何よりも大事なことは、家族でしっかりと話し合いをして、全員がきちんと納得しておくことだと思います。</p>
<h2>最後に、これからチャレンジしてみたいことを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">鶴本</span>：</b>落ち着いたら、外資系金融機関や証券会社で働いた経験を活かして、在宅で翻訳の仕事をしてみたいと思っています。それと、周りに使われていない畑がたくさんあるので、野菜作りにもチャレンジしてみようと思っています。地域を盛り上げる活動も積極的にやってみたいですね。</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_tsurumoto.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_tsurumoto.html</a></p>

山口県周南市出身の鶴本宏美さんは、2016年1月に、家族4人で暮らしていた東京から故郷の周南市にUターン移住しました。“ずっと田舎暮らしをしたい”という想いを持ち続けながら、実現は遠い未来の話であろうと考えていたという鶴本さんに転機は突然訪れます。きっかけは、偶然参加した「移住フェア」。周南市の出展ブースを訪れたことにより、「ここで暮らしたい！」という想いが一気に高まり、加速度的に話は進んでいったといいます。ご主人を説得し、約20年勤めた会社を退職した翌月には、周南市へ移住。移住後、子どもたちのイキイキとした様子に喜びを感じ、さまざまな経験を共有することが楽しみであるという鶴本さんに、お話を伺いました。

出身地：山口県周南市、前住所：東京都、現住所：山口県周南市、職業：主婦


鶴本 宏美

昔ながらのコミュニティが残った故郷でイキイキ周南暮らし

<h2>ご出身は山口県周南市だそうですね。Uターンされる前はどちらにいらしたんですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山直樹さん（以下、福山）</span>：</b>大学進学を機に地元を離れ、そのまま福岡の写真館に就職しました。2〜3年はとにかくがむしゃらで、仕事に追われる毎日でしたが、結果が伴うようになってくると欲が出始めて（笑）。</p>
<p>ステップアップにチャレンジしたいと思うようになりました。その前に一度、地元に戻って心身共にリフレッシュしようと思い、27歳の頃帰郷しました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11421 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/7fa0f54b-2.jpeg" alt="革靴作りの工房にある暖炉に向かい、暖をとる福山直樹さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>カメラマンから靴職人になろうと思ったきっかけは？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>地元に戻ってからは、縁あって、周南市の写真館で働かせていただきました。その間も“ステップアップ”の想いは持ち続けており、仲間たちと様な表現にチャレンジしていました。そんな中で出会ったのが「革細工」です。</p>
<p>写真と同様に、人とコミュニケーションが取れ、より“人の生活を支えるモノ”は何かと考えた結果、「靴」に辿り着きました。スタートとして、東京の靴専門学校への入学を決めました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11422 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/e5c7e54b-3.jpeg" alt="壁際に並んだ靴の木型（左）、工房で革靴を制作する福山直樹さん" width="720" height="360" /></p>
<h2>専門学校を卒業された後、周南に戻ってこられたんですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>将来的に“地元で工房を”という夢を実現すべく、普通のオーダー靴では需要が少ないと考え、徳島県の「義肢装具製作会社」に就職しました。会社で医療系の靴作りを学んだ後、個人で靴のオーダーを受け始めました。靴作りをしていくうちに、〝早く地元に戻ってやりたい〟という想いが強くなり、帰郷を決意。</p>
<p>調べていくうちに、周南市の鹿野（かの）で「移住者支援」をしているということを知りました。その後、お時間を取ってもらえることになり、2014年12月に妻と共にお話を伺いました。偶然にも鹿野には幼少の頃から何度も訪れており、写真活動中も「鹿野で工房を構えたい」と考えていたくらい大好きな場所だったんです。</p>
<h2>移住に際しての不安はありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>周南市出身であるとはいえ、自分たちのことを受け入れてもらえるのか、オーダーメイドの靴作りというものが受け入れられるのか不安もありました。そんな中、お話をさせて頂いた“鹿野の風”というまちづくりグループの皆さんに、僕の想いを伝えたところ、想像以上の歓迎をして頂くことができたんです。</p>
<p>これは、神様がすぐに“鹿野へ移住しろ”と言っているんだろうと（笑）。「地域の方々の声」が移住を決断する大きな後押しになりました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11423 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/0e367c2a-4.jpeg" alt="革で靴を制作する福山直樹さんの手元の様子" width="720" height="440" /></p>
<h2>移住にあたり苦労したことはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>最も困ったのは、自分たちの希望に合う住まいがなかなか見つからなかったことです。想定外のアクシデントでした。結局今の場所が決まるまでに、移住を決めてから半年もかかってしまいました。</p>
<h2>それは大変でしたね。クリーニングの取次をするようになったのは、どのようなきっかけから？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>地域の方々との対話の中で、クリーニングの取次店を“副業”としてやってみたらどうだというお話を頂いたんです。クリーニングに関する知識が全く無かったですし、どうしたらいいものかと最初は迷いました。</p>
<p>でも、クリーニングの取次店をすることで地域の役に立つこともできますし、経済的にも安定するのではと思い、始めることにしました。いざ始めてみると、靴作りをしているだけでは交流できなかったであろう地元の方々と接するいいきっかけになって、クリーニングの取次店をやって本当に良かったと思っています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11424 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/a742e0c9-5.jpeg" alt="工房で革靴をミシンで縫う福山直樹さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>福山さんが感じる“鹿野の良さ”は、どんなところにありますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>豊かな自然はもちろん、それ以外に鹿野には“何か”惹かれるものがあります。空気感なのか色彩なのか。創作意欲を掻き立てるものがあるんです。</p>
<p>自然の中でゆっくり暮らしたいという方にも、お店やモノづくりにチャレンジしたいという方にとっても、素晴らしい環境だと、僕は思います。</p>
<h2>移住をお考えの方に何かメッセージはありますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>地域にしっかりと根を下ろすつもりで来れば、地域の方々は温かく迎え入れてくれると思います。ただ、その“覚悟”みたいなものは、しっかり見られているような気がしますね。言ったことを、確実に、ひとつずつ実行していくことが大切だと思います。</p>
<p>移住を検討している方は、まずは現地に行って、気軽に相談をするところから始めてみるといいと思いますよ。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11425 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/388b3b1a-6.jpeg" alt="桜の木の横に立つ福山直樹さんと奥様" width="720" height="440" /></p>
<h2>最後に、将来の夢を教えていただけますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">福山</span>：</b>まずは、お店をオープンすること。そして、お客様の要望に対して“ノー”と言うことのないように、もっともっとレベルを上げていきたいですね。</p>
<p>自分の工房が「鹿野に足を運んでいただくきっかけのひとつ」になって、鹿野の活性のお手伝いができればと思っています。また、靴を媒体として、新たな創作活動にも取り組んでいきたいですね！</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_fukuyama.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_fukuyama.html</a></p>

山口県周南市出身の福山直樹さんは、大学進学を機に地元を離れ、福岡の写真館にカメラマンとして就職しました。その後、ステップアップにチャレンジしたいと考えた福山さんは、充電期間を設けるために、帰郷。仲間たちと様々な表現にチャレンジする中で、「革細工」に出会い、かつ、“人の生活を支えるモノを作りたい”という想いから、「靴職人」の道を志します。東京の専門学校で2年間、徳島にある義肢装具の会社に1年半従事した後、Uターン移住し、周南市鹿野（かの）に工房をオープン。「将来的にはお店を構えたい」という夢を実現すべく、日々奮闘中であるという福山さんに、お話を伺いました。

出身地：山口県周南市、前住所：福岡県、現住所：山口県周南市鹿野、職業：靴職人

福山 直樹

チャレンジを後押ししてくれる鹿野で新たな夢に挑戦しています

<h2>ご出身と、周南市大津島との出会いを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友翔太さん（以下、大友）</span>：</b>生まれも育ちも東京です。大学時代は「環境政策」をテーマに、さまざまな地方にフィールドワークに出掛け、人々との対話を通して、多くのことを学びました。卒業論文では「吉野川・川の学校」での体験を踏まえて、環境教育の重要性についてまとめました。</p>
<p>そういった経験から、一時は小学校教諭を目指していたのですが、幼なじみから大津島で「島おこし隊員」を募集していることを聞いて、応募してみようと思いました。もともと釣りが好きで、島暮らしに憧れを抱いていたことも影響したと思います。</p>
<p>でも、大津島はおろか、山口県について何も知らなかったので、まずは足を運んでみようと考えました。</p>
<h2>大津島の第一印象はいかがでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>初対面にも関わらず、東京から来た得体の知れない私に、島の皆さんはとても親切にしてくださいました。そのときに偶然知り合った方が、連合自治会長を紹介してくれたんです。</p>
<p>過疎と高齢化により、行事を維持できなくなっていることや島内移動手段の不足など、さまざまな問題を抱えている現状を知り、「島の人たちのために働きたい」と強く思いました。都会にいれば自分の代わりはたくさんいるけれど、ここには“自分にしかできないことがある”という使命感も、私の背中を強く押してくれたんだと思います。</p>
<p>その後も何度か島に足を運び、2010年12月、「島おこし隊員」として大津島に着任しました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11381 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/d8f7589f-2.jpeg" alt="堤防で釣った魚を手にする大友翔太さん（左）、砂浜で海を見ながら話す「島おこし隊員」の大友翔太さん（右）" width="720" height="360" /></p>
<h2>移住するにあたり、不安はありませんでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>東京ではずっと実家暮らしだったので、一人暮らしへの不安はありました。でも、島暮らしへの不安は不思議と感じませんでしたね。</p>
<p>東京では、実家の前に自動販売機が4台あるような暮らしをしていましたが、こちらでは島全体で4台。そのくらい環境が大きく違ったので、すんなりと踏ん切りをつけることができたのだと思います。</p>
<h2>島おこし隊員としては、どのような活動をされたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>行政と地域との「橋渡し」をする活動をしていました。まずは、200世帯を対象に聞き取り調査を実施し、集落ごとに、地域の現状や課題について話し合いました。</p>
<p>そして、地域の活性化計画「夢プラン」の作成をサポートし、最終的には、各集落それぞれのニーズに沿った7プランを作成しました。</p>
<p>続いて、そのプランを実践するために、民泊のコーディネートやコミュニティ紙の発行などの支援をしました。地元の人々の信頼を得るために、“とにかく話を聞いて回る”地道な活動を続けましたね。</p>
<h2>隊員としての任期が終わった後はどうされたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>島で暮らしてみて、一人の住民として、「若者の存在が大きい」ことを感じました。そこで、任期が終わった後も、島内にある馬島（うましま）公民館の主事として働きながら、地域づくりの支援を続けました。</p>
<p>現在は、本土との航路を運航する「大津島巡航」で事務の仕事を行いながら、休みの日や仕事が終わった後に自治会活動や地域活動に携わっています。2014年には、島にUターンした同級生と結婚しました。一男にも恵まれ、充実した毎日を送っています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11382 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/e3457ae2-3.jpeg" alt="堤防で釣りを楽しむ笑顔の大友翔太さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>大津島の魅力を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>何といっても「人」ですね。島の人たちはとても明るくて気さくです。行き交う人が気軽に声をかけ合ったり、野菜を差し入れてくれたり、昔ながらのコミュニティが残っているのもすごいことだと思います。</p>
<p>それに、離島とはいえ、高速船で18分で徳山港に着くので、買い物や病院へ行くのにも便利ですね。対岸の職場までは、自分で小型船を操船して通勤しています。渋滞に巻き込まれることもないので、天気さえ良ければ快適ですね。</p>
<p>静かで自然環境に恵まれているところも気に入っています。島を歩いていると、波の音や風の音、鳥の鳴き声しか聞こえません。沖へ出ると、スナメリの群れに遭遇することもあるんですよ。都会では考えられないくらい贅沢な環境だと思います。</p>
<h2>島に来て、戸惑ったことはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>方言ですね。最初は、大津島弁はもちろん、山口弁もよく分かりませんでした。そこで、地域に溶け込むために、積極的に方言を使うようにしました。今ではすっかり慣れてしまい、日本語と山口弁、大津島弁の三カ国語が話せるようになりました（笑）。</p>
<p>この前、東京の幼なじみが島へ遊びに来たときに、「一体何を話しているの？」と聞かれたときは、自分でも驚きましたね。</p>
<h3>地域に溶け込むために、心掛けたことはありますか？</h3>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>感謝の気持ちを伝えることです。時間が経っていたとしても、「この前はありがとう」と口に出すように心掛けています。</p>
<p>それから、物をもらったときは、後で必ずお返しをするようにしています。そのときに重要なのは、お金で買ったものではなく、自分で作ったものや身のまわりにあるもの、草引きなどの野良仕事で返すことです。これは「島のスタンダード」だと感じています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11383 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/7bea96c6-4.jpeg" alt="通勤に使う小型船を操船している大友翔太さん" width="720" height="440" /></p>
<h2>移住を考えている方へ、メッセージをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>本や資料に目を通すだけでなく、希望する移住先に「実際に行ってみる」ことをおすすめします。地元の人に、「移住を考えているので、いろいろ教えてもらえませんか」と聞いてみてください。</p>
<p>きっと、たくさんの情報を得ることができると思います。それから、都会風を吹かさないことも大切です。「教えてください」という謙虚な気持ちが大切だと思いますね。</p>
<h2>今後の目標を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">大友</span>：</b>現在は、島の魅力を発信するために、東京で毎年開催される「アイランダー」というイベントで、大津島をPRすることに力を注いでいます。その上で、若者の「定住」につなげ、地域コミュニティを維持することが最大の目標です。</p>
<p>そのほかにも、大津島を応援してくれる島外の支援者と一緒に、島をPRする方法を模索しているところです。この島が直面している現状を広く知ってもらい、島外からの支援を積極的に得ることで、これまでとは違った大津島の魅力を発信することができるのではないかと考えています。</p>
<p>出典: <a href="https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_otomo.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_otomo.html</a></p>

東京都出身の大友翔太さんは、2010年12月、地域おこし協力隊「島おこし隊員」として、山口県周南市大津島に着任しました。初対面から大津島の人々の温かさに触れたという大友さんは、さまざまな問題に直面している島の現状を知り、「島の人たちのために働きたい」という強い想いを抱いたといいます。その後、隊員としての任期を終えた後も、“自分にしかできないことを大津島で”という使命感から、島に残ることを決断。現在は、本土との航路を運航する「大津島巡航」に勤務しながら、大津島の魅力をPRするために、日々奮闘中です。2014年に島で出会った奥様と結婚し、夫として父として、更なる充実した日々を送っているという大友さんに、お話を伺いました。

出身地：東京都、現住所：山口県周南市大津島、職業：大津島巡航（株）に勤務しながら、島おこし活動を続ける

周南市

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全てが地産地消！故郷「鹿野」の魅力をパン作りに込めて届けたい

昔ながらのコミュニティが残った故郷でイキイキ周南暮らし

チャレンジを後押ししてくれる鹿野で新たな夢に挑戦しています

大津島に若い力を呼び込み「定住」につなげることを目標に！