#1 熊本県上天草市「シェアリングエコノミー」で地域課題の解決を

体験談

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。 自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。 地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。 ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。 地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください! 「地域おこし協力隊に聞きました!」第1回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、熊本県上天草市の横溝南海さんです。

地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。

上天草市の地域おこし協力隊の活動内容が面白そうで応募しました。  
地域おこし協力隊の制度自体はもともと知っていて、熊本への移住を考えているときに、シェアリングエコノミーを活用した地域課題の解決をミッションに地域おこし協力隊の募集がありました。

大学生のころ、旅とお手伝いを掛け合わせた人のシェアサービスである「おてつたび」を利用し、熊本県の地域で生活する中で、農家の後継者不足の課題や孤立する高齢者の課題が現実で起こっているものとして肌で感じることができ、地域課題解決に携わりたい思いが芽生えました。

おてつたび自体もシェアリングエコノミーのひとつであり、シェアでの課題解決に可能性を感じました。

また、大学ではグローバルヘルスを専攻し、医療従事者とは異なるアプローチでの健康課題解決について学びました。健康で、よりよく生きる(well-being)には、医療の問題だけでなく、生活、食、雇用、地域、社会が深く関わっています。

地域おこし協力隊として活動し、シェアエコを活用することで、地域住民が繋がりあい、地域との関りを持ちながら、生活、食、雇用、地域、社会も含め包括的な課題解決につながると思いました。

 

熊本県上天草市を選んだ理由について教えて下さい。

上天草市は何度か訪れたことのある場所で、募集内容が面白かったので、上天草市を選びました。

上天草市は、おてつたびで訪れた宇城市の隣の市で、何度か訪れたことがある場所でした。海や夕日がきれいだったのが印象に残っていて、とてもいい場所だという印象でした。

そんな素敵な場所で、面白そうなことができる、ということで、上天草を選びました。

 

地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。

シェアリングエコノミーを活用した地域課題の解決をミッションに活動に取り組んでいます。  
 

  • シェアリングエコノミー  
    場所・乗り物・モノ・スキル・お金をインターネット上のプラットフォームを介して主に個人間でシェア(貸し借りや売買や提供)をしていく新しい経済の動きのことをいいます。モノ、スペース、スキル、時間などあらゆる資産を共有することが「シェア」の考えです。

地方自治体では、少子高齢化や人口減少など、様々な問題を抱えていますが、今ある問題をすべて公共サービスで解決するにはリソースが足りません。  

そこで「シェア」という概念を導入することで、「公助を共助で補完」し、サステナブルな自治体を実現しようというコンセプトのもと上天草市で活動を行っています。

具体的には、

  • スキルのシェアでは、シェアワーカー(シェアリングエコノミーのプラットフォームを活用して収入を得る個人のこと。時間と場所にとらわれずオンラインを活用して自分らしく働く一つの手段)育成講座を通じた起業家の育成や、知見のシェアのイベントを通じた繋がりの創出を行っています。  

     
  • 空間のシェアでは、BARの使っていない時間を活用し、コワーキングスペース等にできないかテスト中です。  

     
  • モノのシェアでは、メルカリ教室(メルカリでの出品の方法を教える講座)を実施し、モノのシェアを通じた持続可能な社会の実現はもちろん、高齢化率の高い上天草においての市民のデジタルスキルの向上を目指し、シェアリングエコノミーを活用する土台作りを行っています。

まだまだやりたいことはたくさんありますが少しずつできることを増やしていければと思っています。

地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?

活動を通じていろんな芽が出始めたこと。  
地域おこし協力隊に着任して10か月目になり、ようやく「シェアリングエコノミーを活用した地域課題の解決」が、少しずつ形が見え始めてきました。

まだまだ点でしか活動できていませんが、これが線になり、面になっていったときには、素敵な世界になっているんじゃないかなと思います。そんな未来を想像しながら日々活動していくのが楽しいです。

蒔かぬ種は生えぬという言葉があるように、今は必死に種をまいていて育てています(笑)

また活動を通じ、地域のたくさんの素敵な方々に出会い、つながりが生まれたり、地域おこし協力隊として活動していなければできなかったであろう経験をたくさんできていることもやりがいの一つです。

地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。

地域のことが大好きで、地域をよくしたいと思っている地域住民が多いこと。

よそ者が受け入れられるには時間がかかると想像していましたが、その予想は裏切られ、「上天草に来てくれてありがとう」と言ってくださり、みなさん本当にとっても温かく受け入れてくださいました。

地域のことが大好きで、よくしたいと思っているからこそ、よそ者を受け入れてくださり、協力してくださるんだろうと思います。そして、みなさん何かを変えたいとチャレンジしていらっしゃるような、エネルギー溢れる方たちばかりで、日々刺激をもらいながら活動させていただいています。

卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。

上天草を一つの拠点に暮らしたい。

上天草のみなさんには本当にたくさん助けていただいていて、恩返ししたい気持ちしかないです。自分に何ができるかがまだまだ模索中ですが、上天草の課題を解決し、地域の人達にとって、より豊かな暮らしが実現できるようにしたいです。

魅力的な人、魅力的な場所、魅力的な食もある、上天草にはたくさんの素晴らしいものがすでにあると思っています。あるものに目を向け、そこにいろんな人がかかわりあうことで、持続可能な形で発展できるんじゃないかと思っています。

人口は減っていても、たくさんの人が集まる場になれば、いろんな課題もみんなで学びながら解決できると思っています。そんなコミュニティづくりや場づくりもしたいです。

またのその一方で、この世界にはまだまだ私の知らないことがたくさんあるとも感じています。いろいろな場所に行き、たくさんの人に出会って、多様性に触れ世界を広げたいとも考えているので、上天草を一つの拠点に、様々な世界を知り、上天草に恩返ししていきたいと考えています。

 

市町村の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。

家族だっけ?と思ってしまう優しさ。  

一度お話しさせていただくと、「来てくれてありがとう」と受け入れてくださり、「協力する」と言ってくれたり、「最近どう?」と気にかけてくれたり、本当に家族みたいな温かさに日々救われています。

「いつでもご飯食べに来ていいからね」と言ってくださり、ご飯を食べに行くと、たくさん食べなと食べさせてくれ、持って帰りなと、ご飯を詰めてくれ、本当に感謝してもしきれません。

そんなひとたちがたくさんいるんです。

 

自治体の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)

「もともと島だった」  
昔は島の中だけで生活ができていたということは、そこに必要な資源が全部あるということ。

そう言われたとき、目から鱗でした。その通りだなと、生活していても思います。移住するまでは海がきれいという印象がでしたが、実際海がきれいなのはもちろんですが、山もありますし、農業漁業も盛ん。

季節ごとに桜が見れたり、ツツジが見れたり、蛍が見れたり、ミカンが収穫できたり、飽きることがありません。上天草はいろんな顔を見せてくれて、とっても贅沢だなと思います。

海で遊ぶもよし、山に登るもよし、釣りをするもよし、星を見るのもよし、夕日をみるのもよし、ドライブするのもよし、のんびり過ごすのもよし、本当に何でも楽しめると思います。

新鮮な魚や野菜も食べられますし、地域の方もとっても優しいです。

 

移住を検討している方にメッセージをお願いします。

風光明媚な上天草。  
来なければよかった、という人を私は聞いたことがありません。移住者は今増えていて、移住者同士の交流も楽しいです。

地域の方も、よそ者である私たちのことを喜んで受け入れてくださり、家族のように接してくださいます。とっても温かくてエネルギーにあふれた方たちばかりで、話を聞くだけでもとっても楽しいです。そして美味しいものがたくさん食べられます!

ぜひ一度訪れて、上天草の魅力に触れてみてください。

 

地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓

https://warp.city/features/2

熊本県

上天草市

kamiamakusa

天草エリアの玄関口に位置する熊本県上天草市。天草五橋で結ばれた島で大小さまざまな島が浮かぶ風光明媚な土地柄です。景観の素晴らしさはもちろん、食の宝庫としても知られ、毎日新鮮な食材が手軽に入手できます。もちろん自分で釣った魚や栽培した野菜などを食卓で味わっている移住者もいます。また天草には釣り好きが多く集まり、余暇に魚釣りを楽しむ二拠点居住という移住スタイルも定着しています。

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