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生産者プロフィール
合同会社 農業が好き石川農園
所在地:長野県木島平村
業種:農業
商品:野菜全般(ネギ、ズッキーニなど)
会社URL:https://ishikawanouen.jimdofree.com/
趣味:農業経営
特技:早起き ・コミニュケーション能力高め(笑)
会社の事業内容を教えて下さい。
農業に関わること全般に携わっていますが、主に畑作をしています。春から夏にかけてはズッキーニ、夏から秋は白ネギが主力で、その他キャベツや白菜、お盆用にアスター(花)など、商品としての生産と並行して、どの作物が適しているかの試験栽培を行い、研究をしています。
現在、主力作物の1つになっている白ネギも、試験栽培の結果、作付けを増やして現在に至ったものです。特に冬は、雪で農業が休みになるので、農繁期に向け体を休めてリフレッシュしつつ、情報収集に努める時期としています。(これ一番大事!)
動画や漫画といった、一見無関係にも感じられる媒体も含めて、どんなことからも勉強につながるという気持ちで、情報源は幅広くしています。
従業員は、多い時で6~7人です。それぞれパートやアルバイトで、地域の方を中心に来ていただいています。移住された方でうちに来てくれている方も、何人かいます。
商品の魅力について教えて下さい。
シンプルにおいしいことです!
木島平村はお米がおいしいことで知られていますが、野菜もおいしいです。
田舎はどこも水や気候が良いことは当たり前で、土づくりのこだわりもあります。その土台に加えて、一番のこだわりは、会社名にもある通り「農業が好きな俺が育てていること」です。
農家の知恵とやる気、そして頑張り、自分が好きな農業を突き詰めていること、それが私なりの「愛情」の証です。物事を突き詰めれば「プロ」になるし、消費者目線で考えると、そういう思いで生産している農家から買いたいのではないかと、思っています。
それが食べてくださる方に伝わるかどうかがポイントだと思っているので、フェイスブックでの情報投稿は日々欠かさず行い、すべてを包み隠さずお伝えしています。「信用は品質」これが私のこだわりです。
この村で農業をする自分が魅力的だと感じているものをお客様へ提供できるよう、精一杯やっています。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
一つは、「おいしいと言ってもらえるお客様がいて、自分もおいしいと思えること」です。
毎年、農園の一角でやっている無人販売に何度も買いに来てくれる人がいると、その人が「おいしい」と感じたことが行動で示されているのかなと思い、嬉しいです。
木島平村は、土壌や水が良質でお米がおいしく育つ土地柄で、特に野菜に関しては、使う肥料で味が如実に変わります。そのため、どんな資材を使うか、自分自身で試行錯誤を続けていて、それもやり甲斐になっています。
もう一つは、「自分の生産したものがお金になって、生活ができること」です。お金の話を嫌がる人もいますが、趣味ではないので、やはり稼ぎになる必要があると私は思っています。
決算は通知票で、毎年それを読み解きながら、楽しんで経営もやっています。「農業」は誰にでもできますが、「農業経営」は生半可ではできません。
「儲けは次への投資」という考えで、思い切ってやっています。それでたくさん儲かったからと多めに投資をした結果、今度は運転資金が不足して、再融資を受けたこともありましたが(笑)。
農業で稼ぐことで、次のやる気にもつながっていると思っています。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
作物の管理です。ただ、それも「つらい」というより、「好きなことをやる上で気にしないとならないこと」と思ってやっています。
困難があった方が楽しいです。これまで壁にぶつかったことも、それを乗り越えてきた経験も沢山あります。
以前、ビニールハウスを建てたことがあって、棟上げしたその翌日に、雪で潰れてダメになってしまったんです。片付けも大変だし、かかった費用もゼロになり、それなりに損害を被りました。
でも、その経験から「雪が降る前にハウスを建てるのは止めよう」という教訓にもできましたし、その気づきを大事にして、次に生かしています。
昨今は気候変動の影響が大きくなっていて、心配です。高温や干ばつによって全国的にネギの産地が打撃を受け、逆にこちらの需要が高まったことがありました。
天候により作物の相場が変動するので、作物を育てるウデを磨くこともそうですが、収支計算や全体のお金の流れに関しても、もっと工夫していきたいと思っています。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
今まで規模拡大路線で進んでいたのを、今後は単収(面積あたりで収穫できる収入または収量)を上げる方向に切り替えようと考えています。
地域で農業を増やしたい、もっと言うと農業経営者仲間を増やしていきたいです。農家がもっと、儲かったら「儲かった!」と公言し「楽しいからみんなやろうよ」と言えるように、生産者同士の意識共有もしていきたいです。
仲間がいると相談できますし、コミュニケーションを取り合うことがとても楽しいです。
挑戦したいこととしては、農業イベントの開催です。これは、生産者の意識向上という意味でも、やってみたいことの一つです。
木島平村ではお米のブランド化事業として、村内産で一定以上の基準を満たしたお米を「村長の太鼓判」として販売しています。それをネギや他の作物でも同様に、農業の認証制度を作るのもいいと思います。こうしたアイディアは、日々浮かんでいます。
私は、「考えるより先にまず動く」を心がけています。行動するうちに生まれてくるものがあるからです。正直、初めは農業に全く興味がなかったのですが、続けるうちに楽しくなっていって、どんどん好きになりました。
挑戦したいことを考えるというよりは、今を楽しんでいる。挑戦するか、しないか、その二択です。
地域の魅力について教えて下さい。
「住めば都」と言いますし、究極的にはどこに住んでも一緒だと思っています。自然環境が豊かという点も、ある程度は田舎に共通した魅力です。
それより、「自分がその地域を好きになること」が大切だと感じています。好きになれば何でも好意的な印象に受け取れますから。
木島平村は、車があれば交通アクセスが良好で、新幹線や高速道路などを使ってどこでも行きやすいです。小さな村なので、行政などに相談がしやすく、職員の対応も優しいです。「人」自体がとても優しくて、子どもは素直、人が良い点も魅力だと思います。
私は高校卒業後に一度村を出て、東京で働いたことがあります。といっても遊びに行ったようなもので、ふとその先も生活を続けていくと考えた時に、「どうなんだろう」と違和感を覚えて、30歳手前で戻ってきました。
都会で色々な職種を経験したことは、良い人生勉強になりました。自分は何でも適応してやれるという強みが分かりましたし、今でも当時の経験が役に立っていることが沢山あります。
私の場合、実家が木島平村にあるという点も大きかったと思います。何かと便利な時代になって地域間の差がどんどん埋まってきている今では、その地域を好きになることが、よりその地域に魅力を感じる要素になっていくのかもしれません。
移住して地方の仕事を志す方へメッセージをお願いします。
まず一度、「農業が好き石川農園」に来てみてください。来るならうちが良いと思います(笑)。農業をやる上での心構えも含めて、「農業」だけでなく「経営」のやり方もお見せします。
農業経営で生活するには、「何となく」でやりたい方にはオススメしません。作物が育っただけでは売れませんから。
何事もやればできます。その上で、人を頼ることも大切です。だから、何でも聞いてください。
石川農園では、働いてくださる方を“作業員”としては見ていません。
うちはいつでもウェルカムですので、仲間を増やしてもっと農業を楽しくしていきましょう!