移住者プロフィール
ウルタード・サエンス・アルベルト・カルロスさん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
兵庫県丹波篠山市の地域おこし協力隊、趣味・特技:料理・瞑想・ジョギング・旅行・ハイキング・自然観察・バイク・経済ニュースを聞くこと
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
私が地域おこし協力隊への参加を希望する理由は、丹波篠山市が持つ特性と、自身の目指す活動が深く結びついていると感じたためです。
まず、丹波篠山市は田舎らしい自然豊かな環境を持ちながら、大阪、京都、神戸といった都市部へのアクセスが良く、ビジネスや物流面で非常に高い利便性を備えています。創業コストも都市部に比べて抑えられるため、新たな事業を始めるのに適した環境だと感じました。
また、私の取り組みたい活動の一つである**「トウモロコシ栽培」**に必要な条件が丹波篠山市には整っており、地元で育てた作物を販売することで、地域の経済活性化にもつながるビジネスの可能性を見出しました。
さらに、私はメキシコの伝統的な農法である「ミルパ」に着目しています。この農法は、トウモロコシ、豆、カボチャを組み合わせて栽培するもので、環境への配慮をしながら美味しい作物を生産することが可能です。丹波篠山市の豊かな土壌と環境でこの農法を活用すれば、持続可能で魅力的な農業を実現できると考えています。
特に、日本にはないメキシコのトウモロコシの新しい品種を紹介することで、その豊かな味わいや文化を広めたいと思っています。この取り組みを通じて、日本の食文化に新たな選択肢を提供すると同時に、食糧確保への貢献も目指します。
最終的には、このプロジェクトを通じて丹波篠山市の地域社会の発展に寄与し、私自身も地域の一員として新しい価値を共に創り上げていきたいと考えています。このような理由から、地域おこし協力隊への参加を決意しました。
丹波篠山市を選んだ理由について教えて下さい。
私が丹波篠山市を選んだ理由は、まずその自然の美しさと住民の皆さんの温かさに心を惹かれたからです。地域おこし協力隊になる以前、私は東京で生活しており、田舎の暮らしには不慣れでした。
そんな中、丹波篠山市が提供する「お試し暮らし」プログラムを活用し、地域おこし協力隊になる前年に実際に3ヶ月間滞在しました。その間に出会った人々、環境、そして食べ物など、すべての体験がとても素晴らしく、「ここで活動したい!」という思いが次第に強くなりました。
また、丹波篠山市には私が取り組みたいトウモロコシ栽培に必要な条件が揃っているだけでなく、農業全般に適した豊かな環境があります。特に、土壌の窒素固定に役立つ黒豆畑が広がっており、トウモロコシとの相性が良い点が大きな決め手となりました。
このような魅力的な環境の中で、地元の方々と新たな人間関係を築きながら、自分の事業を通じて地域社会の発展に貢献できることに、非常に大きな魅力を感じました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
私の主な業務は、トルティーヤの製造販売とトウモロコシの栽培を通じて、地元の農地を活用し、地域の経済成長に貢献することです。具体的には、以下の3つの活動に取り組んでいます。
トルティーヤの製造販売
活動開始後、法人の設立とトルティーヤ工房の整備を進め、商品開発やマーケティング戦略を構築しました。メキシコから輸入した高品質なトウモロコシを使用してトルティーヤを製造し、販売を開始しています。
今後は、既存の販売先との関係強化に加え、新規クライアントの開拓を進め、トルティーヤを丹波篠山市の特産品として普及させることを目指します。
トウモロコシの栽培
トウモロコシの栽培に適した農地を探し、丹波篠山市の土壌に適応させるためにメキシコ産のトウモロコシを栽培しています。適応期間は数年から5年かかるため、生産量の安定を目指し、将来的に新しい商品開発や地域の食文化の向上に貢献したいと考えています。
プロモーション活動としての出店
丹波篠山市や他の地域で、活動地区及び企業のプロモーションのために製造したトルティーヤを使ってタコス屋を出店しています。
これらの取り組みを通じて、地域の農業と経済の活性化を目指し、食糧供給の新しい選択肢を日本に提供していきます。また、地域の住民や農家との連携を強化し、持続可能なビジネスモデルを構築することを目標としています。
地域おこし協力隊のやりがいはなんですか?
地域おこし協力隊としての最大のやりがいは、自分の文化を活かしながら地域の経済や社会に貢献できることです。たとえば、メキシコの伝統的なトルティーヤを地元の方々に紹介し、その新しい食材や味を楽しんでいただける瞬間は、とても感動的です。
また、地元の農家と協力してトウモロコシを栽培し、地域資源を最大限に活用することで、環境に優しい持続可能な農業を推進できていることにも、大きな達成感を感じています。この取り組みが、地域の農業の価値をさらに高める一助となればと考えています。
さらに、世代を超えた地域の方々との交流も、やりがいのひとつです。タコスパーティーやイベントを通じて、普段は接点のない人々が集まり、笑顔で交流する様子を見ると、地域全体の活性化に貢献できていることを実感します。
こうした活動を通じて、地域の発展に少しでも自分の力を役立てられていることが、私にとって大きなモチベーションになっています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
地域おこし協力隊として活動を始めて、予想外だったことのひとつは、地方特有の方言に順応する難しさでした。東京で約8年間暮らしていたため、日本語には自信がありましたが、地方特有の言い回しや方言に慣れるには、思った以上に時間と努力が必要でした。
特に活動を始めたばかりの頃は、会議中に周囲の方々の話が理解できないこともあり、言葉の壁に戸惑う場面がしばしばありました。それでも驚いたのは、住民の皆さんが非常に早く私を受け入れてくれたことです。農業についてのアドバイスをいただいたり、地域のイベントにすぐ招待していただいたりと、温かいサポートのおかげでスムーズに地域に馴染むことができました。
もうひとつ予想外だったのは、地域プロジェクトを進める際に必要な行政手続きや長期的な計画立案の多さです。許認可の取得や関係者との調整など、意外と管理業務が多く、これまでの経験ではあまり関わったことのないスキルが求められる場面もありました。
しかし、これらの挑戦を通じて、自分自身の成長の機会と捉えられるようになりました。新しいスキルを学ぶことでプロフェッショナルとしての幅が広がり、個人としても多くの学びを得ることができています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
卒隊後も、私は後川地区のコミュニティの一員として働き続け、この地域をより特別な場所にすることを目指しています。これまで地域おこし協力隊として培った経験を活かし、地域おこしを長期的にサポートしていくことが私の目標です。
具体的には、後川地区の地元農産物や特産品を活用した新しいビジネスの展開や、地域の豊かな観光資源を活かしたプロジェクトに取り組んでいきたいと考えています。これにより、地域の魅力をさらに発展させ、訪れる人々にとっても魅力的な場所にしていきます。
また、地域の人々との絆を深めながら、持続可能な経済とコミュニティの発展に貢献することを目指します。後川地区を訪れる人々に「特別な場所」と感じてもらえるよう、地域の魅力を広め、次世代に引き継げる活動を続けていきたいと考えています。
丹波篠山市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
移住したその日から、後川地区の住民の皆さんは非常に温かく迎えてくれました。季節ごとに収穫した野菜をお裾分けしてくださるなど、その親しみやすさには感動しました。これらの野菜を通じて、季節の移り変わりを肌で感じられるのも、この地域での暮らしの魅力の一つです。
例えば、夏にはトマトやキュウリ、秋にはサツマイモや栗などが届けられ、地元の自然とつながっていることを実感します。興味深いのは、こちらがお礼をしても、すぐにまた別の贈り物が届くということです。
まるでプレゼントの無限ループのようで、このやり取りを通じて、絆や思いやりが自然と深まっていくのを感じます。こうした小さな贈り物が、地域の繋がりを支え、相互の信頼を築く大切な文化になっていると感じます。
一度、近所の方々を招待してタコスパーティーを開きました。高齢化が進む地区で、いろんな世代の方々と一緒に料理を楽しむという新鮮な体験は、私自身にも新たな視点をもたらしてくれました。
東京では、エレベーターで挨拶をするだけでも(特にコロナの影響もあり)嫌な顔をされることがありましたが、後川では違います。住民の笑顔が印象的で、人々の表情や温かさは都会とは全く異なります。
こうした交流が、私にとってこの地域での生活をより豊かなものにしてくれています。
丹波篠山市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
丹波篠山市後川地区の魅力は、豊かな自然、伝統的な文化、そして地元の新鮮な食材にあります。このエリアは、古くから奈良との繋がりがあり、東大寺の荘園として1200年以上前から受け継がれてきた美しい神社や田園風景が広がっています。
標高が少し高い後川地区は、気温の高低差があるため、米や野菜が特に美味しく育つと言われており、これも魅力の一つです。また、里山の原風景と共に自然との共存を感じられる場所でありながら、大阪・京都・神戸へは車で約1時間と好アクセスです。
四季折々の美しい風景が楽しめる「渓谷の森公園」は、キャンプや自然散策に最適なスポットです。また、後川地区のレストラン「輪の里」では、私たちが製造したトルティーヤを使った本格的なタコスを提供しており、地元の新鮮な食材と共に楽しむことができます。
さらに、週末限定のスイーツショップ「FOGMOG」では、米粉を使用したスイーツが味わえ、特に黒豆ロールは人気で、すぐに売り切れてしまうほどです。
ジビエ料理を楽しむなら「丹波猪村・お食事処」がおすすめで、イノシシ肉や鹿肉を使った料理や、山菜や栗など季節の定食も堪能できます。
後川地区は、自然、食、文化が調和した地域で、訪れる人に豊かな体験を提供してくれます。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
実は、あなたが思っているよりも簡単に地域に馴染むことができるかもしれません。丹波篠山市で言えば、住民の皆さんは非常に温かく、新しい人を歓迎してくれるので、自然とコミュニティの一員になれます。
また、自分の得意分野やスキルを活かして地域に貢献することができる点も魅力です。たとえば、農業や地元の文化をサポートするプロジェクトに参加することで、地域の成長を共に支えることができます。
都会とは異なる生活リズムの中で、自分らしい生活を築きながら、地域の方々との絆を深め、自然豊かな環境で新しい可能性を探してみてください。新しい一歩を踏み出す勇気を持てば、その先にはたくさんの素晴らしい体験が待っています。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2