移住者プロフィール
葛 言傑さん
兵庫県洲本市の地域おこし協力隊、趣味・特技:旅行・写真撮影・料理
目次
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地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
私は 2014年に日本に留学し、当初は仙台に住んでいました。学業のかたわら、外国人観光客向けに東北地方の文化体験プログラムを企画・運営する組織で活動をしていました。
活動をするにつれ、日本の地方の魅力をもっと海外に発信していきたいと思うようになりました。
また、地方に眠る素晴らしい文化や自然を発掘し、その地域の活性化に繋がるような活動をしたいという思いも芽生えてきました。
自分の理想のライフスタイルを考えた時、豊かな自然の中で「晴耕雨読」の生活をしたいと思いました。 そのような考えに至ったのは、自分の中に「田舎暮らしに対する憧れ」があったからだと思います。
子供の頃、家庭の事情で祖父母と一緒に中国の田舎で生活したことがあります。1990年代の中国南部の農村で、そこではまだ手つかずの自然が残り、自然とともにある素朴な生活が営まれていました。
祖父母の家の裏庭には竹林があり、家では牛や豚、鶏、鴨を飼っていました。春には稲を植え、筍を掘り、夏には蓮の実を摘んだり、鴨を追いかけ、秋には豊作を迎え、冬には暖炉を囲んで暖を取るような生活です。
この時の記憶が自分の中で、何か憧れのような形で残っている気がします。
そうした中、洲本市の地域おこし協力隊の観光PRの仕事を見つけ、今まで考えていた理想の環境で、まさに自分のやりたい活動ができるのではと思い、応募することになりました。
兵庫県洲本市を選んだ理由について教えて下さい。
洲本市を選んだ理由は、大阪や神戸など都市に近く便利でありながら、豊かな自然、食、文化などに恵まれている点が魅力的だったからです。洲本市に移住する前にも、何度か淡路島を訪れたことがありました。
そのうちの一度は2017年の4月で、安藤忠雄氏の建築を観るため淡路夢舞台を訪れました。当時は仙台に住んでいたので、東北地方ではまだ寒さが残る中、淡路島はすでに暖かく春めいていたことが印象的でした。
また、淡路島の玉ねぎや新鮮な海鮮料理を初めて口にし、この地の食の豊かさにも感銘を覚えました。このような経験もあり、洲本市にぜひ移住したいと思いました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
洲本市地域おこし協力隊の活動内容は、主に下記の3つです。
- 日本国内観光客及び、外国人観光客に対する観光ツアーを企画・実施すること。
- Facebook、インスタグラム、ウェイボー(微博)などのSNSを用いて、洲本の魅力や情報を発信すること。
- 多言語(英語・中国語)での業務、活動支援。
洲本市への移住当初から「洲本レトロこみち」の活動に関わり、イベントの運営を通じて地元の方々と密に関わるようになりました。そのご縁で、同レトロこみち内の民宿の改修やコワーキングスペースの設立にも携わり、現在は運営もしています。
また、洲本市内の竹林整備を行い、竹林内で様々なイベントを実施したり、竹炭を焼いて販売する活動も行っています。
さらに、日本語を学ぶ中国の学生と洲本市の学生とのオンライン交流会も実施しました。
今春から海外からの観光客も増えてきており、3年目の活動としては、洲本市に多くの観光客に来ていただけるように観光ツアーを企画したり、イベントを実施したり、宿泊施設を整備したりしていきたいと考えています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
私にとって、地域おこし協力隊としての最大のやり甲斐は、活動を通して得られる地元の方々との信頼関係です。観光ツアーを実施する際にも、イベントを実施する際にも、何をするにも地元の方々からの協力は不可欠です。
この2年間様々な活動をしてきましたが、行政や地域の方々から本当に多くのサポートをしていただきました。活動を通して培われた信頼関係は、私にとって宝物のようなもので、今後もこの地域で活動を行う原動力になっています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
私自身の経験から言うと、以前仙台に住んでいた時は主に留学生のコミュニティの中で生活していました。 仙台から洲本市に移住し、この地域の習慣や文化などの全てが私にとっては新鮮で、とても興味深いことが多く、まるで新たな地域に「留学」したような感覚です。
学び理解すべきことが多く、その過程で自身の知識も豊かになりました。それ自体が非常に興味深い経験でした。
ですから、「想定外」と思うようなことは特にはありません。 外国人としては、言語面でのコミュニケーションに少し不安はありましたが、実際大きな問題はなく、地元の方々に教えていただきながら方言も習得しつつ、毎日楽しく過ごしています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
この洲本での2年間、地元の方々と多くの活動を共にすることで、活動基盤が少しずつできてきました。来年この地域おこし協力隊が終了しても、引き続き洲本市で地域おこしの活動を行なっていきたいです。
そのために、観光や商品開発などを通して地域活性化につなげられるような会社を設立し、活動を続けていきたいと思っています。地域の魅力を活かした特産品の開発やブランディングを行い、付加価値のあるモノづくりで地域に雇用を生み出すことを目指したいです。
そして、私にとって異文化に触れる体験はとても重要で、自分の人生に大きな影響を与えてくれています。単なる観光にとどまらない異文化体験を、できるだけ多くの方々に提供できたらと思っています。
特に、日本と中国の若い学生たちの交流には力を入れていきたいです。
市町村の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
地元の住民との交流の中で最も印象的だったのは、彼らが移住者や島外の人々に対してとてもオープンであったことです。私が洲本市に来た当初、外国人として新しい環境に溶け込めるかどうか不安もありました。
しかし、幸いにもここで出会った多くの人々は友好的で、歓迎してくれました。
実際、洲本市に来た時はまだ住居が決まっていない状況で、しばらくの間「洲本レトロのこみち」内の民宿に滞在していました。
その間、民宿のオーナーである野口さんは、私のことをとても気にかけてくれ、毎日時間を割いて相談に乗ってくれたり、地元の人たちを紹介してくれたりしました。この時間があったからこそ、地元に溶け込むことができ、ここで活動をしていく基盤のようなものができたと思っています。
その後、「レトロなまち歩き」という年に2回開催されるイベントがあり、私もイベントの運営に携わりました。このイベントの実行委員会のメンバーは全員がボランティアで、それぞれが非常に意欲的に活動に取り組んでいました。
実行委員として活動する過程で、地元の人たちの地域に対する愛情や、イベントを通じて地域を元気にしたいという熱意に触れました。
また、この地域には地元のボランティア活動に大変精力的に取り組んでいる方々が多いのも印象的でした。
例えば、「水仙の丘」を運営している井上さんは、何もないところから一人でコツコツ努力し、淡路島の人気観光地「水仙の丘」を創り上げました。
また、放置竹林の問題を解決したい一心で、何十年にもわたって竹炭を作る活動を続けている方々もいらっしゃいます。
こうした地元の方々との交流を通して、日々大切なことをたくさん教えていただいています。
洲本市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
洲本市の魅力はたくさんありますが、まず山の幸・海の幸に恵まれた「食材の宝庫」である点が挙げられます。新鮮で美味しい食材が簡単に手に入るので、食生活が豊かになりました。
食材が新鮮で美味しいので、シンプルな調理で美味しい食事を楽しむことができます。これは本当に幸せなことだと思います。
昨年から私も野菜を育てようと、友人と一緒に畑仕事を始めました。初めてのことで分からない事ばかりですが、将来的に自給自足の暮らしを目指して少しずつ取り組んでいきたいと思っています。
また、洲本市は行政機関、病院、商店などの生活インフラが整っており、生活に便利な町です。それでいて山と海に囲まれていて、自然の豊かさも感じられるのが大きな魅力です。
個人的に好きな場所(オススメの場所)は、大浜海岸です。市の中心部から徒歩で行ける距離なのに、静かで落ち着いていて波の音に癒されます。
また、竹林もとても癒される空間で、竹林でのヨガやお茶会を開催したこともあります。これからも竹林の魅力をより多くの人に体験してもらいたいと思っています。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
私は移住するにあたり、どのようなライフスタイルを送りたいのかを明確にしておくことが大切だと思います。
その上で、そのような生活ができるかどうか、実際に移住体験として一定期間暮らしてみることをオススメします。
地元で開催されるイベントなどに参加して、地元の方々と交流してみるのも良いと思います。洲本市は移住のためのプログラムや地元でのイベントがたくさんあるので、ぜひ参加してみてください。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓