移住者プロフィール
熊崎 洸多さん
移住時期
2005年
出身地:山口県山口市、現住所:山口県山口市、職業:「クマサキ洋ラン農園」代表
目次
INDEX
山口へ移住した経緯を教えてください。
熊崎洸多さん(以下、熊崎):山口市生まれ、山口市育ちです。東京の大学に進学し、東京で就職しましたが、1年で退職しました。父が「あせらなくていい」と言ってくれて、3ヶ月で世界一周をする船に乗り、いろいろな国を見て、2005年に山口に戻ってきました。
なぜ山口でこの仕事を始めたのですか?
熊崎:父が洋ランを栽培・販売するのを見て育ちました。山口に戻って来て、そのまま手伝うようになりました。
ネットを使う仕事はどこででもできるので、「山口発・クマサキ洋ラン農園のラン」をネットで売ろうと思いたち、ネット販売を始めました。
兄は、一緒に作ったランを市場に出す別の会社を隣で経営しており、私は父のもとで生産・販売・経営を学び、2017年1月に社長職を引き継ぎました。
現在の状況と移住後の感想をお聞かせください。
熊崎:我が社では洋ランの中でもコチョウランに特化して、生産・販売をしています。品評会や展覧会に出展し、「日本花き生産協会会長賞」をいただいたこともあります。
ネット販売を取り入れて以来、全国から注文をいただくようになり、有名な女優さんやプロスポーツ選手からのオーダーもあります。
物心ついた時からそばにあったものなのですが、自分で生産・販売を手がけるようになって、改めて花の魅力、ランの魅力に気がつき、好きになりました。今では天職だと信じて取り組んでいます。
花のある暮らし、花を贈る楽しみを広めていきたいと思っています。
地方への移住にあたり不安だったことは?実際はいかがでしたか?
熊崎:船で世界一周するあいだに、いろいろな人と出会い、外から日本を見て、日本のよさに気づきました。身近なところにいいことがたくさんあることを知り、自分の回りで楽しみを追求し、様々な経験を重ね、我が社のランの魅力を発信していこうとしています。
山口の魅力を教えてください。
熊崎:山口市は海もあり、山もあり、農業するなら多種多様なものを作れる、よいところだと思います。土地があいているので規模拡大できますし、ハウスは雪に弱いのですが、東北や北海道に比べるとハウス栽培がしやすい。
流通面からいうと、九州や四国の生産地よりは大阪・東京に近くて有利です。 関東に住む友人は、山口の山のある風景が落ち着くといって、よく遊びに来ますよ。人もすれていない、純粋な人が多い気がします。
スポーツ施設も安く使えるし、私は湯田温泉に住んでいるので、日帰り入浴施設でお風呂をすませて帰ることもあります。湯田温泉は市街地に湧く温泉で、気軽に利用できます。家のお風呂代わりに温泉に入れるって贅沢ですよね。
山口に住んで戸惑ったことはありましたか?
熊崎:特にありません。父の世代は「農家は年中無休であたりまえ!」という意識がまだあるようですが、仕事とプライベートのオンとオフは切り替えるようにしています。
今後の展望についてお聞かせください。
熊崎:当面は生産を強化して、お客様の声を反映した商品作りを心がけながら、「人生の節目に贈る花」を作りたいです。花を贈ろうと思う心は豊かだと思います。
贈り物にふさわしい美しい花を作っていきたいし、贈りたいと思った時にすぐ使ってもらえる存在になりたいです。高価なものなのでとっつきにくいと思われる傾向もあるので、もっと親しんでもらえるような工夫をし、提案もしていきたいと思っています。
直接見たいとおっしゃる方に来ていただきやすい店作りも課題です。いずれは、父がしていたように、カルチャー講座の講師などとして、ランの魅力を積極的にアピールしていきたいですね。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスをお願いします。
熊崎:就農や移住には支援制度があるので、とにかく一度来てみたらいいと思います。
就農するに当たっては、まずは一生懸命作る!そして作ることだけではなくて、どう売るかが課題なので、売ることまで視野に入れて検討する。売る場所が近くにあるほうがいいのではないでしょうか。
大事なのは「作ることで、世の中に対して何を訴えたいのか」、その思いだと思います。 地域になじむには、趣味のサークルやスポーツ施設などを利用して人の輪に入っていくのも一つの方法だと思います。
出典: 先輩移住者の声 熊崎洸多さん