移住者プロフィール
山根 賢三郎さん
出身地:山口県、前住所:海外、現住所:山口県山口市
目次
INDEX
山口市へ移住したきっかけを教えてください。
山根賢三郎さん(以下、山根):千葉の大学を卒業後、東京、大阪でサラリーマンをしていましたが、人が多くてくたびれていました。帰省するたびに「山口、いいな」と思っていて、いずれ帰るつもりでした。
会社を辞めてオーストラリアへ行き、2年間働いてお金をためて、今度はヨーロッパへ渡りバックパッカーとしてあちこち回りました。2015年3月に帰国して、インターネットの空き家バンクで家を探してここを見つけ、手続きをして、6月に入居しました。
家探しは、何軒かリストアップして実際に見て回り、家の状態と立地条件がよかったのでここに決めました。
現在の状況と移住後の感想を教えてください。
山根:県立の運動公園の夜間受付で収入を得ながら、畑で野菜を作り、家の手入れをしながらのんびり暮らしています。家は6部屋と土間があって、リビングは床をはいだら白アリがついていたのでケアをしてはりかえて薪ストーブを置きました。
キッチンも配管などはプロの手を借りながら自分たちでリフォームし、カウンターキッチンにしました。古い家の改修や手入れは手間がかかるけどそこが楽しいんです。
オーストラリアでは言葉も通じず友人もいない、不便な状況の中でいろいろ工夫しながら、料理も車の修理も自分でして、不便だから成長できたという自負があります。仕事を終えて帰って来て、ストーブの炎を見ながら本を読んだり音楽を聞いたりお酒を飲んだり、贅沢を味わっています。
地方への移住にあたり不安だったことは?実際はいかがでしたか?
山根:都会より山口の方に魅力を感じていて、不安はありませんでした。実家は同じ山口市内でも中心市街地に近い住宅地で、今はこの徳地での田舎暮らしが気に入っています。
星はきれいだし、静かだし、「お隣」もすぐそばに建っているのではなくちょっと離れていて、音楽を大きな音で聞いても大丈夫。快適です。
山口の印象は?魅力を教えてください。
山根:食べ物も自然もすぐそばにあって暮らしやすいです。人に紹介できる歴史的な名所があり、風光明美な場所もあるけど観光地化されすぎていないところがいいですね。
僕は角島や瑠璃光寺が好きです。瑠璃光寺は静かだし、あちこちで五重塔を見ましたがここの五重塔がいちばんかっこいいと思います。
山口に住んで戸惑ったことはありましたか?
山根:徳地は雪が多くてびっくりしました。
僕と同じ世代、30歳前後の人って山口から出たことがない人が案外多い。東京では友だちが友だちを呼んで集まって、出会いが生まれて広がるんですけど、こっちでは気心の知れた人とだけ付き合う、自分から出会おうとしない人が多いような気がします。
山口に帰って来てよかったですか?それはなぜですか?
山根:家族や昔からの友人が近くにいるのはいいですね。徳地暮らしは自然の中で生活することで癒されています。「街中から遠いな〜」と思うこともありますが、山口市街にも防府、周南にもだいたい車で30分で行けるので正解でした。
家事や畑仕事はやることがたくさんあるけど、ストレスではありません。野菜はとれすぎて消費しきれないくらいです。
薪割りも大変だけど面白いです。割れやすい木と割れにくい木があるとか、同じ木でも場所によって割れ方が違うとか、斧の使い方、力の入れ方とか奥が深い。「なんでわざわざ大変なことを」と言われるけど、それが楽しいんです。
今後の展望についてお聞かせください。
山根:この家をほかの人にも楽しんでもらいたいと思っています。もう少し手入れをして、この空間を貸し出して、出会った人の中のおもしろそうな人を巻き込んで何かやれるといいと思っています。
オーストラリアで経験したんですが、何人かで共同生活をするシェアハウスをしたいですね。
実は徳地でもう1軒、気になる物件があって。もう1回作ってみたいと思っています。気心の知れた仲間と同じ空間で暮らすのって楽しいですよ。気の合う仲間探しも、空間づくりも、ゆっくり時間をかけて進めて行きたいと思っています。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスをお願いします。
山根:まず1歩踏み出せば何かに出会って視野が広がります。現状の中だけで考えていてもだめです。とりあえず動いてみたらいいと思います。
住み始めたらご近所付き合いは大切です。外に出て挨拶をし、世間話をし、相談ごともすれば助けてもらえますよ。
出典: 先輩移住者の声 山根賢三郎さん