移住者プロフィール
林 真希さん
出身地:福岡県柳川市、前住所:福岡県久留米市、現住所:山口県山口市、職業:「お寺茶房 無憂庵」オーナー
目次
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山口へ移住した経緯を教えてください。
林真希さん(以下、林):私は福岡県柳川市の出身です。実家がお寺ですので高野山大学に進学し、そこで夫と知り合いました。
夫は関西の生まれなんですが、このお寺(岩屋山地蔵院)が夫の母の里で、先代の孫である夫が跡を継ぐことになっていましたので、2000年の結婚を機に山口に来ました。結婚するまでは福岡県久留米市で働いていました。
現在の状況と移住後の感想をお聞かせください。
林:第37代住職となった夫とともにお寺の運営に当たっています。2014年暮れから、境内の休憩所をカフェにしてコーヒーやスイーツ、うどんなどをお出ししています。
秋穂八十八か所霊場の八十三番札所、山陽花霊場の六番札所でもあるので巡礼の方もいらっしゃり、これまでも無料休憩所でお茶をお出ししてはいたのですが、まちから離れたところでゆっくりくつろいでいただきたいと思い、土日祝日とご縁日である毎月24日にカフェ「お寺茶房“無憂庵”」を開いています。
どなたも来られない日もありますが、ご縁日には必ずお参りなさる方もいらっしゃいますし、わざわざ防府や下関から来られる方もあります。お正月には広島や九州からもお参りがあります。
インターネットでも情報発信をしていますが、祈願の予約は「ネットで見た」という方が多いですよ。
地方への移住にあたり不安だったことは?実際はいかがでしたか?
林:当地に来た22、23歳の頃は知っている人もいないし、刺激もないところで辛かったですね。子どもが生まれて幼稚園に行き始めてからママ友も増えて、ここでの暮らしに慣れてきました。
故郷の友だちと疎遠になり寂しいという面もありますが、フェイスブックなどを活用してご縁の糸を繋ぐようにしています。
山口の印象は?魅力を教えてください。
林:子育てはしやすいところだと思います。話しかけたり相談したりすれば受け入れてもらえます。
転勤族が多く、いろいろな人がいて、話してみると分かち合えて気が楽になるといった面もあります。
山口に住んで戸惑ったことはありましたか?
林:方言が分からず、褒められているのか、からかわれているのか判断できない、気持ちがうまく伝わってこない、伝えられないというもどかしさがありました。
また、子どもの高校進学にあたり、どこを選んでいいのか分からず悩みました。
子育てにはいい所だけど、レジャー施設やショッピングモールがないので遊び盛りの年代には物足りないでしょうね。車がないと動けないので子どもの塾や習い事の送迎もけっこう大変です。
山口に来てよかった?それはなぜですか?
林:来た当初はイヤでしたけど、2年ほど大阪に行って戻ってからは「来てよかった」と思えるようになりました。自分のしたいこと、するべきことが分かるようになった点が良かったです。いろいろな人と出会ってよいご縁をいただいたと思っています。
今後の展望についてお聞かせください。
林:お寺は敷居の高いところというイメージがあるかと思いますが、カフェを通じて気軽に来ていただける場所にしたいです。カフェは私の領分。
くつろぎの場所、つらい思いをしている人が安らげる場所にするのが私の役割だと任じています。
学校や地域の役員も、面倒も増えますけど人脈作りに繋がると考えて引き受けていますし、地域コーディネーターもしています。名田島地域全体が家族のようにまとまって、子どもも地域で育てるというビジョンを持って、出て行ってもいずれは戻って来てくれるようなまちづくりを進めるお手伝いをしていきます。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスをお願いします。
林:「大変だ!」と思ってもどうにかなります。円が丸いように、人はつながっていて、必要な人に出会えるものだと思います。必死になって見つけようとするから、かえって「ない」「ない」とあせる。幸せのタネは周りにいっぱいあると思います。来たばかりで右も左もわからないような時期でもいろんなところに行って景色を見たりおいしいものを食べたり人に会ったりするといいですよ。16年たって「人は優しい」と感じています。
出典: 先輩移住者の声 林真希さん