移住者プロフィール
大坪 皆江 さん
出身地:山口県山口市、前住所:東京都、現住所:山口県山口市、職業:薬剤師、鍼灸師、国際中医専門員A級
目次
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山口市へ移住した経緯を教えてください。
大坪皆江さん(以下、大坪):私自身は山口市生まれ、山口育ちです。大学の薬学部を卒業して薬剤師となりました。その後東京で漢方を学び、カナダで美容・メイクの勉強をし、北九州市で鍼灸の学校に通いました。
鍼灸学校時代に夫と知り合い、卒業後に結婚しましたが、夫は北九州市にある中医学の第一人者の先生のところで修業をすることになり、私は単身山口に戻って実家の薬局を手伝っていました。
なぜ山口でこの仕事を?
大坪:私の実家があることと、競合する鍼灸院が少ないことから、山口市で開業することにしました。
現在の状況と移住後の感想を教えてください。
大坪:山口市は鍼灸の効果があまり知られていなくて、集客できるか不安もありましたが、夫が師から免許皆伝の許しを得たので、2015年7月に山口大学のそばで「だるま鍼灸院」を開きました。
開業して3か月経つころから口コミで受診者が増え始め、さらに、2016年2月に中四国地方9県にまだ5台しかない「細胞ナノスキャンMTR(メタトロン)」という機器を導入してからは、評判がこちらも口コミで広がり、経営が安定しました。問診とメタトロンで全身の健康状態を測定し、西洋医学と東洋医学の両面から総合的に判断し、鍼灸に食事指導や薬浴なども組み合わせてその人にあった方法で治療します。
肩こりや腰痛、アレルギーなども治るので、治療により快方に向かわれた方がご家族やお友だちを紹介して下さったり、定期的なメンテナンスで来られる方もあります。美容鍼灸とリフレクソロジーを組み合わせたイベント、妊活講座やお灸セミナー、薬膳鍋の会など、美と健康に関する展開をしています。
地方への移住にあたり不安だったことは?実際はいかがでしたか?
大坪:夫は北九州から移って来ましたが、距離的に近いこともあって、特に不安はなかったそうです。居酒屋で知り合いを増やしているみたいで、山口の方が友だちやコミュニティを作りやすいと言っています。
山口の魅力はを教えてください。
大坪:東京、徳島、北九州で暮らしましたが、山口はおだやかな印象です。言葉も優しいですね。
夫はマンションでも出会った人と挨拶しあうことにびっくりしていました。 山口市は県庁、市役所、税務署、商工会議所などが近くにまとまっていて、便利だと思いました。UJIターンや開業の支援体制が整っていると思います。
山口に住んで戸惑ったことはありましたか?
大坪:私は山口育ちなので戸惑うことはありませんが、夫も特に困ったことはないそうです。まちづくりの会合などで、鍼灸師はめずらしいと、おもしろがられているようです。
今後の展望についてお聞かせください。
大坪:鍼灸の効果をもっと知ってもらいたいですね。
将来的には、鍼灸院、病院、薬局、エステ、カフェ、温泉、オーガニック製品のショップなどを集めた、健康を軸にした複合施設を作ることが夢です。食べることから始めて、患部だけではなく全体を診る統合的な医療を提供し、自分で意識して心も体も健康な状態を保つというようなコンセプトで、センスのいい施設を作りたいです。
ニーズを読んで、新しいことを始めるとつながりができます。そのつながりを生かして様々なサービスを一処で提供してお客様に喜んでもらえる。売り上げが伸び、事業を拡大して雇用が生まれる。施術を受ける機会がさらに増えて健康な人がもっと増える。幸せの循環ですね。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスをお願いします。
大坪:私たち夫婦は鍼灸院を開きましたが、ほかにもまだ山口にない仕事というのはあると思います。新しいことを始め、定着させて、雇用も生むという流れをしかけるのはおもしろいと思います。
私たちは開業や経営に関しては何もわからないままでしたが、山口商工会議所に相談して、道順を示していただきました。創業にあたって事業計画書を作成することになり、作成過程で数字的には難しいという現実を知ったこと、自分たちの強みは何か、ニーズに対して何を提供できるのかを整理できたことがよかったです。
移住や開業に関していろいろな情報を持っていて、親身になって相談に乗ってくださるので、ぜひ市や商工会議所に相談してみてください。 夫は、酒席では先によっぱらって、ダメなところを見せるとなじみやすいと言っています。山口は維新の地ですから、「平成維新」や「革命」を起こそうと盛り上がることもあるそうですよ。
出典: 先輩移住者の声 大坪皆江さん