移住者プロフィール
鵜瀬(うせ) 守さん
移住時期
2003年
出身地:長崎県壱岐市芦辺町、現住所:長崎県壱岐市(Uターン)職業:(株)「ウセズワールド」代表、ソロキャンプ施設「一支(いき)国 CAMP style」運営
目次
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ご出身は壱岐市だそうですね。高校卒業後に島を離れようと思った理由を教えてください
鵜瀬守さん(以下、鵜瀬):当時は今より情報が少ない中で、“海外を見てみたい”と思ったんです。というのも、海外の人は、自分の国や地域に誇りを持っていて、いいところだと自慢しますよね。
でも、恥ずかしながら、自分にはそれはなかったんです。海外の人々に、『壱岐はどんなところですか?』と聞かれた時、全く答えられなくて。
自分の故郷なのに、壱岐の魅力を何も知らないことに気が付いたんです。海外での暮らしを経て、子どもが中学校に上がる時壱岐に戻ってきました。
それから、壱岐の歴史や文化について勉強をさせてもらったんですが、弥生時代の原の辻遺跡が国の特別史跡であることを学び、壱岐が歴史的に深い場所だというのを初めて知ることになったわけです。
壱岐の“ここが凄い!”と思うところはどこですか?
鵜瀬:「歴史」そして「文化」ですね!自然もそうだけど、海外のスケール感に比べたら、壱岐のボリュームは大した規模ではないですよね。
ただ、歴史・文化は、“ここにしかない”というのが一番の魅力だし、凄いところかな。オンリーワンの発想ですね。日本人は色々な西洋文化を真似るけど、西洋の人にとっては、「日本文化」を追求することに魅力を感じるんだそうです。原の辻遺跡の歴史というのは今も残っているんだから、これを大切にしていくことが、本当の意味での壱岐の人たちの“誇り”になると思っています。
人々の暮らし、歴史・文化を、記録として残すことが一番大切ですよね。
壱岐でのお仕事についてお聞かせください
鵜瀬:海外で色々な人にお世話になったので、それを壱岐に来島する方々に“恩返し”するという意味を込めて、色々と取り組んでいます。与えられた環境を活かしたいんですよね。幡鉾川(はたほこがわ)は、歴史的に非常に意味のある場所なので、それを活かすべきと考え、『一支(いき)国 CAMP style』を作りました。
ここで“ゆったりと時を過ごす”という、本当の意味での心の“豊かさ”を知り、自分の時間を大切にする体験を享受してほしいと思っています。そのためには、豪華な施設なんて不要で、この“歴史”、“文化”と“景色”さえあればいいんです。
あとは、“子どもの頃に、やりたかったけど出来なかったことをしてみたい”という夢の実現もあるかな。さまざまな思いが複合する中、この環境を活かし、もっと多くの方に知ってもらう方法を考えています。
島外からの移住者に対してどのような印象をお持ちですか?
鵜瀬:若い移住者が来てくれることは、本当にありがたいです。移住後の生活をうまく組み立てられて、「定住」してくれることを願っていますね。原の辻遺跡は、交易(こうえき)しながら形成され、“交流の拠点”として確立されたので、島の人には、“訪れる人を受入れ、歓迎する雰囲気”はあると思うんだよね。
頑張ってほしいと思っていますし、力になれることがあったら協力してあげたいと常々思っていますよ。やはり、「生活力」と「目的」が大事になってくるかな。この環境をどう生かせるのかも、考えてもらえるといいですね。
鵜瀬さんにとっての壱岐を“一言”で表すなら?
鵜瀬:「最高の島」笑。歴史・文化があって、自然があって、食が豊かで、災害も少ない。ある程度の“豊かさ”があって、ある程度の“環境”も整っていて、最高の島でしょ。なにか求めるものがある時は、福岡に行くこともできるしね。